祇園祭、五山送り火、夏祭り、金魚すくいなど、京都の夏の行事も過ぎ、猛暑も一段落を迎えた8月下旬。京都の各町内では、楽しかった夏休みを締めくくるように、旧暦の8月24日に「地蔵盆」という子供のための小さなお祭りが行われます。この日、ミモロは、おうちに戻る途中にある町家が続く通りを歩いていました。
いつも見慣れた通りは、今日は、ちょっと雰囲気が違います。町家の一角にあるお地蔵様の小さなお堂には、幕や提灯が。「あ、今日は、『地蔵盆』だったんだー」と思い出します。京都では、各町内にお地蔵様が道の傍らにお祀りされていて、毎日、お詣りする人も…。
「地蔵盆」の日、お地蔵様は清められ、いつもより大き目なお花や食べ物がいろいろ供えられ、お堂は錦が飾ります。いつもさりげなくおいでになるお地蔵様も、この日は、多くの人にお詣りされてうれしそう。
「いつも見守ってくださって、ありがとうございます」
ミモロも、お詣り…。
中世以降、子供の守り神として信仰されるようになった地蔵菩薩。「地蔵盆」は、かつて子供の死亡率が高った時代、幼くして亡くなった子供の供養、それと共に、生きている子供への仏のご加護を願う親心から生まれた風習です。これは、かつては全国で行われていた風習ですが、現在も盛んなのは、京都、滋賀、大阪、奈良など近畿地方だそう。東京では、この風習は、すたれています。
「なにやってるんだろ?」
「地蔵盆」では大きな数珠を僧侶の読経に合わせ、みんなで囲んでまわす「数珠回し」や、「ふごおろし」という家の2階からロープで吊るした品を受け取る福引などが、かつては盛んに行われていたそう。
今も、福引は、健在で、ここ京都東山の堀池町でも、「地蔵盆」のプログラムにしっかり組み入れられています。
「福引だって・・・」とミモロも興味津々。
「天皇家に献上されるお米なんかも賞品ですよー」と。お米に、油、ラップなど、大人の福引の賞品は、生活に密着したものが人気のよう。
近くの路地の壁は、この日は、ちょっとしたギャラリーに変身。
子供たちが描いた絵が、展示されています。
「あ、お友達がいるー」近所に住むお友達の姿も。大人が子供のために行う「地蔵盆」。パパもママも、お祭りのお世話に忙しそう…。
「ビンゴゲームもするのーいいなぁー」
残念ながら、ミモロは、この町内の住民ではないため、福引などに参加できません。
楽しそうな子供たちの姿をじっと見つめるミモロです。「よかったら飲み物どうぞ…」と親切にすすめられ、「明日、ミモロのご町内でも『地蔵盆』するんだよー」と。「そう、よかったねー」と言われ、「ハイ!」と元気にお返事。明日を楽しみにするミモロでした。
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