海外のニュースより

政治・経済・社会の情勢について書かれた海外の新聞や雑誌の記事を選んで翻訳しています。

「中国政府、改革の呼びかけを弾圧」と題する『フィナンシャル・タイムズ』の記事。

2009年01月06日 | 中国の政治・経済・社会
北京発:中国政府は、民主主義・人権・法による統治を国中に訴えた著名な反体制派や知識人達の集まりを粉砕しようと動いている。
作家・農民・学生・大学教授・ジャーナリスト・エコノミスト・政治的活動家からなる約300名のグループは、「08年憲章」として知られる文書に署名した。それは中国における政治的法的経済的改革のための詳細且つ広範囲にわたる青写真を提示している。
この文書が公表されてから、国内外の7000名にのぼる中国人や外国人が「08年憲章」の署名した。この憲章は、北京政府が一党支配国家を改革するように素早く動かなければ、破壊的な種類の暴力的対立の可能性があると警告している。
中国の知識人や反体制家は、この文書を1989年の天安門事件以来、ここ数十年で最も重要な文書だと呼んでいる。その名称は、以前のチェコスロバキアで反体制家達によって出された人権のための「1977年憲章」を引き合いに出している。
この文書は、中国指導部の関心を呼び起こした。それが流布し出してから、少なくともオルガナイザーの一人が拘束され、彼の友人や親戚は、先週金曜日まで、彼がどこにいるか聞かされていない。
憲章に最初に署名した303名の署名者のうち、少なくとも、70名は、警察によって、呼び出され、尋問された。中国中央宣伝部は、すべての国内メディアにインタービュウしないように、また憲章に指名するひとについての記事を掲載しないように警告した。
尋問は、今週、はずみがつき、召還された人々はすべて、憲章支持を撤回するように命じられた。政府は、わくわくさせる言葉と署名者の多くの有名人であることに関心をもっているように見える。署名者は、中位の政府官吏と共産党所属の大学人を含んでいる。
憲章は、「世界人権宣言」の発布60年を記念して、インターネットを通じて、12月10日に公表された。それは、同時に、天安門事件の20周年を今年迎えることを予測していた。
高官は、解雇と下落している経済成長の結果として社会不安の可能性について公的関心を示した。
著名な文芸評論家で、反体制家で、「08憲章」の署名者の一人と見られる劉シャオボは、12月8日に、公安部によって拘束された。
一月近く経っても、彼がどこにいるかは一言もなく、告訴状も出されていない。劉の妻は、先週金曜日に、北京郊外で彼に面会することを許された。
彼の拘束は、中国自身の刑法に違反しているように見える。それによれば、「在宅監視」を受ける容疑者は、自分の家で処置を受けねばならないと人権運動家は言う。
コメント    この記事についてブログを書く
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする
« 「われわれは永久に隣人であ... | トップ | 「イスラエルの植民地主義戦... »
最新の画像もっと見る

コメントを投稿

中国の政治・経済・社会」カテゴリの最新記事