もう祇園祭は終わったんじゃないの?と思う人もいるでしょうが、実は、まだ祇園祭は続いています。

さて、八坂神社をお参りしたミモロは、南門からトコトコと八坂の塔方向へ。

「なんか、お腹空いちゃった…」夕暮れが迫る下河原町通を歩きながらポツリ。
通りからふと脇道を覗くと、洋食屋さんの看板が目に入りました。

洋食好きのミモロは、その看板に誘われるように、細い道の奥へ。
店の前には、写真入りの看板が。


「オムライス…洋食弁当だって…美味しそう…ちょっと入ってみよう…」と。
白い大きなカウンターがぐるりとある店内では、ご夫婦で仕込みの真っ最中。

ミモロは、初めてのお店なので、ちょと遠慮がちに一番奥の席に座ります。
「いっらっしゃいー」とにこやかに迎えてくださったのは、このお店のご主人の武田弘士さんと奥様。

「あのー『洋食弁当』お願いします」。
ミモロにしては、早い決断。「だってハンバーグやエビフライ、ポテトサラダなどいろいろ大好きなものがはいってるんだもの…」とのこと。
「はい、ちょっとお待ちくださいねー」
いろいろな種類の料理が入る『洋食弁当』。小さなハンバーグやフライをひとつずつ作ってゆきます。ミモロは、カウンターから身を乗り出して、その様子を見つめます。

コンロにある大きな鍋では、なにかソースが作られているよう。

実は、ここ「グリル冨士屋」は、大正時代から営業する京都でも老舗の洋食屋さん。現在は3代目で、お店を始めたのは、かつて京都ホテルで腕を振るっていたおじい様だとか。まだ、そのころは、京都でもカウンターのある洋食屋さんは、珍しかったそう。洋食屋さんのカウンターは、いろいろな種類のお皿を並べるため、幅が広くなっているそう。子供が、飲み物をこぼしても、お客様に掛らないよう、手前が縁取りのように枠が付いたカウンターです。また現在では、ごく普通となったオープンキッチンスタイルも、昔は珍しいものだったとか。まさに京都の洋食店の先駆け的なお店です。
昔から続く洋食屋さんは、こういう路地にあるそうで、通りに面した目立つところにあるのは、ほとんどが新しい洋食屋さんだとか。
そういえば、前に行った「祇園 開陽亭」も、花見小路から入ったところにありました。
日本人の口に合うよう工夫された洋食は、京都では、子供からお年寄りまで、あらゆる年齢層に人気です。
やがて、ミモロの前には、大きなお弁当箱に、デミグラスソースがたっぷりかかったハンバーグや、こんがりと揚がったエビフライなど、大好きな味が詰まった『洋食弁当』が。

「わー美味しそう…」と、今にもよだれが…。

「昔から、いろんな方が贔屓にしてくださって…大学の先生や茶道家の方などよくいらしてくださいます」と、奥様。
「なんか、すごく居心地がいいお店…もちろん料理もすごーく美味しい!」とペロリと平らげたミモロです。
「また来てくださいねー」「はーい、また絶対来まーす!」
よくお昼を食べそこなって、ランチタイムを逃してしまうミモロ。
「でも、ここなら営業時間内はずーとやってるんだよ。だから、15時や16時に来ても大丈夫。いいとこ見つけちゃったー」とミモロ。
お気に入りの洋食店が、またひとつ増えたミモロです。
*「グリル冨士屋」京都市東山区下河原町 電話075-561-1296 営業時間:12:00~20:30LO 火曜・水曜休み

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