保健福祉の現場から

感じるままに

今後の認知症対策

2013年12月26日 | Weblog
キャリアブレイン「認知症初期支援チーム新設などに32億円- 厚労省・14年度予算案」(http://www.cabrain.net/news/article/newsId/41707.html)。<以下一部引用>
<厚生労働省の2014年度予算案では、「認知症初期集中支援チーム」の新設などを含む「『認知症施策推進5か年計画』の着実な推進」(32億円)が盛り込まれている。(中略) 「『認知症施策推進5か年計画』の着実な推進」では、認知症の人やその家族への支援を目的とした認知症初期集中支援チーム」を100か所設置することや、認知症地域支援推進員の配置の促進、認知症疾患医療センターなど専門医療機関を175か所から300か所まで増やすことなどが示されている。>

キャリアブレイン「認知症の精神症状への対応で訪問支援を提案- 精神科入院医療と在宅支援のあり方研究会」(http://www.cabrain.net/news/article/newsId/41717.html)。<以下一部引用>
<今年度4回目となる認知症の人の精神科入院医療と在宅支援のあり方に関する研究会(座長=大島伸一・国立長寿医療研究センター総長)が25日、東京都内で開催された。精神症状が起こってしまい、精神科外来を受診できないような認知症の人に対し、アウトリーチ(訪問支援)を実際に行えるかどうかが一つのテーマとなった。>

