京都の町中、三条寺町の「ギャリエ ヤマシタ」で7日まで開催されている東北の手仕事を紹介する「暮らしのクラフトゆずりは」展で、夏らしい「からむし織」に触れたミモロ。
会場内には、青森、岩手、秋田、福島などで作られた手仕事の作品が並んでいます。
「あ、この刺し子の巾着、かわいいー」籠の上に白い糸で模様を縫った刺し子がついた巾着です。
「あれ、これなんだろ?」ミモロは、そのすぐ近くで、別の棚に並ぶ、木綿のふきんやコースターを見つけました。
でも、他の作品とは、一味違う雰囲気の品です。
展示されているそばには、次のような表示が。
このふきんやコースターは、「大槌復興刺し子プロジェクト」の品々。
「ゆずりは」を主宰する田中陽子さんのお話によると…
「大槌町は、岩手県の漁村で、3・11の津波で、多くの人が家や家族を失いました。今も、多数の行方不明者がおられます。被災した方々は、避難所での暮らしをすることになり、そこには、夜、悲しみをこらえた人たちの思いが、行き場のないままに立ち込めていたそうです。
そんな生活が続く中、なにもすることもなく、ただ悲しみの中にいる女性たちに、ボランティアの方が、なにかをしてほしいと、刺し子を教え、はじめたそう。今まで、刺し子などしたことがない女性たちで、初めは、ごくわずかの人しか参加しなかったとか。でも無心に手を動かすことで、何かが変わっていったそう。次第に参加する人も増え、淡々と無心で手を動かし、何かを作り出すことで、生きていることが、ありがたく感じられるようになっていったそう…。それが、このふきんやコースターです」
ふきんの図柄は、大槌町の海に飛んでいたカモメです。
「やさしい目をしたカモメさんだね」と、ミモロは、すっかりそのふきんが気に入ってしまったよう。
「人にとって、無心に何かを作り出す…手仕事は、人間が生きる原点なのだと、改めて感じます…ひと針ひと針、淡々と作業することで、心も鎮まってゆくのです。手を動かす、体を動かすって、生きるのに大切なことなんだと感じずにはいられません」
今も、仮設住宅での不自由な生活が続く大槻町の方々…。でも、復興への願いをこめて女性たちが動き始めました。
それが、『大槌復興刺し子プロジェクト』です。現在「NPO法人テラ・ルネッサンス」が運営を行い、ふきんやコースター、ランチョンマットなどがインターネットからも購入できるので、ぜひホームページをご覧ください。
「手仕事って、ホントに生きる力を与えてくれるんだねー。大切に使わせてもらおう…」。購入したカモメのふきんをしっかりと胸に抱くミモロです。
「東北の手仕事 からむしとガラス」展は、7月7日まで。
詳しくは、昨日のブログをご覧ください。
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