海外のニュースより

政治・経済・社会の情勢について書かれた海外の新聞や雑誌の記事を選んで翻訳しています。

「イラク戦争は石油のためだったと英国国会議員が言明」と題するアル・ジャジーラネット版の記事。

2005年05月21日 | イラク問題
小見出し:労働党国会議員で英国の元環境相マイケル・ミーチャーは、ブレア首相とブッシュ大統領を石油の利益を守るために戦争を始めたと攻撃している。
「イギリスとアメリカがイラクを攻撃した理由は、大量破壊兵器とは無関係で、イラクの民主化とも、サダム・フセインによる人権侵害とも無関係である」とミーチャーは、5月20日にポルトガルのリスボンで開かれれた「第4回石油と天然ガスの減少についての国際ワークショップ」で述べた。
アル・ジャジーラ放送に「イラク戦争は石油を巡るものか」と質問されると、彼は「結びつきは、100%だ。全く間違いない」と述べた。
ミーチャーは、イラク戦争をアメリカとイギリスの増大する市場変動性を支配したいという欲求と結びつけた。彼はまた戦争は世界の最大の石油生産国であるサウディ・アラビアに圧力を加えることを意図したものだと考えている。
「イラク戦争が原則的に総体的に石油と関わっていた。この戦争は、中近東とイラクに対するコントロールを引き受けようとしたものである。なぜなら、イラクはサウディ・アラビアに次ぐ世界第2の産油国で、サウディ・アラビアの隣国だからだ。」
「イラク戦争は、残る石油生産地であるカスピ海沿岸もできるだけ確保しようと狙っている。」ミーチャーは、また、「アメリカには、貧弱な環境基準しかない」と述べた。「アメリカの発電所は、日本全体の産業を動かせるくらいの多量のエネルギーを浪費している。彼らは京都議定書に強硬に反対した。」
彼はまた進行しつつある油田の減少による世界の石油供給の深刻な不足の可能性を含んで、世界が直面している「黙示録的な」エネルギー問題に言及した。
ミーチャーは、1バレル当たり100ドルないし150ドルへと原油価格が鰻登りになる事態は、大量の社会的混乱を産み出すと予想している。「これらの困難は、われわれが今までに見たことのない規模での戦争や革命や難民を産み出すかもしれない」と彼は言った。
リスボン発のアダム・ポーター記者の記事。
[訳者の感想]これまでも沢山の人が、イラク戦争の本当の理由は石油だと言ってきましたが、イギリス政府の高官だった人がこれほどはっきりと言ったのは初めてではないかと思います。資源の争奪が戦争の原因だという点では、20世紀の戦争も21世紀の戦争も余り変わらないようです。
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする