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杯が乾くまで

鈴木真弓(コピーライター/しずおか地酒研究会)の取材日記

アットエス『地酒が飲める店』を再開します

2010-04-07 20:13:38 | 吟醸王国しずおか

 先週末、静岡市内のある店で呑んでいたとき、カウンターにいた見知らぬお客さんから、「アットエスの地酒が飲める店はいいリストですねぇ、ハズレがない」と言われました。

 

 静岡新聞総合情報サイト・アットエスで、アットエス開設(2000年)当時から連載していた『静岡の酒が飲める店』は、『吟醸王国しずおか』の制作に入った2007年から休止状態にしていて、コーナー自体もバックナンバー扱いになっていました。サイトのトップ画面をパッと見ただけでは判りにくいのに、未だにこのコーナーを参考に店巡りをしている読者がいたことに、ビックリ&感激しました。

 

 気づけば、吟醸王国しずおか映像製作委員会に入会してくださった方の中に、アットエスでは紹介していなかった飲食店のオーナー・店長さんが何人かいます。私のリサーチ不足だったか、あるいは2007年以降に新規開店したお店か、いずれにしても、県内あまたある飲食店の中で、『吟醸王国しずおか』の制作に関心を持ち、ホームページを閲覧して終わるのではなく、お金を払って入会までしてくださるというのは、静岡の酒に対して相当の思いをお持ちの方々なんでしょう。こういう方々を、アットエスで紹介できなかったのは後悔の極みです・・・。

 

 グルメ情報が氾濫する現在、アットエスの地酒が飲める店が、静岡酒の取り扱い店リストとしてどの程度の支持や信頼性があるのかは、書き手の私自身には想像もつきません。

 

 しかし、改めてコーナーをチェックしてみると、閉店してしまった、あるいは業態が変わって掲載をやめてしまった店が何店かあります。一方で、映画制作にまで関心を寄せてくれる新たな店との出会いがある・・・。10年も経てば状況が変わるのは当然のことで、バックナンバーだからといって、このまま放っておいていいのか・・・と複雑な気持ちになりました。

 

 

 こちらの勝手な都合で休止状態にし、こちらの勝手で再開したいというのは、いくらなんでも虫が良すぎるだろうと躊躇しましたが、思い切ってアットエス編集部の担当者に相談したところ、「ぜひ再開してください、読者からもリクエストが来ています」と嬉しいお返事!

 

 ・・・ということで、アットエス『静岡の地酒が飲める店』を再スタートすることにしました。これまで取材先は、信頼できる酒販店さんからの紹介が多かったのですが、今はブログという武器があります。このブログや吟醸王国ブログの読者は、地酒に対する感度が高い方が多いと自負していますので、みなさまの情報提供は大いに武器になると確信しています。

 

 

 静岡県産酒を(大事に)扱う静岡県内の飲食店なら、和洋中問いません。自薦他薦大歓迎です(・・・ただし事前に偵察に行きますょ)。情報をお待ちしています。

 連載再開の日が決まりましたらお知らせしますね!


ふりーらフルーラ正式発売!

2010-04-05 20:59:24 | 社会・経済

 当ブログの検索キーワードで、このひと月ぐらい、ダントツに多いのは『ふりーらフルーラ』。静岡県商工会連合会が2009年度に企画開発したデザート用のフImgp1929 ルーツふりかけです。な~んか『吟醸王国しずおか』よりも検索数が多いって、複雑だなぁ…(苦笑)。

 

 開発の経緯は、過去ブログをご参照いただくとして、この4月より、県商工会連合会のホームページにも正式UPし、通信販売がスタートしました。

 

 

 とりあえず、ふりフラの情報を求めて最初にここへ来てくださった方は、静岡県商工会連合会の専用ページをご覧になることをお勧めします。

ふりフラのページはこちらhttp://www.ssr.or.jp/furifura/index.html

 

 2009022413540000

  なお、県商工会連合会サイト内には、私が過去、ネーミングをした静岡県産フルーツ100%使用のフルーツゼリー『ふじやまさんちのいつかちゃん』(写真左)、誉富士の純米酒&静岡特産酒肴のセット『つまんでごろーじ』(写真右下)の紹介と販売方法も紹介されていますので、他では入手できない、こだわりのユニーク静岡土産をお求めの際は、ぜひご利Img_3239 用くださいまし!