ネット上で介護予防のための生活機能チェック(http://www.tyojyu.or.jp/hp/menu000001000/hpg000000954.htm#top)ができるが、市町村では、二次予防事業の対象者把握事業(http://www.tyojyu.or.jp/hp/page000000800/hpg000000790.htm)として行われ、基本チェックリストを通じて、二次予防事業の対象者と判断された方に対して、二次予防事業施策として、通所型介護予防事業や訪問型介護予防事業が実施されている。平成23年度 介護予防事業(地域支援事業)の実施状況に関する調査結果(http://www.mhlw.go.jp/seisakunitsuite/bunya/hukushi_kaigo/kaigo_koureisha/yobou/tyousa/h23.html)によると、二次予防事業における対象者把握事業は、基本チェックリスト配布者数1658万6054人、基本チェックリスト回答者数1039万1259人、二次予防事業対象者総数259万792人、参加者総数16万9628人であり、低調といわざるを得ない。さて、介護予防事業(http://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/hukushi_kaigo/kaigo_koureisha/yobou/index.html)は、厚労省資料(http://www.mhlw.go.jp/file/05-Shingikai-12601000-Seisakutoukatsukan-Sanjikanshitsu_Shakaihoshoutantou/0000030649.pdf)p24に出ているように、次期介護保険事業計画において焦点の一つであり、介護予防・日常生活支援総合事業での、①一般介護予防事業(介護予防事業対象者の把握事業等)、②介護予防・生活支援サービス事業(従来の通所型介護予防事業と訪問型介護予防事業)がどうなるか、注目である。この関連で気になるのは、資料(http://www.mhlw.go.jp/file/05-Shingikai-12601000-Seisakutoukatsukan-Sanjikanshitsu_Shakaihoshoutantou/0000030649.pdf)p12にある地域包括支援センター等に配置される「認知症初期集中支援チーム;複数の専門職(専門医、保健師、介護福祉士等)が認知症が疑われる人、認知症の人とその家族を訪問し、アセスメントや家族支援などの初期の支援を包括的・集中的に行い、自立生活のサポートを行う。」と「認知症地域支援推進員(保健師・看護師等);認知症の人ができる限り住み慣れた良い環境で暮らし続けることができるよう、地域の実情に応じて医療機関、介護サービス事業所や地域の支援機関をつなぐ連携支援や認知症の人やその家族を支援する相談業務等を行う。」である。資料(http://www.mhlw.go.jp/file/05-Shingikai-12601000-Seisakutoukatsukan-Sanjikanshitsu_Shakaihoshoutantou/0000030649.pdf)p28で、平成27~29年度は「取組可能な市町村から順次実施。小規模市町村では事業の共同実施等を可能とする。都道府県による支援等も実施。」とあり、各自治体の第6期介護保険事業計画(平成27~29年度)において、どのように打ち出されるか、注目である。しかし、生活機能チェック(http://www.tyojyu.or.jp/hp/menu000001000/hpg000000954.htm#top)では認知症リスクを有する高齢者は把握できるが、認知症の診断はできない。ここは、「認知症疾患治療ガイドライン」(http://www.neurology-jp.org/guidelinem/nintisyo.html)による認知症医療との連携、特に早期診断・治療(http://www.mhlw.go.jp/topics/kaigo/dementia/a03.html)(http://www.neurology-jp.org/guidelinem/degl/sinkei_degl_2010_03.pdf)が重要であり、保健・介護と医療との連携が必要である。厚労省「認知症施策の推進について」(http://www.mhlw.go.jp/file/05-Shingikai-12601000-Seisakutoukatsukan-Sanjikanshitsu_Shakaihoshoutantou/0000021004.pdf)に対して、日本医師会「厚生労働省「今後の認知症施策の方向性について」に対する日医の見解(http://www.med.or.jp/shirokuma/no1577.html)、日本精神科病院協会「厚生労働省認知症施策検討プロジェクトチーム「今後の認知症施策の方向性について」の反論」(http://www.nisseikyo.or.jp/home/about/05teigen/2012/120726.html)が出ているように、認知症対策には医療が不可欠であるのはいうまでもない。例えば、生活機能チェック(http://www.tyojyu.or.jp/hp/menu000001000/hpg000000954.htm#top)での認知症リスクを有する高齢者に対して、HDSーRやMMSE等のスクリーニングを行い、一定以上は積極的に医療につなげるシステムを普遍化させてもよいように感じる。但し、膨大な認知症患者数を考慮すれば、それは認知症疾患医療センターだけでは不可能である。認知症専門医(https://kirakira-care.net/society/)は少なく、画像診断を含む認知症の鑑別診断にも、医療連携体制の構築が重要と感じる。昨年出された政府のオレンジプラン(http://www.mhlw.go.jp/stf/houdou/2r9852000002j8dh.html)(http://www.mhlw.go.jp/stf/houdou/2r9852000002j8dh-att/2r9852000002j8ey.pdf)p1では、「「身近型認知症疾患医療センター」の機能(早期診断・早期支援、危機回避支援)については、平成25年度までに、認知症サポート医の活動状況等も含めた調査を行い、それを踏まえて検証する。」とあった。また、厚労省資料「認知症施策の推進について」(http://www.mhlw.go.jp/file/05-Shingikai-12601000-Seisakutoukatsukan-Sanjikanshitsu_Shakaihoshoutantou/0000021004.pdf)p11に出ている、「認知症医療支援診療所(仮称)」もあるが、それでも追い付かないように感じる。さて、医療計画(http://www.mhlw.go.jp/seisakunitsuite/bunya/kenkou_iryou/iryou/iryou_keikaku/)(http://www.mhlw.go.jp/stf/shingi/2r98520000036ff1-att/2r98520000036fkg.pdf)での精神疾患は、認知症に関して、①認知症の進行予防、②専門医療機関へのアクセス、③地域生活維持、④BPSDや身体疾患等が悪化した場合に分け、それぞれの目標、医療機関に求められる事項等を作成する(http://www.mhlw.go.jp/seisakunitsuite/bunya/kenkou_iryou/iryou/iryou_keikaku/dl/shiryou_a-3.pdf)ことになっている。そして、認知症(進行)予防の介護予防・生活支援サービス事業(従来の通所型介護予防事業と訪問型介護予防事業)については、まさにそれぞれの地域において、創意工夫が求められるであろう。市町村健康増進計画(http://www.mhlw.go.jp/bunya/kenkou/dl/kenkounippon21_01.pdf)では、「高齢者の健康」に関する目標値として、「介護保険サービス利用者の増加の抑制」「認知機能低下ハイリスク高齢者の把握率の向上」「高齢者の社会参加の促進(就業又は何らかの地域活動をしている高齢者の割合の増加)」が掲げられており、もっと、認知症予防を前面に出せないものであろうか。介護予防マニュアル(http://www.mhlw.go.jp/topics/2009/05/tp0501-1.html)では「運動による認知症予防」(http://www.mhlw.go.jp/topics/2009/05/dl/tp0501-sankou7-1-2.pdf)も示されており、今年の「健康づくりのための身体活動基準2013」と「健康づくりのための身体活動指針(アクティブガイド)」(http://www.mhlw.go.jp/stf/houdou/2r9852000002xple.html)では、認知症予防としての身体活動が強調されている。また、厚生労働省の介護予防マニュアル改訂版(http://www.mhlw.go.jp/topics/2009/05/tp0501-1.html)の認知症予防・支援マニュアル(http://www.mhlw.go.jp/topics/2009/05/dl/tp0501-1h.pdf)において、生きがい型として、囲碁、将棋、園芸、料理、パソコン、ウォーキング、水泳、ダンス、体操等が例示されている。介護予防は、行政・事業者だけではなく、住民資源の要素も大きく、健康長寿ネット(http://www.tyojyu.or.jp/hp/page000000300/hpg000000255.htm)で紹介されている、認知症に対する非薬物的療法(回想法、音楽療法、運動療法など)について、身近な場での継続的実施が期待され、今後は、保険料財源による介護保険の枠内事業(地域支援事業)だけではなく、認知症サポーター100万人キャラバン(http://www.caravanmate.com/)(http://www.mhlw.go.jp/topics/kaigo/dementia/c03.html)の他、ボランティア、NPOなどを含めたソーシャルキャピタルを進めたいところで、市町村の高齢者保健福祉計画、地域福祉計画、健康増進計画による展開がぜひ必要と感じる。厚労省の「認知症高齢者数について」(http://www.mhlw.go.jp/stf/houdou/2r9852000002iau1.html)(http://www.mhlw.go.jp/stf/houdou/2r9852000002iau1-att/2r9852000002iavi.pdf)、「認知症有病率」(http://www.mhlw.go.jp/stf/shingi/2r98520000033t43-att/2r98520000033t9m.pdf)では認知症の多さが目に付くが、「認知症患者が多い、今後増加する」といっているだけではいけない。
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