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「中国貿易統計の正確さに対して疑惑が持ち上がっている」と題するフィナンシャル・タイムズの記事

2013年04月11日 | 中国の政治・経済・社会
中国の最近の貿易データは、3月における輸入の増加と結びついて、輸出の急激な低下を示している。しかし、データの中の不安定さと矛盾とは、貿易統計の正確さに対する疑惑を引き起こした。
中国からの輸出額は、3月には昨年3月よりも10%増加したが、本年2月の輸出額と比べると、22%増えている。ところが、3月には、輸入額は14.1%急上昇している。中国税関当局が4月10日に発表したデータでは、2月よりも15%以上下がっている。
この不安定さの一部は、旧暦1月の休暇が長かったことで説明される。つまり、今年は旧暦の春節が2月にずれて、2月の休日が多かったという訳である。
「輸出額の10%増加という数字の背後には不愉快な現実が隠されている。つまり、貿易データが信頼できないか、あるいは、信頼できるとしたら、輸出として記帳されたものが、実際は輸出ではなかったという事実だ」と「IHSグローバル・インサイト」の中国エコノミストであるアリステア・ソーントンは語る。
香港という独立の行政区への中国の輸出は、昨年同月よりも、93%も増えている。これは1995年3月以来の最も急速な増加である。これに対して、EUへの輸出額は、14%下落し、米国への輸出は、6.5%下落している。
3月中の香港への輸出総額484億ドルは、中国の第二の輸出国である米国への輸出総額268億ドルの二倍になる。
「香港への輸出の大部分は、実際には再び、最終の目的地としてのEUや米国へと再輸出されているとしても、これはいささかつじつまが合わない。」
 香港への輸出額の明らかに大きすぎる増加は、昨年後半に始まった傾向である。
 中国税関当局は、2月末までの3ヶ月間の香港への輸出額は、950億ドルだったと発表した。ところが、行政上独立している香港の税関当局は、その大部分が再び外国へ輸出される中国大陸からの輸入額は、590億より少なかったと報告している。北京政府は、台湾への輸出額は、1月には53%増えたといっているが、台湾政府は1月中の中国本土からの輸入額は、35%増加したと述べている。
 アナリストの多くは、中国政府の高度に不安定で、ありそうもない貿易データは、北京政府の制限的な資本統制を避けるために貿易の送り状を装った資本移動の結果であるようだと言った。
 さらに、多くの輸出業者が政府からの輸出奨励金を利用するために、輸出商品の送り状を偽造しているという強力な証拠がある。また、あるアナリストたちは、中国の新しい指導者たちを喜ばせるために、中国の地方政府が予想される将来の輸出額も記載せよと強制しているのかもしれないと示唆した。(以下省略)
[訳者感想」この記事を読んで、中国政府の貿易統計があまり正確ではない理由がかなり分かりました。
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2 コメント

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はじめまして、初コメントです! (めぐみ)
2013-05-22 13:38:47
はじめまして!めぐみっていいます、他人のブログにいきなりコメントするの始めてで緊張していまっす(゜▽゜*)ニパッ♪。ちょくちょく見にきてるのでまたコメントしにきますね(*^^*)ポッ

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はじめまして、初コメントです! (めぐみ)
2013-05-22 13:39:00
はじめまして!めぐみっていいます、他人のブログにいきなりコメントするの始めてで緊張していまっす(゜▽゜*)ニパッ♪。ちょくちょく見にきてるのでまたコメントしにきますね(*^^*)ポッ

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