ネコのミモロのJAPAN TRAVEL (Mimoro the cat:JAPAN TRAVEL)

「京都観光おもてなし大使」のライターとネコのミモロが、京都の情報や暮らし、グルメなどをご紹介。心和む雑誌のようなブログ

京都大原「寂光院」。建礼門院とその侍女たちのお墓へ。茶店のきつねうどんでひと休み

2013-08-30 | 歴史・史跡

鄙びた風情が漂う大原の里。悲劇のヒロイン建礼門院徳子が過ごした「寂光院」を訪れているミモロ。
「なんか切ないねー」
再建された本堂で、鮮やかな色彩に包まれた本尊の地蔵菩薩に参拝した後、庭を歩くことに・・・。

東側の池には大きな鯉。そして本堂の脇には、紅白のサルスベリが鄙びた風情に彩りを添えています。

『祇園精舎の鐘の声 諸行無常の響きあり 沙羅双樹の花の色 盛者必衰の理を顕す・・・・』平家物語に詠われるように、まさに波乱の人生を歩まれた建礼門院徳子。

平家一門に生まれ、天皇に嫁ぎ、夫亡き後、帝となった息子の母として、言うなれば日本のトップレディーに上り詰めます。でも、世の中の激しい流れの中、ついには入水自殺に追い込まれ、息子は死に、自分だけが生き残り、この鄙びた大原の山里で、わびしい庵に暮らし、その生涯を終えます。
「自分の人生ってなんだったんだろ?って、思っていたよねー」。出家し「寂光院」で暮らす数年は、亡き人たちの弔いの日々。でも、それに向き合う強さを徳子は持っていたのでしょう。その生き続ける強さとは、なんなのか、想像することができません。

「思ひきや み山のおくに住居して 雲井の月を よそに見むとは」と読まれた建礼門院徳子。まるで今までの時間が、信じられないよう…そして、人々の思惑から離れた生活を静かに見つめているようです。

さて、平成12年に放火により焼失した「寂光院」ですが、徳子が暮らした当時を偲ばせるのが、本堂の西側の庭園です。
「汀の池」と「姫小松」。
文治2年(1186)に建礼門院徳子が、後白河法皇と対面する『平家物語 大原御幸』の場所の舞台と言われます。いかなる思いで、徳子は対面したのでしょう。法皇をはじめ、従者たちは、変わり果てた徳子の姿に涙したとか…。

「寂光院」は、平安時代以降、豊臣秀頼や淀君、徳川家康などが、維持・再建に手を差し伸べます。

「ゴーン」境内には、「諸行無常の鐘」と書かれた鐘が。ミモロは、つくマネを・・・

「寂光院」には、天皇家を表す菊のご紋章が。
建礼門院徳子のお墓は、お寺の隣りの山に御陵に。高倉天皇の母親としてのお墓です。

さすが宮内庁管轄、美しく整えられた御陵です。京都にも多くの御陵がありますが、どこも整備は完璧。いったい誰が管理しているのか、今度聞いてみますね。

また、阿波内侍など、女院徳子に仕えた侍女5人のお墓も、すぐそばの山にあります。
「お参りしよう…」とミモロは、奥の山道へと進みます。

「ここだーわーすごい階段…」と目の前には、苔むした石段が…滑らないように気を付けながら、少しずつ…

「なんてひっそりとしたお墓なんだろ…」大きな杉の木の下に、小さな墓石が寄り添うように並んでいます。

ちなみに、侍女の阿波内侍は、壇ノ浦には伴をせず、徳子が大原にやってきて、再びおそばに仕えるようになります。地元出身の彼女は、働き者で、その姿を映したのが、現在もこの地域でみられる『大原女』だとか。
また、彼女が漬けたシソを使った漬物を、その色から「シバ(紫葉)漬け」と名付けたのは、建礼門院だと言われます。