  

 

 静岡県商工会連合会サイトのトップページはこちらhttp://www.ssr.or.jp/

 

 

 今日は業務連絡だけでスミマセン。


機械搾りの酒袋

2010-04-02 17:41:47 | 吟醸王国しずおか

 年度替わりの今週は、取材や打ち合わせのない静かな1週間でした。桜の花を撮りに行きたくても、なかなか天気に恵まれず…。

 そんな中、『喜久醉』の青島酒造から、先月撮った2週間ぶっとおしの酒袋洗いの最終日だと連絡をもらい、どれだけきれいになったのか興味半分で、MYハンディカメラを持って撮りに行きました。

 

 もともときれいだったので、パッと見は全然違いがわからないけど、パッと見ただけではわからないのに、2週間以上も毎日毎日水洗いしていた職人さんの姿勢が清々しい…!と改めて実感しました。

 

 

 吟醸酒用の槽(ふね)搾りに使う酒袋は、どの酒蔵でもきれいに管理していますが、青島酒造で特筆すべきは、機械搾りの酒袋もまっしろだということ。酒蔵の内部、上槽の工程を見学したことのある人ならピンとくると思いますが、レギュラークラスの量の多い酒は、ヤブタというでっかいアコーディオンみ201004021117091 たいな機械で搾ります。アコーディオンの襞(ひだ)の部分に袋がかかっていて、もろみをホースで送ると、襞の袋の中を通って、粕だけが袋の中に残るというしくみ。

 袋は基本的に、上槽の期間中はずっと機械にかけっぱなしなので、長年使っていると、どうしても着色してしまいます。

 

 

 具体的にどことは言えませんが、今まで見学したかなり多くの酒蔵で、機械にかかった酒袋の縫い端っこに、カビと思われる着色がありました。醗酵菌が直接触れる場所だけに、カビが生えるのは自然の道理といえば道理なんですが、遠くから見ても、アコーディオンの襞にそって黒い筋がスーッとわかる。ところが初めて青島酒造のヤブタを見た時、真っ先に、「袋が白い!黒筋がない!」と気づき、槽搾りの袋と同じように2週間以上かけて丁寧に水洗いしていると聞いて、単純に感動しました。

 

 

 「そんなところに気が付いて感動してくれるのは真弓さんぐらい」と笑われましたが、機械搾りの袋のきれいさを伝えるほうが価値があるのかも…と思えてきて、今週行われる最後の機械搾りと、搾り終えた袋から酒粕を取り出す作業201004021113501 と、すべての作業を終え袋をはずす作業を、延べ3日間かけて撮りに行きました。

 

 

 

 

 「槽搾りだろうと機械搾りだろうと、酒袋というのは酒が通過する最後の大事な要の部分。ここでクセや匂いを付けてしまうと、後の濾過作業によけいな神経を遣うことになる。うちはおかげさまで、搾った直後もさほどにごりがなく、活性炭もほとんど使いません」と青島さん。

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 杜氏にとって、酒袋というのはどういう道具ですか?と問うと、しばらく考えた後、「・・・神聖なものですね。きわめて」と一言。

 吟醸王国しずおかの住人にふさわしい名言だ…!と、自分でカメラを回しているのも忘れて「はぁ~、なるほどぉ」と唸り声をあげてしまいました(苦笑)。

 

 

 そういえば、SBSテレビの「しずおか吟醸物語」や、吟醸王国しずおかパイロット版で、インタビュー中の私の「へぇ~」「そうかぁ」という相づちが、「見苦しい」「聞き苦しい」「なぜカットしないのか」「テレビのディレクターだったら注意するでしょ」と指摘されたこともありますが、一切の打ち合わせや演出なしのドキュメンタリー現場なんだから、大目に見てほしいです…。でなければ、数々の名言を使えなくなってしまいます。唸り声が入るのは、ホントにビビッとくる名言を聞いたときなのですから(苦笑)。

 

 

 

 搾り袋をすべて洗い場に回し、今期の喜久醉の仕込みもひと段落。「やっと日曜に休みがとれる。丸一日寝てます」とホッと肩の力を抜く青島さんでした。

 

 

 なお喜久醉の酒造りは、吟醸王国しずおかオフィシャルサイトの『フォトギャラリー~ただいま仕込み中』もぜひご覧くださいね!

http://ginjyo-shizuoka.jp/gallery01/gallery01.html