海外のニュースより

政治・経済・社会の情勢について書かれた海外の新聞や雑誌の記事を選んで翻訳しています。

「11月に朝鮮戦争が始まるか?」と題する『ヴェルト』紙の記事。

2005年05月13日 | 外交問題
北京発:ある高位の中国人北朝鮮通は、中国によって組織された平壌の核開発を解決するための六ヶ国協議が挫折したと見なしている。彼は、遅くならない内に、すべての参加国が北朝鮮政策における「180度の転換」することを要求している。「年末ぐらいに、米国と北朝鮮との間の戦争になるかもしれない。われわれはますます急激にエスカレーションへと滑り込んでいる」と中国党大学の国際戦略問題のチャン・リアンギ教授は述べた。チャン教授によると、「余りに多くの人が、北朝鮮は、交渉においてより高い代価を狙うために、核武装を使ってポーカーをやっているのだと思っている。われわれはそれについて幻想を抱くことを止めるべきだろう。」
ますます多くの中国の研究者達は、北朝鮮が六ヶ国協議によって核武装を譲歩することはありえないという点でチャン教授に同意している。平壌は、2月10日に、とっくに核兵器を所有しているということを初めて公に告知したとき、一線を越えてしまったのだ。
チャン教授にとっては、事態は明らかである。アメリカと日本にとっては、北朝鮮の核武装を国連総会に懸ける以外の他の選択はもはや残されていない。「それは国際社会による北朝鮮の断罪と同様、避けることができない。」両方のこと(北朝鮮の核武装を安保理に付託することと北朝鮮を断罪すること、)は、9月か10月に起こるかもしれない。北京は、その議決に反対する何らの理由もない。「われわれは核のない朝鮮半島を望んでいる。ところが北朝鮮は核武装をしてしまった。われわれは六者協議を組織したが、平壌はそれから下りてしまった。われわれは対決は望まないが、平壌は対決へ向けて突き進んだ。」アメリカは結局経済制裁をするように迫るだろう。11月には北朝鮮が(国連総会を)ボイコットするかもしれない。そうなったら、アメリカと北朝鮮との衝突は、もはや止められない。北朝鮮の分析で有名な61才の研究者は、悲観的な見通しによって、北京政府の希望とは反対の立場をとっている。北京政府は、引き続き平壌との交渉に賭けている。「新しい状況は、われわれれに特に慎重に振る舞うことを要求している。六ヶ国協議への復帰が核問題解決の唯一の道である」と中国外交部の孔泉報道官は言う。もっとも孔泉報道官は、中国がどのようにして、圧力を加えることなく、北朝鮮を話し合いへと説得するつもりなのかは、漏らすことができなかった。
5月13日号の『ヴェルト』紙に掲載されたジョニー・エルリング記者の記事です。
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