dinnerタイムの常連さんでピアノ教師のご夫婦。ポルシェを駆って来店してくれるが、往年の名車好きのご主人が或るDVDを貸してくれた。クロード・ルルーシュ監督の短編映画である。クロード・ルルーシュ監督はあの「男と女」でカンヌ映画祭グランプリを取った監督だが、未だ売れないで経済的余裕も無い頃に短編映画を撮っていた訳である。たった10分の、只ただパリの早朝をフェラーリ256でぶっ飛ばしモンマルトルで待つ恋人に逢うだけの映画だが、往年のフェラーリの爆音、電子制御されていないアナログスポーツカーを操るテクニック、周辺光量の暗いアナログ映像の懐かしさと人の手だけに因るアナログ短編映画に驚いた。其のご夫婦は「男と女」のロケ地であるドゥービルへも車で行ったそうだ。で、へんな洋食屋でいつも注文してくれるのが「シャトー・ブリアン」というヒレステーキのど真ん中である。勿論、「男と女」の劇中の男と女が注文するのも「シャトー」である。これを理解する方は、いるであろうか？
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19年前