保健福祉の現場から

感じるままに

保健所多忙と自宅療養死亡

2021年09月07日 | Weblog
R3.9.6NHK「保健所の健康確認2週間行われず コロナ感染50代男性死亡 埼玉」(https://www3.nhk.or.jp/news/html/20210906/k10013247521000.html)。<以下引用>
<埼玉県は、新型コロナウイルスに感染した50代の男性について、保健所による健康状態の確認などが2週間にわたって行われず、今月3日、自宅で亡くなっているのが見つかったことを明らかにし、謝罪しました。埼玉県によりますと、県内に住む50代の男性は先月18日に新型コロナウイルスへの感染が確認されましたが、先月22日以降、2週間にわたって保健所による健康状態の確認などが行われない状況が続き、今月3日、自宅で死亡しているのが見つかったということです。県によりますと、遺体の状況などから男性は先月下旬に死亡したとみられ、これまでのところ死因はわかっていないということです。担当した春日部保健所では、多数の感染者への対応に追われる中、男性についての情報が職員の間で共有されず、健康状態の調査の対象から漏れたままの状態が続き、カルテも作られていなかったということです。埼玉県保健医療部の小松原誠副部長は「大変遺憾です。こうしたことが二度と起きないよう、事務の見直しと情報の一元化を行っていきます」と謝罪しました。>

R3.9.6朝日新聞「名古屋市で自宅療養中の30代男性死亡 保健所からの電話つながらず」(https://www.asahi.com/articles/ASP966TS0P96OIPE014.html?iref=com_apitop)。<以下引用>
<東海3県では6日、計1424人の新型コロナウイルス感染が確認されたほか、名古屋市で軽症と判断され自宅療養中だった30代男性が、肺炎で亡くなったと発表された。ワクチン未接種だったという。市によると、男性は8月29日に感染判明。今月2日に体調確認などで保健所が電話で男性と話したが、3日から出なくなった。男性の職場の上司が5日に自宅を訪ね、倒れているのを見つけた。その後死亡が確認された。基礎疾患はないが、重症化リスクがある「肥満」(BMI30以上)だったという。保健所からは携帯も含めて複数回線から電話することや家族などの緊急連絡先にかけることもあるが、今回は感染者急増で連絡が行き届かなかった可能性があるという。市は今後、家族や知人、警察などにも連絡し、感染者本人と接触するようにするとしている。愛知県では20日連続で1千人を超える1190人が感染。入院患者は週末に35人増え1042人(病床使用率64・1%)、重症者は88人(同51・8%)。大村秀章知事は、12日までの緊急事態宣言を「医療は厳しさを増し、解除は難しい」との見通しを示した。自宅療養者は1739人増え1万9015人となった。一方で、県は10月第1週までに県内12歳以上の88・5%が2回接種できる量のワクチンが供給される見通しだと明らかにした。県が市町村で配分の偏りが出ないよう調整を続ける。三重県では109人の感染を確認。6日朝時点の病床使用率は69・2%で過去最も深刻になった。岐阜県では125人が感染し、病院など3件のクラスター(感染者集団)が確認された。>

R3.9.7朝日新聞「松井大阪市長「保健所は限界」 感染者への連絡、持ち越し3000件」(https://www.asahi.com/articles/ASP976TL2P97PTIL021.html)。<以下引用>
<大阪市保健所は7日、新型コロナウイルス感染者に症状や濃厚接触者などを聞き取る最初の連絡について、感染把握の翌日以降に持ち越すケースが9月初めごろに約3千件にのぼったと明らかにした。感染把握から2日後までに連絡することを目指し、7日に疫学調査チームを約180人から約200人に増やした。市保健所によると、市内の1日あたりの新規感染者が1千人を上回るようになった8月後半から、感染者への最初の連絡を持ち越すケースが増え始めた。連絡をとるまでに最大4日かかったという。松井一郎市長は「保健所は限界に来ている」との認識を示す。>

R3.9.7NHK「コロナ感染ホテル療養の男性死亡 神奈川県 対応不備認め和解金」(https://www3.nhk.or.jp/news/html/20210907/k10013247591000.html)。<以下引用>
<神奈川県は、去年12月に新型コロナウイルスに感染し、ホテル療養中に死亡した50代の男性について、県の対応に不備があり病院に搬送するのが遅れたとして、遺族に575万円の和解金を支払うことを決めました。県が療養中の死亡に対して和解金を支払うのは初めてです。神奈川県によりますと、死亡した50代の男性は、去年12月に感染が確認され、県が用意したホテルで療養していましたが、常駐していた看護師らは、男性の血液中の酸素の値が下がっても医師に相談しなかったほか、定時の健康観察の連絡が取れなかったのにすぐに部屋を訪問せず、およそ4時間後に倒れているのを見つけたということです。県が設置した第三者委員会はことし3月、患者と連絡が取れなかったり容体が急変したりした際の統一的なルールが定められていなかったため、異変に気付くのが遅れ、すぐに病院に搬送できなかったと指摘しました。これを受けて、県は対応に不備があったと認めて謝罪したうえで、和解金として575万円を支払うことで遺族と合意したということです。県が療養中の死亡に対して和解金を支払うのは初めてで、関連議案を今月8日に開会する県議会に提案することにしています。>

