友々素敵

人はなぜ生きるのか。それは生きているから。生きていることは素敵なことなのです。

今日は漱石没後百年だって

2016年12月09日 18時26分56秒 | Weblog

 新聞やテレビで12月7日は真珠湾攻撃から75年と報じられていたが、今日は夏目漱石が亡くなって100年という。漱石が亡くなってからわずか25年で日米開戦だったのかと、ちょっと驚いた。漱石は明治の文豪と思っていたが、明治から日米開戦まではこんなにも短いのだ。明治維新によって、西洋と肩を並べる「富国強兵」を目指した日本だったが、その結果、日米開戦に突入しもう一度新しい国に脱皮することになった。

 漱石は俳句を嗜んだが、戦前の教養人らしく漢詩も作っている。「秋風鳴万木 山雨揺高楼 病骨稜如剣 一灯青欲愁」。どう読むのか忘れたが、漢字を見ればなんとなく言いたいことが分かる。漱石は胃潰瘍で病床生活を送ったと言われているから、そんな時の詩であろう。「秋風に無数の木が鳴いている 山の雨に高い建物も揺れている 背骨は角張って剣のようだ 一筋の青い灯火が悲しい」という意味だろう。

 漢字というものは面白いと思う。もともと絵から出来た文字なので、字を見れば意味を察することが出来る。漢字はいくつかの字の組み合わせでもあるから、ひとつ一つの意味が分かれば漢字の意味も推測できる。中国人が「漢詩」をどのように読むのか知らないが、音読よりも書いた漢字を見る方が情景や伝えたいことが分かるような気がする。

 漱石が演説したかは知らないが、文筆家で演説がうまい人を私は知らない。学生の時、大江健三郎さんの講演を聞きに行ったけれど、ボソボソと言うだけでさっぱり分からなかった。文章がうまい人はどうも書き言葉に頼るから、話し言葉が出てこないのではないかと思う。西洋には名演説家がいるのに、漢字社会には名文家はいても名演説家はいないような気がする。

 さて、明日の晩は漱石が愛してしまった女性を宮沢リエさんが演じるドラマがあるという。どういうドラマなのか、見てみたい。

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