友々素敵

人はなぜ生きるのか。それは生きているから。生きていることは素敵なことなのです。

回り道が幸いした「文化の日」だった

2023年11月03日 18時13分37秒 | Weblog

 カミさんが朝、「今日は何も予定が無いけど、あなたは?」と聞いてきた。どこかへ出かけましょうという提案である。新聞に知り合いが、叙勲で瑞宝章を受けた記事を読んでいた時だった。その向かいのページに、荻須記念美術館の「長谷川潔展」が載っていた。

 以前に行った時、帰りに入った喫茶店の1千円のランチが美味しかったので、「じゃー、美術館へ行って、帰りにピアノの演奏会がある喫茶店に寄って来よう」と提案する。場所がよく分からないが、行ってみればわかるだろうと安易な気持ちで出かけた。

 走っているうちに、この道は三岸美術館に行く道だと気が付いた。そこで南に折れれば稲沢市へ行けると車を走らせると、カミさんが「ナビに案内させれば」と操作する。周りに銀杏の木々が目に付くようになる。ナビは稲沢市祖父江支所へ連れて行こうとしていた。

 「まあ、急ぐことも無いし、知らない町を走るのも悪くないわね」と無邪気に言う。尾張の古い町並みは、道は狭いが風情がある。西へかなり回って、南から稲沢の荻須美術館へ到着する。西側の公園の樹木が色づいていた。「後で、公園を歩きましょう」とカミさんは言う。

 長谷川潔は版画家で、荻須とは同年配で、共にフランスで学んでいる。印象派の次をにらんで、ピカソやダリが活躍を始める頃である。長谷川潔の作品を熱心に見ていたカミさんが、「ポアント・セッシュとか、マニエール・ノワールって、何?」と訊く。

 銅版画の技法のことだが、会場にその説明が展示されていた。いつもは作品集を買わないカミさんが、「これ、買って行く」と言う。技法によって作品に違いが生まれることに強い関心があるようだ。確かに、この技法の開発で「世界の長谷川」が生まれたと思う。

 美術館でランチの場所を訊くと、隣りの女子大の学生が推薦する地図をくれた。私たちが入った店は女性客で混んでいた。私が食べた「フレンチトーストランチ」はとても美味しかった。回り道が幸いした「文化の日」だった。

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