杯が乾くまで

鈴木真弓(コピーライター/しずおか地酒研究会)の取材日記

磯自慢の撮影×2

2009-01-29 17:45:52 | しずおか地酒研究会

 今日(29日)は1年ぶりに磯自慢酒造の撮影をしました。杜氏の多田信男さんにお会いするのは3か月ぶり。昨年10月に実家の岩手県北上市から焼津市まで蔵入りする道中を密着撮影させてもらって以来です。吟醸造りのピーク時とあって、さすがにスリムになって引き締まった様子。会うなり、「お正月の読売新聞岩手県版に載せてもらったんだゃ」と嬉しそうに報告してくれました。

 

Dsc_0002  コピーを見せていただくと、地方版ながら、カラー半5段の堂々とした特集記事。“「国酒」生む麹の達人”の見出しが光ります(2009年1月3日付の読売新聞岩手県版を入手できる方はぜひチェックしてみてください)。

 プロフィール欄には、「息抜きに巨人観戦と宝塚観劇」。実は、多田さんの姪は宝塚宙組の男役トップ・大和悠河さんで、時々上京しては劇場に足しげく通うそうです。今年7月に退団されちゃうんですよね。宝塚と磯自慢の組み合わせ…なかなかユニークです。

 

 休憩室でくつろぐみなさんの話題は、蔵人の一人に昨日(28日)、赤ちゃんが生まれたというホットなニュース。もう一人、3月に長子誕生予定の蔵人もいます。「酒が好きで集まってきた若者たち」と思っていた彼らも、結婚して家庭を持って親父になって、酒造りの仕事が趣味ではなく、責任を伴う本業になったんだなぁと、頼もしく思いました。

 

 

Dsc_0005  抜けるような青空のもと、午前中はおなじみの洗米作業の撮影です。今回の撮影では、カメラマンの成岡さんに、多田杜氏の表情や一挙手一投足を逃さずおさえてくれ、とお願いしました。今日の多田さんは米を自動計量機で計る裏方役。「今期の米は融けやすい」と一瞬、厳しいまなざしを見せました。

 

 静岡経済同友会新年会の打ち合わせで、昨年暮れ、役員のみなさんと一杯やったとき、磯自慢本醸造の19BYと20BY(しぼりたて)を目隠しで呑み比べし、きれいですっきりとしたほうを20BY、味がのっているほうを19BYと判断したのですが、正解は逆でした。

 

Dsc_0008  そのことを多田さんに話すと、「やっぱり今年のは溶けていたんだな」とのこと。19BYの米が、いつもより溶けにくい米だったので、よけいにその差が出たのかもしれません。 

 米質は出穂時期(8月末~9月初)の気温や台風・長雨の影響などで、毎年コンディションが変わります。異なる条件であっても、つねに同じ磯自慢の味を醸し出すには、納入した米を袋から出して計量するときから、一瞬たりとも油断できない…そんな決意のほどが、多田さんの横顔から伝わってきます。

 

 

 今日は酛屋の菅原さんが実家の用事で帰郷されているため、多田さんが酛造りも担当します。酛立てしたばかりで米粒がはっきり見てわかる若い酛には、直接手を入れて攪拌します。「肌センサーで確かめているんですか?」と訊くと、「櫂棒を使うと力が入りすぎる。やさしくこねてやるのが大事なんだ」と多田さん。こういう繊細さは、ワインづくりや焼酎づくりにはないはずです。

Dsc_0018  静岡経済同友会のみなさんがパイロット版での菅原さんの酛づくりを観たとき、「なんで機械や棒でやらないの?非効率じゃない?」と言っていましたが、効率を上げる部分とそうじゃない部分があるから、酒造りはただの製造業にはない面白さがあるんですよと応えた私。…今の企業人にはピンとこないかもしれませんね。

 

 

 

 さてさて、今日の撮影には、SBS静岡放送の花形アナウンサー・水野涼子さんが、自身が担当するテレビ夕刊の取材クルーを伴って来てくれました。

 

