杯が乾くまで

鈴木真弓(コピーライター/しずおか地酒研究会)の取材日記

秋山博子さんの決断

2011-02-05 11:31:41 | しずおか地酒研究会

 あわただしい1週間でブログ更新が遅くなってしまいました。先週末に風邪を引きそうになったのですが、みかんを1日3個食べて甘酒で滋養補給し、夜洗濯をして寝室の布団の真上につるして就寝時の乾燥を和らげ、外出時にマスク&帽子&手袋&生姜の飴で完全防寒したおかげでセーフ!!気管支の弱い私にとって、マスクはやっぱりかなり効果があるみたいです。とにもかくにも、立春を過ぎ、寒暖の差が激しくなりますので、みなさまもどうぞご自愛ください。

 

 実は今、「指ヨガ」を勉強しています。体全体をくねくねさせる一般的なヨガは、運動不足過ぎて全身ハガネのようになってしまった私にはとても無理ですが、「指ヨガ」は、手先のマッサージで体のコリや内臓不調まで癒す効果がある。いつでもどこでもちょっとした時間に自分で出来るし、誰かに気軽に施術してあげることもできる。多忙なデスクワークの人には最適なリラクゼーションです。

 

 最近注目され始めたばかりで、まだ指導者や施術者が足りないらしく、静岡でもインストラクターを養成する講座が昨年秋から始まったんですね。私も先月からその講座に通い始めました。きちんと基礎をマスターし、人さまにもそこそこできるレベルになったらお知らせしますね。

 

 

 

 

 この時期、仕事先から昨年の支払証明書(源泉徴収証明書)が送られ、確定申告の書類作成に追われるのですが、手元に集まった証明書の枚数と金額の少なさに脱力しきり・・・。世の中のさまざまな価値観が変化する情態をウォッチングする仕事をしながら、自分の仕事環境の変化の激しさに今更ながら動揺しています(苦笑)。

 

 そんな中、ある意味、とても深くて重いインパクトを与えてくれたのが、ライター仲間だった秋山博子さんの“決断”でした。

 

 

 秋山さんは私よりも先輩格のコピーライターで、自分が駆け出しの頃から何かと目をかけてくれて、仕事を紹介していただいたりお願いしたりという関係が続きました。 

 お父様が焼津の船元で、弟さんは魚料理のうまい両替町の居酒屋『たべものや』店主。この店では地酒研でもずいぶんお世話になりました。秋山さんご自身も静岡に住んで静岡ベースの仕事をされていた頃からオフィス名は『焼津印研究所』。故郷への思いの深さがうかがえます。

 

 

 しずおか地酒研究会で1997年に岩手県の南部杜氏の故郷探訪ツアーを組んだときは、友人のデザイナーたきた杉恵さんと一緒に参加してくれました。このツアーは平野斗紀子さん、長沢絹子さん(一時来)、萩原和子さん、青島久子さん(青島酒造社長夫人)という私の敬愛する先輩女性がご一緒で、岩手では静岡県の酒蔵に勤める南部杜氏さん13人と花巻温泉で呑み明かし、今思うと、とんでもなくディープで楽しいツアーでした!

 

 

 

 

 今から10年前、2001年に静岡新聞社から『静岡ぐるぐるマップ焼津版~海辺の迷路都市やいづ』が発行されました。ぐるぐるマップで静岡市以外の都市をこれだけディープに特集した号は初めてじゃないかなと思えるくらい、焼津を深~く探求した特別編集版で、私は『界隈Photo 探検~永遠のふるさとのかたち』というコーナーを担当しました。黒石川界隈、焼津駅界隈、花沢界隈の3エリアを、好き勝手にブラ歩きして面白い店やネタを紹介するという、NHKの『ブラタモリ』みたいなテイストのコラムです。

 

 

 黒石川界隈で紹介したのは、(もちろん)「磯自慢酒造(写真は表紙にもデカデカ使ってもらいました!!)」「松風屋酒店」「足平」「カネオト石橋商店」。モロ個人趣味で統一してます(笑)。

 焼津駅界隈では「やいづ黒潮温泉駅前健康センター」「和菓子屋大國家」「罪切地蔵尊」「精肉紀文」「青野酒店」「画廊喫茶ブーヴィー」「手作りパンの店カンパーニュ」「イタリアンバー・センタ」。花沢界隈では「吉津の郷かあちゃんの店」「法華寺」「志太ナシ松嶋園」「フランス料理ディマンシュ」。

 

 

 これらの店が今も変わらず繁盛しているのか、時間があったらブラ歩きを再現したいと思っていますが、とにもかくにも、私の記事は肩の力を抜いて楽しんで読んでもらう余興みたいなもので、メインは、焼津の街のいとなみや地域産業を支えた人、まちづくりに意欲的な若い人々の活動等を丁寧に紹介しています。この雑誌にまるごと一冊書かれた内容が実現したら、素敵な街になるだろうな~と思える、市の総合計画のタウン誌版みたいな画期的な編集。ここに、秋山博子さんの目指したいものが凝縮されていたんですね。

 

 秋山さんはその後、焼津に拠点を移し、さまざまな分野で“焼津印”を極める活動を始めました。ライター業務で接点を持つ機会が減り、お会いする機会も減ってしまったのですが、焼津のイベント情報をこまめにくださったり、私が映画作りに挑戦したと知ったときは「刺激をもらった」とメールをくださったりで、直接会わなくても通じあう同志、みたいに(私が一方的に)思っていました。

 

 

 そんな秋山さんから「市議選に挑戦しようと思う」とのメールが来たのが昨年秋。仕事仲間から「今度立候補する○○さんを応援してあげて」という依頼はあっても、自分が立候補するっていうのは初めてで、最初はビックリしました。その後、送られた資料に、『ぐるぐるマップ焼津版』のことが書いてあって、ライターやエディターとして地域とかかわり、課題を見出し、問題提起し、言いっぱなしではなく実践しなければ、との思いに至った秋山さんの心の機微が、すんなり同調できたのです。

 

 

 

 ステージは違えども、私もライターとして関わってきた地酒や地域の課題や歴史の大切さを、業務として書きっぱなし、言いっぱなしでいいのかと思うときがあって、ライター稼業の領域を踏み外していろいろなことに手を出し、失敗と発見を重ねてきました。

 

 政治家になるというのは、ある意味、公に自己を晒すことなわけで、私がやっていることとは比較にならないほど大きな意志と決断が必要だったと思いますが、(年齢を云々するのは失礼ですが)50歳を過ぎて、何か大きな組織から担ぎあげられたわけでもなく、女性一人で、残りの人生を社会貢献に捧げようと行動した。それがかつては自分と同じステージにいて似たような実体験をしてきた人の行動だと思うと、本当に勇気をもらえるのです。

 

 

 選挙戦中は更新できないようですが、秋山さんの人となりが分かるブログです。焼津市民の方も、そうでない方も、ぜひのぞいてみてください。http://hirocolumn.eshizuoka.jp/

 ファイト!博子さん!! 「指ヨガ」マスターしたら癒してあげるね!!

 

 

 

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1 コメント

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ありがとう! (秋山博子)
2019-01-01 14:57:55
真弓さん、2011年に書いてくれていたんですね。私いま気がつきまして、嬉しくてウルウル。事情があってブログはただいま非公開にしています。で、代わりに、HPを手作り中。格闘してまして・・。→hirokohiroko.com
真弓さんもご活躍!焼津にいらしたら(ぜったいに)ぜひ声をかけてください^^
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