お墓参りを済ませたミモロ、ふと傍らの大きな木のそばを通った時…「あれ?もしかして…」と突然立ち止まります。大きく枝を垂らした木は、枝垂れ桜ではありません。近寄ると、ホワーと甘い香りがします。そう「葵祭」の時、葵の葉と一緒にもらったカツラです。「この香り好きなんだー」清々しくも温かい香りを放つカツラが大好きなミモロです。ぜひ、その香りを楽しみに、「寂光院」のそばへ。尚この木は、お寺の木だそうです。

「なんかお腹空いたー」とミモロ。そこで門前にある茶店「美ゆき茶屋」へ。

「私がここに来てから、もう50年以上になりますねえー」とお店の方。昔は、もっと小さな茶店だったそう。
「いただきまーす」
大きな甘いお揚げが入ったキツネうどんは、ミモロが茶店で食べる定番です。それは「京都のキツネうどんって、関東と違って甘いお揚げが入ってるし、初めてのお店でも満足できるレベルだから…」と、なかなか慎重なミモロです。「はい、ごちそうさまー美味しかった、お揚げも、お出汁も…」と見事、完食。
600円のうどん。駐車場がこのお店のものだったので、駐車料金300円がバックされ、追加で300円払っただけで食べれました。

ミモロをのせた車は、再び黄金色の里を通り、町へと向かいました。


*「寂光院」の情報はこちらから…

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6 コメント

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Unknown (竹口のおばちゃん)
2013-08-30 17:06:42
本当に諸行無常ね、人生は。     と、思うのだけれど、切ないストーリーは切なくなりかけるけど、美味しそうなおうどんが出てきたので、ひと安心!     東京出身のミモロちゃんが京都の甘いお揚げさんが好きとは嬉しい!
もう、半分以上は京都のネコやね!

私もこの辺まで、自分で運転できたらいいのやけど...
返信する
行った気持ち (がちゃぴー)
2013-08-30 20:20:08
ミモロちゃんのリポートで 寂光院へ行った気持ちになりました。
平家物語は栄華と衰退が物悲しさを誘いますね。琵琶法師?の語りのCDを引っ張り出してきて聞きました。

でも おうどんで閉めたのは、さすがミモロちゃん!ナイス
返信する
はじめまして! (NMB48劇場の三毛猫)
2013-08-30 22:11:04
はじめまして!

徳子の波乱な人生、そして寂光院の事が
詳しく書かれていてとても勉強になりました。

随所に登場するミモロちゃんが可愛くて
癒されますね!

ランキングポチさせて頂きますね!
返信する
みなさんありがとう・・ (mimoro)
2013-08-30 22:43:42
「寂光院」のことたくさんリポートしちゃいました。
すごく長い文章になっちゃって。。。
でも、読んでくれてうれしいです。

また、いろいろリポートしますね。
三毛猫さん、コメントとポチをありがとう。
これかもよろしくねー。
返信する
はじめまして (達ちゃん)
2014-11-03 09:42:39
こんにちは。
ブログ記事を楽しく拝見させて頂きました。
東京の下町中心にグルメなブログ記事を書いてる者です。

10月の初めに京都旅行をして京都観光記事を書いていて、「大原寂光院」で検索。。。
関連をいろいろ探していてココに辿りつきました。

同じ「大原寂光院」繋がりって事で、勝手ながら自分の記事にリンク貼らせて頂きました♪

リンク貼りについて「問題あり」とか「不快な思いをする」などあれば削除致しますので、ご指摘くださればと思います。

建物や風景だけでは無く、平家物語ゆかりのポイントポイントを良く抑えられていて、わかり易く書かれてますね。
ネコのミモロちゃんが愛らしい!(すみません、くまかと思いました)

時間あって気が向いたら、自分のブログにも遊びにいらしてください。
(普段はグルメ中心ですが、現在は京都の観光記事を毎日の様にアップしてます)

突然失礼しました☆
返信する
コメントありがと (mimoro)
2014-11-04 09:04:57
ミモロのブログにたどり着いていただき、
うれしいで~す。これからもどうぞよろしく…。
リンク貼り、どうぞ…
いろいろな方がミモロに会いに来てくださると
すご~くうれしい…。
ブログ、遊びに行きますね。

またね~
返信する

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