ピアノの先生の生活

ピアノ講師、ブライダル奏者としての日常と
その都度のはまりものへの情熱を綴るくだらな雑記

The Human Vapor

2014-01-24 00:06:42 | 趣味
自分はドラマはほぼ観ない。特に恋愛ものはまず興味ない。
しかし、だ。どうしょうもないほどくだらないものや1960年代物は別。ビックリするほど食い付く。
昨日もなんとなく回したチャンネルの先の「ガス人間第一号」という1960年製の映画にうっかり見入ってしまった。
タイトルからなんとなく察せるだろうがSF大作である。
人体実験の失敗でガス人間となってしまった青年が、その気体化を使って銀行強盗を次々と成功させ
そのお金を潰れそうな日本舞踊の家元に貢ぐという話し。
この頃の日本映画はまあおもしろい。緩い感じが素晴らしくカルチャーショックすら覚えるほどだ。
警察は捜査令状もなく家に踏み込み勝手に引き出しとか開けちゃうし、新聞記者も秘密なんかどんどんばらしちゃう。
そしてビックリするくらいみんなタバコを吸う。どこでも構わずに。
この時代の日本映画の魅力の一部にこの頃の女性のファッションがある。
今回の家元役はあの八千草薫さん。
とにかくおきれいだ。正面顔はさすがに若いけれど横顔は今と同じ。
家元で着物姿の背中が凛としていて美しい。所作もセリフ回しも今と同じでゆっくりおっとり。
もう一人のヒロインは新聞記者の紅一点だが、役者さんは存じ上げない方。
こちらは真逆でパキパキものを言い、ファッションも過激だ。まさにギャル。
戦後間もないのにこんなに露出して良いの?とビビるようなワンピースやミニスカートを
やけにムッチリとした身体にまとっているのだ。
二人とも化粧がまたいいんだー。今の時代のとあまり変わらない。
ただ色が限定されるのか、着物と合わない色だったりするのが惜しいところだ。
映画はSFであるけれどその効果にCGなんて無い時代。
あの円谷英二氏が工夫と知恵を駆使してガス人間を作り出していた。素晴らしい。
最後はまさかのアンハッピーエンド。まあハッピーエンドはあり得ないけどまさかの心中。
ここにきて「ああ、悲恋物語だったのね」と気が付く私。
これでいいのだ。

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