R3.9.3東京新聞「濃厚接触者が追い切れない…保健所多忙で調査縮小 「陽性者見逃しているかも」と専門家」(https://www.tokyo-np.co.jp/article/128494)が報道されており、保健所業務がひっ迫しているが、陽性者に対するコンタクトが遅れ、療養指示(入院、宿泊療養、自宅療養)がされないようではいけない。「新型コロナウイルス感染症対策アドバイザリーボード」(https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/0000121431_00294.html)のR3.9.1資料2-2「最近の感染状況等について」(https://www.mhlw.go.jp/content/10900000/000826593.pdf)p4「新規死亡者数の推移」をみると、第4波での新規死亡者数は5月中旬がピークでスパイクがみられている。最近のR3.8.31NHK「自宅療養 60代男性死亡 10日以上電話応答なく 発見は死後2日か」(https://www3.nhk.or.jp/news/html/20210831/k10013235971000.html)、R3.8.30NHK「新型コロナで自宅療養中の女性死亡 死後3日か 千葉 柏」(https://www3.nhk.or.jp/news/html/20210830/k10013232981000.html)、R3.8.29FNN「基礎疾患なく…自宅療養中の40代女性死亡 夜に症状悪化そのまま亡くなる 東海3県新規感染者1996人」(https://www.fnn.jp/articles/-/231308)、R3.8.31朝日新聞「保健所が連絡見落とす 静岡で自宅療養者1人死亡」(https://www.asahi.com/articles/ASP806G4DP80UTPB00X.html)等の一連の報道をみると、死亡には自宅療養が影響していないとも限らない。R3.8.31「新型コロナウイルス感染症COVID-19診療の手引き 第5.3版」(https://www.mhlw.go.jp/content/000829136.pdf)p35「図4-1 重症度別マネジメント」は的確に行われているであろうか。R3.8.26「新型コロナウイルス感染症における中和抗体薬「カシリビマブ及びイムデビマブ」の医療機関への配分について(質疑応答集の修正・追加)」(https://www.mhlw.go.jp/content/000823678.pdf)p10~11「医療機関による外来での投与、宿泊療養施設・入院待機施設(臨時の医療施設等)での投与 保健所の介入によらず当該施設で必要な対応を完結できるよう、事前に役割分担及び責任の所在を明確化すること」はポイントで、p3 「重症化リスク因子」を有する方(50歳以上、肥満、糖尿病、高血圧、脂質異常、妊娠後期、COPD、慢性腎臓病、喫煙等)への投与の機会を逸してはならない。R3.9.2「地域の医療機関等の協力による健康観察等の推進について」(https://www.mhlw.go.jp/content/000827144.pdf)の「陽性診断を行った各医療機関において、患者の電話番号など発生届に係る情報をHER-SYS に入力していただいた上で、発生届画面の「通知」ボタンを押下することにより、HER-SYS ID が当該患者に送信され、これによりMy HER-SYS(患者がスマートフォン等を通じて簡易入力・情報共有)による健康観察を行うことも可能になります。」(https://www.mhlw.go.jp/content/000827145.pdf)は、自宅療養の急変時に対応できるであろうか。R3.9.8日刊ゲンダイ「新型コロナ「安全配慮義務違反」訴訟は全国に波及 神奈川県は遺族に575万円の和解金」(https://www.nikkan-gendai.com/articles/view/life/294463)の「「神奈川県の和解金支払いは全国に波及するでしょう。今後は死亡だけでなく、重症化で苦しんだとか後遺症が残ったとの理由で行政を訴えるケースが増えるとも思われます。安全配慮義務違反の時効は10年と長いので、納得できない場合は弁護士に相談するのもいいでしょう」(落合洋司氏)」(https://www.nikkan-gendai.com/articles/view/life/294463/3)を認識する必要がある。
コメント    この記事についてブログを書く
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする
« ソトロビマブ | トップ | 都道府県と市町村の連携 »

コメントを投稿

ブログ作成者から承認されるまでコメントは反映されません。

Weblog」カテゴリの最新記事