京都の西、西京区にある「十輪寺」を訪れたミモロ。
「やっぱりー」
境内に入るなり…。そう、もう有名な桜は、すでに葉桜状態に…。
今年の春のJR東海の「そうだ 京都行こう」のポスターに、このお寺の大きなしだれ桜が登場していたのです。
この桜は、樹齢200年以上の「なりひら桜」と呼ばれる大木。枝を傘のように広げ、お寺の屋根にかかる様が、人々を魅了します。でも、彼岸桜系なので、紅しだれなどに比べ、開花時期が早く、4月上旬が見ごろだったそう。「見れなくて残念だったけど・・・その時期は、すごく混雑したって…」。さすがに花が終わったこの時期は、訪れる人もまばらです。
「でも、ほかの桜、まだ咲いてる~」
庭には、わずかに桜が残っていました。
ここ「十輪寺」は、嘉祥3年(850)に文徳天皇の后(染殿皇后)の懐妊、安産を祈願して創建され、本尊の地蔵菩薩は、腹帯地蔵尊として崇められています。 また、桜の名にもあるように、「伊勢物語」の主人公で、平安時代の歌人、在原業平が、晩年に住まい、その墓もあることから「なりひら寺」とも呼ばれます。
創建当時の本堂は、応仁の乱で焼失。現在あるのは、寛延3年(1750)に再建されたもので、屋根が、神輿をかたどった鳳輦形という独特の形が特徴です。
本堂での参拝を済ませたミモロは、高廊下をわたり、本堂につらなる茶室、業平御殿に向かいます。
途中、庭を挟んだ向こう側のお部屋の様子が見られます。「調度品が並んでる…」そこには、昔の貴族の暮らしを物語る品々が…
高廊下の反対側は、桜がすぐそばに…
さて、奥のお座敷に入ると、ミモロは、ゴロンと横に…。あれ、お行儀が悪い…。
「だって、お寺の方が、お座敷で横になりながら、桜を見ると素晴らしいって教えてくれたんだもの…」と。
確かに、横になると、庭にそびえるしだれ桜が、枝を伸ばす様子がよくわかります。「きっと桜が咲いてたら、すごくきれいだっただろうね~」と、空が透けてみえる景色を残念そうに見上げます。
ミモロは、再び本堂の縁に座って、のんびり景色を楽しむことに…
「気持ちいい~」
桜に代わり、若葉が目立ち始めた庭には、春の穏やかな陽光が注ぎ、さわやかな風も…。
このあたりは、竹の子の産地なので、竹林が多く、なんとも清々しい感じ…。
竹を眺めながら、「竹の子ご飯が食べたい~」と。こ地域の竹の子は、京都の中でも、美味しいと評判。じゃどこかでねー
お寺の裏の山道を登ると、不思議な形のものが。「なんか、かまくらみたい…」
石で組まれたものは、塩竃の跡。業平は、かつての恋人、藤原高子(二条后)の大原野詣での折り、ここで塩を焼いて、その思いを託したそう。「煙を上げて、高子さんに、自分はここにいますよって、伝えたかったのかなぁ~」。
境内には、桜のほかに、スミレツツジの花も…林の間には、シャガの白い花が、咲いていました。
「やっぱり春っていいねぇ~」ミモロは、道端のタンポポと遊んだりしながら、大原野の春を満喫しました。
この春、JR東海のポスターのおかげで、大勢の参拝者が訪れたそう。でも、今は、いつものような静けさが戻りました。平安の
都人が、ひっそりと暮らした西山のお寺には、やはり静寂が似合います。
*「十輪寺」京都市西京区大原野小塩町481 075-331-0154 拝観時間:9:00~17:00 拝観料400円 交通 JR向日町、阪急東向日から 阪急バス小塩下車すぐ。
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