海外のニュースより

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「香辛料を効かせて焼いた肉に、膀胱ガンの原因の疑いあり」と題する『シュピーゲル・オンライン』の記事。

2010年04月21日 | 健康
 牛や豚や羊のような哺乳類の赤肉は、少なくとも大量に摂取するとあまり健康に良くない。このことは、少し前から医師たちには分かっていた。新しい研究は、そのことを改めて裏書している。それは、肉食の楽しみが膀胱ガンと関係があると考えている。白肉も問題がなくはない。
 具体的に言うと、一定の条件の下で膀胱ガンのリスクを高めるかもしれない焼肉が問題なのだ。膀胱ガンの原因となるのは、いわゆる「ヘテロサイクリク芳香族アミノ酸」(HAA)と呼ばれる化学的結合である。それは、摂氏220度以下で筋肉を炙った際に合成される。それから、アミノ酸は、本来筋肉にエネルギーを供給する有機酸であるクレアチンと反応する。高周波を使って煮たり、蒸したり、弱火で煮上げる際には、これまで、大腸ガンと関係があるとされたこの物質は生じない。
 テキサス大学のリン・ジエは、同僚と一緒に、膀胱ガンに罹った884人の患者と健康な人878人を診察した。彼らの12年間の研究を、研究者達は、現在開催中の「米国ガン研究学会」の年次大会で紹介した。
 研究者達は、食習慣を国際的な標準質問項目によって記録し、その際、年齢・性別・人種を考慮した。研究の対象となった人々は、彼らの食肉消費の量に従って、四つのグループに分類された。研究者達は、料理の仕方も研究し、最も重要な三つのHAAの量がどれぐらい生じるかを調べた。
 赤肉の消費がもっとも多かったグループでは、めったに赤肉を食べない人たちの場合よりも、膀胱ガンになるリスクが50%以上多かった。特に、ステーキ・カツレツ・炒めたベーコンの摂取では、危険であることが分かった。だが、鳥と魚の香辛料をつけて焼いた白身の肉でも、腫瘍患者の数を増やした。
 そのほか、肉を焼く時間の程度も重要な判定基準であることがわかった。半焼けの肉を好む被験者が膀胱ガンに罹る確率は、そうでない人たちの半分だった。それゆえ、ミディアムに焼かれた牛肉は、完全に火の通ったステーキよりも望ましい。科学者達は、この病気が特定の遺伝子的に条件付けられた新陳代謝のシステムを持っている人達に多発することを証明した。
 「私達の研究は、食事とガンとの間に関係があることを証明しています」とこの研究の共同筆者であるウー・シーフェンは言う。「香辛料をたっぷり使って炙ったり、フライにしたり、グリルされた赤肉を食べる人においては、膀胱ガンの確率は増大します。」科学者達は、次には、環境・食事・遺伝のようなファクターを考慮したガンの個人的リスクに対する予言モデルを作り上げようとしている。
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