海外のニュースより

政治・経済・社会の情勢について書かれた海外の新聞や雑誌の記事を選んで翻訳しています。

「新聞で読んだことを信用しないので、中国の指導者は秘密ファイルに依存する」と題する

2010年06月19日 | 中国の政治・経済・社会
独立した情報収集が禁じられている國では、中国の指導者が何を知っているか、彼らがどうやってそれを知るかは大問題だ。中国政府の新聞報道を担当している新華社の主筆であるシア・リンの最近漏れた演説によると、新聞統制は近年ゆるめられたけれども、指導者達は、未だに新華社の通信員によってファイルされた秘密報告にかなり依存している。他の証拠は、彼らの謬りやすいシステムは、次第に重要性を得ていることを示唆している。
先月行われた演説で、シア氏は、昨年7月の新彊ウイグル自治区での人種的暴動についての報道がウイグル族に対する漢族中国人による報復攻撃を抑えぎみに報道したことを暴露した。シア氏は、胡錦涛主席が海外旅行を途中で切り上げたのは報復についての分類された「内部資料」を読んだ後であった。シア氏の演説の要約は、ある聴衆の一人によってオンラインで送信された。検閲官は、それを除去し、それが読み回されるのをどこかで止めようとした。
要約は実証されなかった。しかし、指導者のために秘密のニュースをファイルすることは、新華社の重要な役割の一つである。多くの中国の主要な新聞も、公衆が知るには敏感すぎると考えられるニュースを分類している。
彼らは、情報機関を信用しないが、大抵の他の國では、ジャーナリズムの中心話題であるような問題について報告に頼っている。つまり、公衆の苦情、役人の犯罪、悪い経済ニュース、外国の批判などである。
近年、中国の公のメディアは、政府の補助が引っ込められたために、もっと商業的に経営されており、それゆえ、これらの以前は禁じられていた領域に迷い込むことがあった。しかし、一握りの公的出版の信頼性が増大しているにもかかわらず、秘密のメディアが減少する傾向は見せていない。それらのあるものは、より長く生命を保っている。秘密めいて聞こえる情報は、よく売れるのだ。中国のインターネット採用の速さは、「分類された報道」という新しい分野のために、豊かな素材を提供した。そして中国の指導者たちは、それを楽しんでいる。
2003年に起こった鳥インフルエンザは、「内部資料」システムの決定的な弱点を暴露した。新華社が初めてSARSについて報道したとき、既に患者数は、300人を越え、死者は5人に達していた。2日後、指導者たちはニュースを公表し、WHOに報告した。中国の秘密主義と時間浪費とは、SARSの伝染を広げた原因だと非難された。(後略)
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