 涼子さんは、知る人ぞ知る左党。きき酒師の資格も持っているんです。わがしずおか地酒研究会にも昔からちょくちょく参加してくれて、『女性と地酒の素敵なカンケイ』というトークサロンを企画したときは、パネリストの一人になってもらったことも。『吟醸王国しずおか』映像製作委員会にも個人会員に入ってくれて、昨年夏にパイロット版上映会が新聞に取り上げられた頃から、ニュース枠でもぜひ、とありがたい申し出をくださったのでした。

 

 

Dsc_0037

 数日来の風邪がなかなか治らず、鼻水グジュグジュでマスクが手放せない状態。とてもインタビューなど受けられる顔じゃなかったんですが、磯自慢酒造の寺岡社長がナイスフォローをしてくれました。

 

 涼子さんは涼子さんで、中取り純米大吟醸35(サミットの酒)のタンクをめざとく見つけて、タンクの肌を愛おしそうに撫でていました。搾ったばかりの本醸造が半量ほど注がれたきき猪口を手渡されると、「わぁ~こんなに呑めな~い!」と満面の笑顔。すかさず「おいおい、全部呑む気かよ」と突っ込んでやりました(笑)。SBSのカメラクルーも「今日、一番いい顔をしたなぁ」と冷やかします。

 

 彼女のように、本当にお酒が好きで、地酒の価値を分かってくれているメディアの人に応援してもらえるのが、何より嬉しいですね。蔵元さんにしてもそうだと思います。

 Dsc_0038

 

 放送は2月6日(金)18時16分過ぎからのSBSテレビ夕刊Eニュースの枠内です。私は6~7日と東京出張でオンタイムには見られませんが、視聴可能な方は、私のひどい風邪声とむくれ顔をご笑覧くださいまし。


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風邪を引いたら…

2009-01-27 10:43:25 | NPO

 先週末から風邪を引いてしまいました。24日土曜日、ちょっと喉が痛いなぁと思いつつ、焼津グランドホテルで開かれた静岡経済同友会の新年会で、『吟醸王国しずおか』のプロモーションと、静岡吟醸のきき酒を行い、大声を張り上げて解説したりしたのがまずかった。しかも会場は、みなさんひと風呂浴びて浴衣姿の宴会モード。私一人、スーツ姿で、汗をかくようImgp0355 な暑さ。…これは確実に風邪を引くなぁと覚悟しました。

 

 翌25日は朝から熱が出て、丸一日起きられず。熱を下げるため、ひたすら水をがぶ飲みし、甘酒とビタミン剤で栄養補給。

 

 

 26日(月)は、鼻づまりのひどい声で、あざれあで開かれた『静岡県における子育て支援ネットワークフォーラム』の司会進行役。熱は37度台に下がったものの、鼻水が止まらず、会議の合間、再三トイレに駆け込む始末。見かねた主催者の杉本彰子さん(NPO法人活き生きネットワーク理事長)が、午後の部の開会後、「あとはこっちでなんとかするから」と帰してくれました。

 

Imgp0357  

 

 このフォーラムは、静岡県で出産・子育ての支援活動を行っているNPO団体や有志の会と、行政担当者が、地域や官民の壁を越えて一同に集い、諸問題を話し合うもので、日頃から子どもに接する人たちが集まっているので、風邪を移したら大変、なわけです。

 

 しかも今回は、ソーシャルアントレプレナー(社会起業家)として今、注目のNPO法人フローレンスの駒崎弘樹さんがトークゲストで来てくれたのですが、せっかくのお話もまったく頭に入らず…。静岡新聞の川村美智さんが取材に来てくれたので、美智さんの記事を待つしかありません(苦笑)。

 

 

 予定よりも早めに帰宅し、そのままバタンキュー。気がついたら23時で、水をがぶ飲みした後、再び眠りについて、今朝は7時に目が覚めました。平熱に下がったかわりに歯肉炎の痛みがぶり返しましたが、なんとかごみ出しや洗濯ができるくらいに体力も回復し、3日ぶりにパソコンの電源を入れ、キーボードに向かううちに、いつものペースが戻ってきました。

 

 今回は水のがぶ飲みと睡眠だけで治りそうですが、油断はできません。インフルエンザのワクチン注射は昨年末、接種したものの、型が違えば効かないんですよね。

 

 自分自身、集団生活をしていないせいか、風邪の予防や感染に対する意識が薄かったようです。そのことを猛省しつつ、今朝も、甘酒としょうが湯で体内保温に努めています。みなさまも油断召されるな。

 

コメント (1)
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東京の中心で静岡産を三度叫ぶ!

