保健福祉の現場から

感じるままに

新型コロナの入院医療・外来医療

2021年11月16日 | Weblog
R3.11.17テレ朝「コロナ対応の看護師 来年2月から月4000円賃上げへ」(https://news.tv-asahi.co.jp/news_politics/articles/000235472.html)。<以下引用>
<政府が取りまとめる新たな経済対策について、自民党は19日に了承する見通しです。17日に政府側から示された案では、コロナ医療などを担う看護師を対象に来年2月から9月まで収入を1%程度、月額4000円引き上げて段階的に3%程度引き上げる方針が示されました。また、保育士や介護職については来年2月から収入を3%程度、月額9000円引き上げるとしています。これらの方針は19日に自民党内の手続きを経て閣議決定される見通しです。>

R3.11.15Web医事新報「【識者の眼】「厚労省と財務省の壁を越えて」草場鉄周」(https://www.jmedj.co.jp/journal/paper/detail.php?id=18421)は正論であるが、容易ではないであろう。財政制度等審議会財政制度分科会(https://www.mof.go.jp/about_mof/councils/fiscal_system_council/sub-of_fiscal_system/index.html)のR3.11.8「社会保障」(https://www.mof.go.jp/about_mof/councils/fiscal_system_council/sub-of_fiscal_system/proceedings/material/zaiseia20211108/01.pdf)p39「診療報酬改定と⼊院医療の機能分化③(今後の制度⾯の課題)」の「教訓は、規制的⼿法を含めた実体⾯の改⾰がないまま、診療報酬や補助⾦といった財政⽀援で医療機能の強化を図ることには限界があるということである。費⽤対効果が低くなることを含め財政的な問題を孕むうえ、医療の質にも弊害を及ぼし得る。」「具体的には、実体⾯の改⾰を伴わないまま算定回数や確保病床数といった⽀援の対象拡⼤が優先されることで、政策⽬的と財政⽀援の要件等との乖離が⽣じやすい。財政⽀援に⾒合う医療機能の強化(急性期医療の実態への対応や新型コロナ患者の受⼊れ促進)が果たされず、そのことが更なる要件等の緩和や財政⽀援の追加の議論を招くなど悪循環に陥り、砂漠に⽔を撒くような財政資源の散財となりかねない。」「尤も、今後の新型コロナへの対応については、財政⽀援ありきではなく、都道府県毎の医療機関別の新型コロナ⽤の病床の使⽤率の「⾒える化」、現⾏法の下での国・都道府県知事に与えられた権限の最⼤限の活⽤、公的病院の専⽤病床の更なる確保により、確保病床が感染拡⼤時に確実に稼働する体制を作る⽅針が⽰されている。さらに司令塔機能の強化や⼈流抑制、医療資源確保のための法改正なども検討されている。」「地域医療構想の取組についても、新興感染症等の感染拡⼤時に向けて必要な対応を講じつつ、時計の針を戻すことなく、遅滞なく進めるべきである。その際、地域医療構想の推進が、必要な急性期病床を削減するものではまったくなく、医療資源が散在している実情を是正し、真に急性期にふさわしい医療機能を果たす医療機関に医療資源を集約化するなどにより、新興感染症にも対応できる持続可能な医療提供体制を構築する取組であり、医療の質の向上をもたらすことの理解を得ていく必要がある。」「あわせて、①医療費適正化計画上も地域医療構想の推進を必須事項として位置付けることを含め、地域医療構想の法制上の位置づけを強化すること、②地域医療構想調整会議の実効性を⾼めるための環境整備を⾏い、都道府県における地域医療構想の達成状況の「⾒える化」や未達成の場合の都道府県の責務の明確化など地域医療構想のPDCAサイクルを強化すること、③今般の新型コロナ禍の経験や今後の法改正の議論を踏まえ、平時において地域医療構想の推進に向けた医療法上の都道府県知事の権限の強化を図ることなどにより取組の強化が図られなければならない。」は、医療政策研修会(https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/0000194369.html)で示されても良いかもしれない。例えば、財政制度等審議会財政制度分科会(https://www.mof.go.jp/about_mof/councils/fiscal_system_council/sub-of_fiscal_system/index.html)のR3.11.8「社会保障」(https://www.mof.go.jp/about_mof/councils/fiscal_system_council/sub-of_fiscal_system/proceedings/material/zaiseia20211108/01.pdf)p40「「素泊まり入院」は、診察、注射、処置、手術、検査、画像診断の医療資源がいずれも投入されず、入院・食事・投薬のみ(場合により入院・食事のみ)が提供されている慣行を指す。」