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ネコのミモロのJAPAN TRAVEL (Mimoro the cat:JAPAN TRAVEL)

「京都観光おもてなし大使」などを務めたライターとネコのミモロが、京都の情報や暮らし、グルメなどをご紹介。

きっと昔、スカイツリーみたいに注目されたはず。京都にある高い塔がよく見える東山の「高台寺」

2012-07-06 | 歴史・史跡

梅雨の中、ミモロは、元気にお友達と東山の散策へ。
向かったのは、秀吉の菩提を弔うために、正室のねね(北の政所)が開創した「高台寺」です。

境内にある建造物のあちこちには、豊臣家の家紋の桐の飾りが見られます。

特に、「霊屋(おたまや)」には、とりわけ家紋の装飾が多数見られます。

天正16年(1588)に従一位に叙され、慶長8年(1603)には後陽成天皇より高台院の号を賜った北の政所。この「霊屋」は、76歳で寛永元年(1624)に亡くなられた御霊をお祀りした場所。ちなみに秀吉の御霊は、ちょっと離れた「豊国廟」に祀られています。

1624年は、秀吉が63歳で没してから約25年後。豊臣家が大坂夏の陣で滅んでから9年の時が流れて、徳川家では、1616年に75歳で家康が没し、すでに三代将軍家光の時代になっています。

このお寺の造営には、徳川家からの厚い支援が行われ、寺は、壮麗さを極めたと伝えられます。家康との親交も深かった北の政所。きっとその人柄は、多くの人を魅了するものだったのでしょう。

その「霊屋」には、秀吉と北の政所お二人の像が、仲良く並んでいます。


豊臣家を築いたふたり。下剋上の世の中とはいえ、農民出身の秀吉と下級武士の娘だったねねが、徳川家など大名の上に立つというのは、本当にすごいこと。

教養、暮らし方などから考えて、堂々と対等に対することができたのが、不思議でなりません。その自信は、どこから来たのか…。豊臣家の不思議というところです。


さて、ここ高台寺は、東山の山腹にあり、京の町を眼下に見ることができる場所。
「あ、いろんな塔が見えるよー」とミモロは、遠くを眺めながら…

そうなんです。ここからは、京都のランドマークの塔が見えるんです。
まず近場では、「祇園閣」。
この塔は、祇園祭の鉾を象った姿で、とても目立つ塔。
昭和3年(1928)に、明治、大正に活躍した実業家、大倉喜八郎(鹿鳴館や帝国劇場、帝国ホテルなどを作ったことでも有名)の京都の別邸に作った塔。完成の年に、喜八郎は没しています。

建築家は、伊東忠太という明治から昭和に活躍した寺社仏閣などの建造物を多数設計した人です。橿原神宮や平安神宮、明治神宮なども設計しました。また法隆寺が日本最古の寺院建築であることを学問的に示し、日本建築史という学術分野を創始した業績も知られています。

この塔の高さは34メートル。現在は、大雲院というお寺にあり、国の有形文化財。でも残念ながら、普段は非公開です。なんでも中は、とてもさまざまな装飾があるそう。


「ねぇ見て、2つの塔が一度に見えるよー」とミモロの声。
まず手前は、「八坂の塔」そして奥には「京都タワー」が。


「八坂の塔」は、東山の法観寺にある塔で、この寺は平安遷都以前からある古刹です。朝鮮半島からの渡来人、八坂一族の氏寺として創建されたと言われます。
幾度も火災に合い、源頼朝も再建したことが。現在の塔は、室町時代に足利義教により再建されたもの(重文)。この時代に、臨済宗建仁寺派のお寺になります。そう「高台寺」と同じ宗派ですね。

五重塔の高さは49メートル。奈良の興福寺に次ぐ高さを誇ります。
一般公開されることもあります。

さて、奥に見える「京都タワー」は、京都駅に到着したら、目に入ってくるまさに京都のランドマーク。昭和39年(1964)12月に誕生。この年は、東京オリンピックが開かれた年。でも12月ということは、10月10日にオリンピックは、開催されたので、間に合わなかったのでは?(京都には、オリンピックは、関係なかったのかも…)

高さは地上から131メートル。もちろん京都では、一番高い建造物です。

「京都タワーって、寺社仏閣の多い京都のタワーだから、ロウソクをイメージした形でしょ」とミモロ。実は、これは海のない京都の町を照らす灯台をイメージしたものだそう。
「知らなかったー」とミモロも意外な感じです。

東京タワーとは異なり、一切の骨組みがなく、大きな筒の構造。厚さ12~22ミリの特殊鋼板の円筒を繋ぎ合わせてできています。飛行機やカニの甲羅みたいな造りです。展望室からの眺めは絶景とか…



「今度昇ってみたいなぁー」とミモロ。では、いずれ「京都タワー」レポートもしましょうね。


京都の町に立つ塔は、きっと今の「スカイツリー」みたいに、当時の人々が、憧れと驚きの目で見上げたことでしょう。今のように、周囲には高い建物もない時代です。

梅雨の間のお散歩も、いろいろ楽しむミモロです。

京都の町には、祇園祭のお囃子のBGMが流れ始め、祭りムードも高まっています。


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