2009-01-22 18:02:44 | アート・文化

 偶然ですが、来月あたまに東京で、静岡のこだわり特産品がお目見えする展示会が3つ重なります。

 

 まず一つ目は、今日(22日)、記者発表があった、静岡市ホテル旅館組合女将の会が出展するテーブルウェアフェスティバル2009。1月31日(土)から2月8日(日)まで、東京ドームで開催されます。

 

Imgp0328

 テーブルウェアというのはその名の通り、食器を中心とした食卓とその周辺のコーディネーション。日本を代表する食器・インテリアメーカーや業界組合などが作品を披露するフェスティバルです。そこに、静岡市内のホテル旅館の女将さんグループが、静岡流のおもてなしをカタチにしてみようと参戦することに。

 

 きっかけは、少子化担当大臣だった上川陽子さんが、食育に関連する事業の参考に、昨年度のこのフェスティバルを視察した際、地域らしい食卓の演出をアピールしたらどうかと静岡に持ち帰って提案したこと。女将の会でも、富士山静岡空港の開港を前に、静岡流のもてなしスタイルをさまざまに模索していたところで、こういう全国区のイベントで、自分たちのアイディアを試してみようと立ち上がったのでした。

 

Imgp0334  静岡らしいテーブルウェアということで、まずは、漆、指物、千筋細工、染といった駿河の伝統工芸作家たちにアタック。よくある業界団体の展示会出展方式ではなく、女将さんたちが、この人!と思った作家個人に直接交渉したようです。

 

 集まったのは、金剛石目塗の鳥羽漆芸さん、家具指物師の木工房松島さん、駿河竹千筋細工のちくだい工房さん、駿河型染の城北工房さん。

 

Imgp0327   食卓のテーマは、新茶のころの静岡流のおもてなし。和菓子の松柏堂さんが富士山やお茶をイメージした創作菓子を、人形のみやひでさんが、つるし雛の端午の節句バージョンを特注で創ってくれました。

 

 パッと見は、ちょっと地味で大人しい、静岡人らしいしつらえだなぁと思いましたが、作家を代表して鳥羽さんが、「静岡の伝統工芸はアースカラーがベース。無理に派手な演出をしなくても、これが静岡らしいんだと自信を持って紹介すれば」と言い、私も、「他の展示ブースがたぶんものすごく華やかでカラフルだと思うから、ここは逆にグッとシックにまとめて、葵のマークか何かを金で1点、ポーンと掲げたらどうでしょう?」と提案してみました。

 

Imgp0346

 プロのテーブルコーディネーターと違い、現役のサービス従事者である女将さんたちのアイディアですから、もてなす当事者の気持ちは十分盛り込まれると思います。どんな静岡流のテーブルウェアになるのか、楽しみです!

 

 

 

 

 

 

 2月3日~6日は、東京インターナショナルギフトショーが、東京ビッグサイトで開かれます。昨年は静岡県商工会連合会のしずおかうまいもの創生事業の一環で、し2009010914410001ずおかの酒と肴のギフトセット「つまんでごろーじ」を初お披露目しましたが、今回は、過去ブログでも再三ご紹介した、静岡フルーツ100%ゼリー「ふじやまさんちのいつかちゃん」です。ちょっと意表をついたネーミングでしょう? どんな意味があるのかは、見てのお楽しみです!

