海外のニュースより

政治・経済・社会の情勢について書かれた海外の新聞や雑誌の記事を選んで翻訳しています。

「中国の運転手のマニュアルは、英語?」と題する『フィナンシャル・タイムズ』の記事。

2010年12月24日 | 中国の政治・経済・社会
中国鉄道省は、自国の高速列車は、一群の中国の技術者によって作り出されたのだから、今や完全に「国産」であると自慢している。しかし、この本物の知的財産を作り出した技術者たちは、鉄道省がわれわれに信じさせたいよりももっと頭がいいらしい。国中で激増している高速列車を設計し、建造した後で、彼らは明らかに鐵道の運転手のための「指導マニュアル」を自国語ではなくて、英語で書くことに決めたらしい。
 この些細な事実は、「中国の高速列車の運転手のナンバーワン」と描かれた中国共産党によって出版された宣伝文書の中で暴露された。その男は、李ドンシャオと呼ばれる。
 国営メディアとのインタービューで、李は、「2008年に北京と天津とを結んだ最初のオリンピック・テストに間に合うように中国の高速列車の運転を学ぶ方法はない」と言ったドイツ人技師との賭に勝ったと言う。
しかし、李は、たゆまぬ労働と不屈の粘りで彼と彼のチームは、英語の指導マニュアルを中国語に翻訳し、たった九日間で新しい高速列車の運転を学んだと言ったのだ。李はドイツ人技師との賭けに勝ったが、この人物が「国産」の高速列車計画にどこまで関与していたかは説明されていない。
 しかしながら、李の話は、このような進歩した高速鉄道技術に追いついた中国人技術者がなぜ中国語しかできない中国人運転手のために完全な技術英語で指導マニュアルを書こうと決めたのかをわれわれに不思議に思わせる。
 もう一つの可能な説明は、シーメンス、オルストム、ボンバルディア、川崎のような会社から外国の鉄道技術を借用し、「消化する」のに忙しくて、新しい列車を「中国製」と商標を書き直す前に、中国人技術者が指導マニュアルを翻訳するのを忘れたということである。
[訳者の感想]設計図さえあれば、機械の複製は簡単かもしれませんが、運転技術までそっくり真似するということは可能なか、どうも中国の高速列車には何かが欠けているという気がします。中国はこのコピー列車を「中国製」と称して南米や東南アジアに売り込んでいるようです。
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