保健福祉の現場から

感じるままに

コロナ薬物治療

2021年11月25日 | Weblog
R3.11.10日本感染症学会「COVID-19に対する薬物治療の考え方第10.1報」(https://www.kansensho.or.jp/uploads/files/topics/2019ncov/covid19_drug_211110.pdf)を踏まえて、R3.11.24「新型コロナウイルス感染症における中和抗体薬の医療機関への配分について(疑義応答集の修正)」(https://www.mhlw.go.jp/content/000836895.pdf)が発出されている。ブレイクスルー感染が懸念される中で、R3.11.24「新型コロナウイルス感染症における中和抗体薬の医療機関への配分について(疑義応答集の修正)」(https://www.mhlw.go.jp/content/000836895.pdf)p18「本剤とSARS-CoV-2に対するワクチンとの相互作用に関するデータは得られていません。ワクチン接種者における本剤の適用に当たっては、本剤投与のリスクベネフィットを慎重に検討してください。」はエビデンスを踏まえた見解が速めに示されるべきと感じる。R3.11.10日本感染症学会「COVID-19に対する薬物治療の考え方第10.1報」(https://www.kansensho.or.jp/uploads/files/topics/2019ncov/covid19_drug_211110.pdf)p10「SARS-CoV-2の既感染やワクチン接種等により自己の抗体を有すると考えられる患者では中和抗体薬の必要性、有効性が低くなる可能性があると考えられるが、現時点ではその臨床的意義は必ずしも明らかではなく、国内で使用可能な抗体検査薬は承認されていないため、今後の知見が待たれる。」とある。R3.11.24「新型コロナウイルス感染症における中和抗体薬の医療機関への配分について(疑義応答集の修正)」(https://www.mhlw.go.jp/content/000836895.pdf)p7「発症抑制に用いる場合にあっては、点滴静注又は皮下注射による投与を検討してください。」とあり、予防投薬では皮下注射が選択されるかもしれない。但し、R3.10.13毎日新聞「抗体カクテル療法「1回31万円で50万回分調達」 菅前首相が発言」(https://mainichi.jp/articles/20211013/k00/00m/010/213000c)・R3.10.14朝日新聞「抗体カクテル「1回31万円で50万回分調達」 菅前首相明かす」(https://www.asahi.com/articles/ASPBG4VZVPBGULBJ00C.html?iref=com_apitop)とあり、1回31万円の薬剤を安易に予防投与するわけにはいかないかもしれない。そういえば、R3.10.20JBpress「韓国社会に大きな衝撃、病院で「ブレイクスルー」クラスター発生」(https://jbpress.ismedia.jp/articles/-/67387)の「最初に投入されるメルク製は非常に高価だという。米国政府は1回当たり700ドル(約7万7000円)の価格でメルクと契約したと伝えられている。」(https://jbpress.ismedia.jp/articles/-/67387?page=5)、R3.11.18AFP「ファイザー、コロナ飲み薬1000万錠を米に販売へ 6000億円で」(https://www.afpbb.com/articles/-/3376642)とあるように、コロナ治療薬は高額である。新型コロナ治験(https://www.mhlw.go.jp/stf/newpage_20871.html)について、R3.9.3厚労省「軽症患者等を対象とした新型コロナウイルス感染症治療薬の治験について」(https://www.mhlw.go.jp/content/000827879.pdf)(https://www.mhlw.go.jp/content/000827880.pdf)、R3.10.4「新型コロナウイルス感染症に係る検査並びにワクチン及び治療薬の治験体制整備のための医療法上の取扱いについて」(https://www.mhlw.go.jp/content/000839281.pdf)に続き、R3.10.26「軽症患者等を対象とした新型コロナウイルス感染症治療薬の治験推進について」(https://www.mhlw.go.jp/content/000848289.pdf)が発出されているが、はたして国内治験の実態はどうなのであろうか。また、R3.11.1NHK「新型コロナ 軽症者向け飲み薬 塩野義製薬が海外でも臨床試験へ」(https://www3.nhk.or.jp/news/html/20211101/k10013330931000.html)が報じられているが、一年前の健康・医療戦略推進本部(https://www.kantei.go.jp/jp/singi/kenkouiryou/)のR2.11.17「新型コロナウイルス感染症に関する国内外の研究開発動向について」(https://www.kantei.go.jp/jp/singi/kenkouiryou/tyousakai/dai25/siryou3.pdf)p22「アジア地域における臨床研究・治験ネットワークの構築」は一体どうなっているであろうか。R3.9.8Web医事新報「[緊急寄稿]COVID-19における薬剤治験のあり方─移植感染症学の視点からみたCOVID-19[第3章]高橋公太 (新潟大学名誉教授,日本臨床腎移植学会元理事長,高橋記念医学研究所所長)」(https://www.jmedj.co.jp/journal/paper/detail.php?id=17992)の「当局の体質として,海外メーカーの高価な薬剤に対しての審査には甘く,逆に安価な国産品のファビピラビルやイベルメクチンの治験審査のあり方に厳しいと捉えられても仕方があるまい」とあるように、国内開発薬の迅速承認は厳しいのであろうか。ところで、R3.11.10日本感染症学会「COVID-19に対する薬物治療の考え方第10.1報」(https://www.kansensho.or.jp/uploads/files/topics/2019ncov/covid19_drug_211110.pdf)p2「原則として、無症状病原体保有者では薬物治療は推奨しない。」について、R3.11.2「新型コロナウイルス感染症( COVID 19 )診療の手引き・第6.0版」(https://www.mhlw.go.jp/content/000851077.pdf)p35「病状が進行しているにもかかわらず,呼吸苦低感受性の症例(silent hypoxia)がある」を踏まえると聞き取りだけで「薬物治療不要」と判断するのはリスクが伴う。R3.11.2「新型コロナウイルス感染症( COVID 19 )診療の手引き・第6.0版」(https://www.mhlw.go.jp/content/000851077.pdf)p34「肺炎の有無を把握するために,院内感染対策を行い,可能な範囲で胸部CTを撮影することが 望ましい.」、p45「発症日から7日前後で悪化することが多いため綿密なフォローが必要」を踏まえる必要がある。R3.9.7NHK「“第5波”若い世代の死者増加 東京 8月は最も高い割合に…」(https://www3.nhk.or.jp/news/html/20210907/k10013247861000.html)、R3.9.24朝日新聞「「首都圏は議論しているうちに死者増加」 コロナ自宅死、なぜ地域差」(https://www.asahi.com/articles/ASP9S664DP9SULEI002.html?iref=com_apitop)が起こった原因に「治療の遅れ」はないのであろうか。酸素が必要になってからでは抗体カクテルの適応はない。健康診断を受けていなければ、重症化要因である糖尿病や高血圧等を自覚していない場合が少なくないであろう。R3.9.23AERA「自宅放置死250人は「人災」 英米のコロナ対策を知る日本人医師が指弾」(https://dot.asahi.com/wa/2021092200010.html)の「酸素ステーションの設置も、後手の対策を象徴している。」(https://dot.asahi.com/wa/2021092200010.html?page=1)の指摘を重く受け止めたい。
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