 

 東京ビッグサイトの東館東3ホールで開催するギフトショー併催の『第5回グルメ&ダイニングスタイルショー2009~ニッポンいいもの再発見!』という展示場で試食も行いますから、東京に足を運べる方は、ぜひお越しください。私は最終日6日にブースで接客しま~す。

 

 

 

 

 

 2月7日は、『美味しい駿河湾in築地』というイベントが、築地市場で開催されます。静岡県水産加工業協同組合連合会が天下の台所・築地に乗り込んで、静岡県の絶品シーフードを集中的に紹介するというもの。昨年は『美味しい能登~』で、今回が2回目だそうです。

 

 イベントターゲットはフードビジネスに関連した人たちだと思いますが、ミシュラン3ツ星料理人『小十』の奥田透さんや、サミットディナー酒の『磯自慢』蔵元・寺岡洋司さんが、トークセッションに招かれると聞いて、ちょうど、前日、ギフトショー出席で上京することから、寺岡さんをひやかしに行くことにしました。

 

 築地のど真ん中で、静岡の魚と磯自慢が試飲できるなんて、めったにないチャンス! 両替町の『春夏秋冬』開店時に取材し、「駿河料理を究めたい」と意気込んでいた若き奥田さんが、どれだけ大バケしたのか、直接確かめられるのも楽しみです。

 

 

テーブルウェアフェスティバル2009  1月31日~2月8日/東京ドーム 前売り1700円・当日2000円。詳細はこちら

 

東京インターナショナルギフトショー2009  2月3日~2月6日/東京ビッグサイト 入場無料。詳細はこちら

 

美味しい駿河湾in築地  2月7日/築地市場内東京都講堂 入場無料(事前申し込み制・1月31日まで) 詳細はこちら


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オーバーブッキングの夜

2009-01-20 19:09:11 | 地酒

 昨日(19日)はめずらしく、仕事が同時間に3本もブッキングしてしまい、しかも、一番最後に入った県広報誌知事対談の仕事が、一番断りにくい仕事だったので、テンテコマイしてしまいました。3本のうち、1本は代理が頼める仕事でしたが、フリーランサーの身で、お仕事を断るというのは、ホントに精神的にこたえます…(苦笑)。

 

 もともと予定していた、ホテルセンチュリー静岡で開かれる静岡伊勢丹新年会での『吟醸王国しずおか』パイロット版上映。知事対談の仕事が、いつもどおり、センチュリーで行われていれば、宴会場をハシゴするだけで時間的に間に合ったのですが、今回は対談会場が車で30分はかかる日本平ホテル。相手は静岡県知事と静岡伊勢丹ですから、どう転んでも自分の都合で会場やスケジュールを変えてくれとは言えません。しかも、石川知事は、昼間、センチュリーでの会合を終えた後、その足で日本平入りしたそう。…こんなこともあるんです。

 

 やむなく、パイロット版上映をあきらめ、代わりに、昨年6月に静岡伊勢丹8階催事場で『しずおかフーズフェスティバル』開催の折、吟醸バーを出展してくれた岡部町イーハトーヴォの後藤さんにピンチヒッターを頼み、映像鑑賞ではなく、静岡吟醸をトコトン呑ませる企画に変更しました。結果的にはこれで成功したんですけどね…!

 

 

 

 今回の知事対談は、富士山静岡空港の開港をきっかけに観光業を元気にしようと、浜名湖舘山寺、焼津、下田の観光旅館の女将さんたちが、静岡県の魅力についてあれこれ語り合いました。観光情報や地域情報に関しては私自身、仕事柄、県内あれこれ走り回って調べているので、対談内容そのものは、さしあたって目新しいものはなく、やや散漫しがちな話を、どう対談記事としてまとめるか、そっちのほうが問題でした。

 

Imgp0314

 舘山寺から来た女将さんが、「富士山はいろいろな場所から見ると形が違って見えておもしろいが、ここから見るのが一番美しい!」と、日本平ホテルの芝生庭園から清水港とその向こうに広がる富士山の眺望に感嘆を上げていたのが印象的でした。ここって、ドラマ『華麗なる一族』のロケに使われたんですよね。関西が舞台のドラマのはずでしたので、たぶん富士山はカットされたんでしょう。モッタイナイ話です。

 

 焼津から来た女将さんは、地元商工会議所女性部で『やいづ検定』というのを始めたそうで、焼津のトリビアネタをさかんに自慢していました。私も資料として検定テスト用紙をもらいましたが、面白い質問がたくさんありました!

 

石原良純、おでん、渦巻き、ラーメンから連想する焼津が生産量日本一の食品とは?

 ①かまぼこ ②なまり節 ③なると巻 ④かつお節

 

藤枝市出身の詩人加藤まさをさんが吉永から焼津の海辺をヒントに書きあげたと伝えられる童謡は?

