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みけの物語カフェ ブログ版

いろんなお話を綴っています。短いお話なのですぐに読めちゃいます。お暇なときにでも、お立ち寄りください。

1359「独立の時」

2023-02-17 17:32:21 | ブログ短編

 あたしは空想(くうそう)するのが好きだ。そこでは何でもできるし、自分(じぶん)の思うとおりに…。
 もし、あたしの鼻(はな)があと1センチ高かったら――。クレオパトラのように男の人にもてたりしたんだろうか? 楊貴妃(ようきひ)や小野小町(おののこまち)のように恋(こい)をすることがきっとできたはずよ。空想の翼(つばさ)を思いっ切り広げて、あたしはどこまでも…どこまでも…。
 あたしの空想は姉(あね)の一言でいつも潰(つぶ)されてしまう。現実(げんじつ)に引き戻(もど)されるのだ。
「また、妄想(もうそう)してたでしょ。今度はなに? まさか、白馬(はくば)の王子(おうじ)さまとか…」
「ち、違(ちが)うわよ」あたしは首(くび)を振って、「そんなこと、考えてないわよ」
「あんたもさ、もう大人(おとな)なんだから。将来(しょうらい)のことちゃんと考えなさいよ。――来年あたり、洋介(ようすけ)、結婚(けっこん)するかもよ。そしたら、私たち邪魔者(じゃまもの)になるんだからね」
 洋介は末(すえ)っ子の弟(おとうと)で…。あたしは驚(おどろ)いて、「あの子が結婚…!? まだ、早くない?」
「この間(あいだ)、彼女、連(つ)れて来てたでしょ。あれは、同居(どうきょ)するつもりよ。間違(まちが)いないわ」
「同居って…。それは、ないんじゃないかなぁ。だって…」
「あの甘(あま)えん坊(ぼう)の洋介が、親(おや)から離(はな)れるわけないでしょ。何でもしてもらえるんだから。それに、あの彼女…。抜(ぬ)け目がない感(かん)じだったわ」
「えっ? そんな風(ふう)には見えなかったけど…。とっても優(やさ)しそうな…」
「私、会社(かいしゃ)の近くで部屋(へや)を探(さが)してるの。見つかったら家(いえ)を出るから。あんたも考えなさい」
「そ、そんなぁ。あたしは、どうしたらいいのよ。もう…、お姉(ねえ)ちゃん」
<つぶやき>一人で生きていくのは大変(たいへん)ですよね。でも巣立(すだ)つときが来たのかも、ですよ。
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