友々素敵

人はなぜ生きるのか。それは生きているから。生きていることは素敵なことなのです。

病院の待合室は人生劇場だ

2012年01月16日 19時25分38秒 | Weblog

 胸の痛みはやはり恋の病だった。それにしても、病院の待合室というのは人生劇場である。遅れてきた女性が声高に話していたのは、人身事故があって2時間も電車に閉じ込められたというものだった。いつも整列せずに割り込んでくるのは大概年寄りが多い。電車の中で弁当を食べる年寄りがいたが、市バスの乗ったら車内で弁当を食べている人がいたのには驚いた。お金上げるから、ここで降りてどこか公園で食べてと言いたかった。

 

 すると隣の女性が、年寄りに注意しても「自分の弁当を食べて何が悪い」と開き直られるのが落ちよと同調していた。若い人なら「すいません」と言うのに、年よりはダメね。こんな年寄りに育てられたのだから、自分勝手な親が多いのよと、学校のモンスターペアレントに話が及ぶ。そういえば、寒い季節だからか、階段に座り込むような高校生は見かけなくなった。車内で化粧する女性も見ない。電車に乗り込む時は整然とではないが列を作っている。

 

 あとはエスカレーターを歩く人がまだいるくらいかな。「駆けないで!歩かないで!」のポスターは貼ってあるが、なかなか守られない。あれも「エスカレーターは2人ずつ並んでご利用ください」と呼びかけた方がいいのにといつも思う。片側を空けるのは先を急ぐ人のためらしいけれど、それで逆に1列の長い列が出来てしまう。2人ずつ並べばもっとたくさんの人が短い時間で移動できる。さすがにエスカレーターを駆け登ったり降りたりする年寄りは少ないように思う。

 

 病院の待合室で、看護師さんを捕まえて、えらい剣幕で怒鳴っていた人がいた。予約の時間からもう1時間過ぎているのにまだ呼ばれないという苦情だ。看護師は「申し訳ありません。あと6人で順番が来ますから」と謝っていたけれど、「まだ6人もいる!30分以上かかるってことか!」とその年寄りは逆上していた。「あなたは病院通いの修行が足りない」と言ってやりたかったけれど、黙って見ていた。そのために多くの患者は本を持ってきて読んでいる。ここにはテレビがないのだから、待っている時間の過ごし方を考えなくてはダメだ。

 

 後からやって来た親子は、おじいさんが「まだ待たせるのか」と脹れて言うと、娘さんは「先生が丁寧だからなのよ」と答えていた。その通りで、確かにここの先生は丁寧だと私も思う。病院に入って診察を受けて出るまで、私は2時間20分かかった。混む病院はこんなものだろう。それが嫌なら混まない病院へ行けばいいが、混まないということは信頼されていないということだろう。

 

 そうは言っても、長い時間待たされると次第に腹が立ってくるのは事実だ。それが予約制であればムカッと来るのも止むを得ないだろう。怒鳴っていた年寄りも次第に感情が落ち着いてきたのか、「あんたに怒ってもしょうないけど、予約制を取ってるんだから何とかしないといかんな」と看護師に話していた。大病院に患者が集中してしまうのは、日本の医療の在り方にかかわるシステムの問題なのだ。恋の病を治してくれる医者はいないのかな。

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