 ①われは海の子 ②月の沙漠 ③月の砂漠 ④海

 

1954年に焼津市に上陸した東宝映画のヒーローは誰?

 ①キングコング ②ジェームスボンド ③ゴジラ ④ガメラ

 

2008年7月に開催された洞爺湖サミットの社交ディナーの乾杯に使用された磯自慢の銘酒はどれ?

 ①中取り純米大吟醸35 ②純米大吟醸40 ③純米大吟醸愛山中取り ④酒友大吟醸純米

 

 

 こういうネタが40問ぐらいあって、昨年と今年2回実施。大井川町との合併を機に、地域のことを地域の住民がちゃんと知っておこうという意味もあるそうです。質問を考えるだけでも、地元のことを探求しようという気になりますよね。磯自慢ネタが早くも設問になっているのは、地酒ファンとして嬉しい限りです。未成年や日本酒を呑まない一般市民が正解できるかどうかわかりませんが…。

 

 

 対談時間が終わったと同時に、失礼ながら会場を後にし、車を飛ばしてホテルセンチュリー静岡へ。正式には、静岡丸伊会新年会という、静岡伊勢丹の取引業者さんの新年会です。

 

 

Imgp0317  後藤さんが臨時出展してくれた吟醸酒コーナーでは、ちょうど、私と伊勢丹の縁結びをしてくださった広告会社社長の柴山さんのために、後藤さんが隠し酒で持参した磯自慢中取り純米大吟醸35を、まさに開封せんとしていたところ。おぉ~!と感嘆したのはいいけど、車なので香りを嗅ぐだけでガマンです…(涙)。カウンターを見ると、初亀純米大吟醸三年古酒『亀』、『亀』よりも高価な初亀中汲み大吟醸ほか、喜久醉、國香、開運、志太泉、杉錦、小夜衣など、後藤さんもかなりフンパツして揃えてくれたよう。

 

 

Imgp0318

 酒通の集まりでもないし、価値がわかる人がどれだけいるのかなぁ、モッタイナイなぁと内心思ったのですが、吟醸カウンターには、ひっきりなしに人がやってきます。磯自慢のサミット酒だと紹介すると眼の色を変える人はたくさんいましたが、「静岡の酒、今日初めて飲んだけど、これが一番口に合う」と國香を指さしたり、「これが静岡らしい酒だよ」とお連れさんに喜久醉を勧める人がいたりで、さすが、名前を聞けば誰でも知っている一流のアパレルメーカーや食品会社の社長さんたち、口が肥えた人が多い!、わかる人にはわかるんだ…!と嬉しくなりました。

 

 お開きの後は、東京からいらした㈱伊勢丹の橋本幹雄会長から、「日本酒の紹介、よかったじゃないですか」と慰労していただき、静岡伊勢丹のスタッフも「会長から褒められて、ホッとしましたよ~」と喜んでいました。

 

 私的には、帰り際に若い女性社員から「スズキさんのブログ、よく観てます、本当に静岡のお酒がおいしくて感激しました!」と声を掛けられたのが嬉しかった! そういえば、吟醸コーナーには伊勢丹の女性社員もひっきりなしにやってきて、ほぼ女性全員、呑んでいたような…。

 

 やいづ検定同様、静岡の酒の魅力や価値を、まず、地元の人間や、販売・営業に携わる人々がちゃんと理解し、他者に語れるようになってこそ、静岡という地域の魅力が大きく花開く、と実感します。ゆうべはその一助になれたことで、オーバーブッキングのプレッシャーも多少は緩和された…かな。


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給付金分の消費

2009-01-18 12:09:52 | 社会・経済

 丸2日間、自宅で原稿書きに没頭し、昨日(17日)は久しぶりに街中へ。消費が冷え込んでいると聞くけど、確かに土曜の昼間なのに繁華街に人が少ない…。百貨店をのぞいても、人はいるけど実際にお財布を開いている人は少ないみたい。自分も、な~んとなく「買いたい!」って気持ちになるものがなくて、ウインドウショッピングで終わっちゃいます。

 

