保健福祉の現場から

感じるままに

地域連携クリティカルパス

2008年04月07日 | Weblog
昨年度の仕事の関係で、県庁担当者と医療計画と地域連携クリティカルパスについて協議する機会があった。脳卒中については、医療計画の中でも優先して進められているのであるが、医療機能は変化するため、継続的な協議が不可欠であろう。「疾病又は事業ごとの医療体制構築に係る指針」(http://wwwhourei.mhlw.go.jp/hourei/doc/tsuchi/191113-j00.pdf)と医療機能調査に基づく医療機関選定だけではなく、地域における共通の診療方針・診療情報による共通の申送り書である「地域連携クリティカルパス」の普及が期待されるところである。昨年7月20日の通知(http://wwwhourei.mhlw.go.jp/hourei/doc/tsuchi/191113-k00.pdf)の「第4 医療計画作成の手順等 2 疾病又は事業ごとの医療連携体制構築の手順 (2)協議の場の設置 ② 圏域連携会議」において、「圏域連携会議は、各医療機能を担う関係者が、相互の信頼を醸成し、円滑な連携が推進されるよう実施するものである。その際保健所は、地域医師会等と連携して当会議を主催し、医療機関相互または医療機関と介護サービス事業所との調整を行うなど、積極的な役割を果たすものとする。また、状況に応じて、地域連携クリティカルパス導入に関する検討を行う。」とされているように、まずは「関係者の相互の信頼醸成」が不可欠で、連携のツールの一つとして、地域連携クリティカルパス導入に関する検討が行われるべきである。信頼関係が醸成されていない中で、統一様式を作成・強要しても、現場では普及しないおそれがある。そして、協議の場だけではなく、様々な研修、症例検討会、運用パスの収集・バリアンス分析なども必要であり、「事務局」の役割が非常に大きいであろう。「地域連携パスの最大の効果は導入過程にある」とどこかに記されていたが、そうかもしれない。既存の研究会や勉強会等を活用し、パス様式自体も変化するものであり、あまり難しく考えすぎないことが重要かもしれない。ところで、疾患によって連携する医療機関の範囲やスタッフが異なっている。大腿骨頚部骨折や脳卒中のように「急性期、回復期、維持期」という一方向型の連携だけではなく、専門医療機関とかかりつけ医療機関を循環する連携もある。例えば、糖尿病、慢性肝炎、がん術後などであり、連携範囲・スタッフは脳卒中に比べて広くはない。今後、循環型(双方向型)の地域連携クリティカルパスの普及・推進が期待されるところである。
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