は無症状・軽症のコロナにもあてはまるであろうが、R3.10.20NHK「「陽性者は全員入院」和歌山独自の対策から考える第6波の備え」(https://www3.nhk.or.jp/news/html/20211020/k10013307181000.html?utm_int=all_side_ranking-social_005)が報じられているように、コロナ医療すら、方向が定まっているとはいえないように感じる。確かに、R3.11.2「新型コロナウイルス感染症( COVID 19 )診療の手引き・第6.0版」(https://www.mhlw.go.jp/content/000851077.pdf)p45「自宅療養者に対して行う診療プロトコール」では、「SpO2低下(≦93%)があれば酸素療法とステロイド投与を行う」とあるが、中等症Ⅱを在宅医療に依存するのを標準にしてはいけない。かといって、「陽性者は全員入院」(https://www3.nhk.or.jp/news/html/20211020/k10013307181000.html?utm_int=all_side_ranking-social_005)は極端すぎるであろう。財政制度等分科会(https://www.mof.go.jp/about_mof/councils/fiscal_system_council/sub-of_fiscal_system/proceedings/index.html)のR3.10.11資料1-3「コロナ禍を乗り越えてあるべきプライマリ・ケア」(https://www.mof.go.jp/about_mof/councils/fiscal_system_council/sub-of_fiscal_system/proceedings/material/zaiseia20211011/03.pdf)p2「発熱や上気道炎などの症状を持ち、コロナ感染の可能性のある患者に対して診察を断る医療機関も当初は少なくなく、感染への不安から受診を避ける患者に対してオンライン診療で診察を提供する用意がなかった クラスター感染が発生した介護施設の患者に対して訪問診療やオンライン診療を通じてサポートする機会はほとんどなかった コロナ感染者として施設療養あるいは自宅待機している患者に対して、当初は診療する機会はなく、第4,5波でようやく関与することができたが、政府や医師会の呼びかけにもかかわらず動いた医療機関は限定的であった」、p3「その結果として、有症状患者が普段かかっている医療機関での診療を受けることができず、急性期病院に直接受診、あるいは保健所・自治体に相談し医療逼迫を悪化 施設などでクラスターが発生した場合に、十分な医療を提供することができず、ほぼ放置されて死亡するケースが多発 自宅療養患者が急増した際に保健所での対応が難しく、自宅で孤独のうちに症状悪化し死亡するケースが多発」をみると、かかりつけ医療機関による早期診断・治療がポイントかもしれない。R3.10.20時事「今だから「治療薬」を考える 飲み薬登場、変わるコロナとの闘い」(https://www.jiji.com/jc/v4?id=202110keizaihyaku0280001)の「一般の病院での処方については感染のリスクが高く、「ハードルが高い」と警戒する。感染症法の5類指定への引き下げについても時期尚早として、慎重な姿勢を示した。」(https://www.jiji.com/jc/v4?id=202110keizaihyaku0280003)のような意見は変わらないであろうか。新型コロナは入院医療・外来医療の役割分担と連携を考える機会としたいものである。厚労省「受診・相談センター/診療・検査医療機関等」(https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/kenkou_iryou/covid19-jyushinsoudancenter.html)で自治体ごとの設置数が出ているが、診療・検査医療機関リストは原則公開すべきと感じる。それすらできないようでは、改革は厳しいかもしれない。コロナ禍の現場では、医療計画(https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/kenkou_iryou/iryou/iryou_keikaku/index.html)・地域医療構想(https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/0000080850.html)・医療と介護の一体的な改革(https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/0000060713.html)が進んでいないように感じるのは気のせいであろうか。
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