 バーゲン品も、元値の〇%OFFと書いてあっても、元値がそもそも適正なのかわからない。食品ではあれだけ原料表示にうるさいことを言う消費者も、衣類や雑貨に関しては値札に疑問を呈しないんですよね。

 

 服でも食品でも、私はわりと店員さんにあれこれ質問するほうで、別に店員のスキルを試すわけじゃないけど、短い時間でも会話をすれば、販売の仕事にしっかりとした職業観とプロ意識を持っている店員さんはなんとなくわかる。どうせなら、この人の時間給なら払ってもいいと思える店員さんから買いたいし、そういう店員さんを雇用している店の品ならバーゲン価格じゃなくても買っていいと思う。

 モノが売れない売れないって言うけど、今の消費不況って、消費マインドを高揚させる魅力的な商品開発や販売サービスが少ないってことがホントは大きいんじゃないの~?と実感します。

 

 

 お昼に久しぶりに上川陽子さんにお会いし、政局や経済のお話をうかがいました。地元を回って一番聞かれるのが定額給付金のことだそう。マスコミであれだけ話題になっていれば当然でしょう。陽子さんに整理してもらうと、

 

〇日本の経済はこれまで外需優先で走り過ぎ、内需をおろそかにしていた。外需がガタガタになって、ふたたび内需に目を向けた。

 

〇内需というのはその6割が個人消費に支えられている。そこで緊急対策として所得減税が持ち上がり、次いで、税を払っていない人や払う額が少ない人(子ども、低所得者、年金世帯など)も等しく恩恵が受けられるよう給付金方式になった。

 

〇したがって、給付金とはあくまでも減税(の変形)であり、日本経済の再生(=内需=消費拡大)のために有効に遣うことを積極的に考えてほしい。

 

〇子どもがいる世帯では、家族構成によっては1世帯当たり10万円近い給付になる。年収400~500万円の世帯で1年間に払う消費税が約10万円ぐらいなので、まさに消費税分を還元される形になる。

 

〇ボランティア活動や寄付行為をした企業団体に税制上の優遇措置があるように、高額所得者は、給付金を「優遇措置」ととらえ、少なくとも2倍以上の金額の消費をしてほしい。

 

 

 全世帯に現金を給付するのが、政府の目論見どおり、消費拡大につながるかどうかは、実際に配布されてみなければわからないと思いますが、「無駄なバラまきだ」と言っている人も、給付されるなら貰うんでしょう。どう転んでも補正予算案は通るわけだから、この先は2兆円を生きたおカネにするために、商売をやっている人もモノを作っている人も消費する人も考えるべきで、いつまでも賛成か反対かとか、総理や官僚がもらう・もらわないを議論するのは時間の無駄だと思います。

 

 私自身は、消費者に、消費行動を起こさせるような企業努力をしているかが試されるチャンスであり、興味がそそられます。身近なところでいえば、静岡市内の主要百貨店ではどこの売上が伸びるかな、とか、各商店街がどんな特色あるサービスを提案してくるか、とかね。

 少なくとも私が取材で出会った企業経営者や商店主の中には、不景気を“絶好の好機”と逆手に取ったり、堅実な事業経営をしているから景気がどうであろうとビクともしないという人がたくさんいます。全国民への定額給付金という試みを、彼らがどんなふうに個々の事業に生かすのか、大いに関心が湧きます。

 

 独居世帯の我が家は給付されたとしても12,000円。2~3回呑みに行って終わっちゃうけど、どうせなら静岡の地酒を売ったり呑ませたりする店を、しずおか地酒研究会メンバーでハシゴする便乗企画を立てようか、とか、考えればいろいろ前向きなプランも湧いてきます。「前向きに考えてほしい」と、陽子さんも強調していました。

 

 

Imgp0312

 …そんなこんなで、帰りに、今月いっぱいで閉店する新静岡センターの最終バーゲンをのぞき、やっぱり店じまいするところでは、魅力的な商品とは出会えないなぁと諦めかけたところ、1階のセレクトショップでポルトガルの健康シューズメーカーarcopedicoのスニーカーを発見!ムチャクチャ履きやすくて自分の足の形状にもピッタリ。バーゲンで12,090円也。給付金分をあっという間に消費してしまいました~!


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