杯が乾くまで

鈴木真弓(コピーライター/しずおか地酒研究会)の取材日記

伊東の市民農園

2008-11-30 12:22:35 | NPO

 ゆうべから尾てい骨の痛みと腰全体の鈍痛で、手をどこかに掛けて、「よっこらしょ!」をしないと座ったり立ったりできない状態です。

 

 昨日(29日)、取材先で、転倒したイスに腰かけようとして、そのままドスンと尻もち。その場は平気な顔して帰ってきましたが、家に着いたら階段を上がるのもひと苦労…。お風呂で純米酒を患部にすりこみマッサージしながら、ひと晩様子を見ました。

 

 

 ちなみに、我が家では冬場、日本酒を2合ぐらいお風呂に入れます。酒風呂は保温・保湿効果バツグンで、湯ざめはしにくいし、朝なんか洗顔後にすぐにつっぱる顔も、酒風呂の後はつっぱり感が減って、髪を乾かす間、何もつけなくても平気でいられます。

  毎晩じゃ酒代がたまりませんが、週1~2回ぐらいだったら、飲み残しの酒を風呂に入れて全身で吸収してもいいかなぁと。お得酒なら入浴剤と大して値段は変わらないので、冬場は入浴用に低価格酒を買うこともあります。化学物質の固まりみたいな入浴剤よりも、口に入れることのできる酒のほうがよっぽど肌にイイ感じ。温泉旅行に行くゆとりのない身のささやかなゼイタクです・・・。

 

 

 

 ところで、昨日は静岡県NPO情報誌ぱれっとコミュニケーションの取材で、伊東市のNPO法人郷組(さとぐみ)を訪問しました。

Imgp0033  午後1時のアポイントの前、どこかでお昼を、と思い、ファーマーズマーケットの店頭で干物を売っていたおじさんに、干物も買わずに図々しく「魚がおいしい地元おススメの店を教えて」と聞いて出かけたのが、伊東漁港前の食堂『まつ本』。同行したNPO法人活き生きネットワーク理事長の杉本彰子さん(ぱれっとコミュニケーション制作責任者)はカサゴの煮魚定食、私は刺身定食&アジフライを頼みました。

 

 味もボリュームも申し分なく、実家が魚卸業で魚の味には一家言持つ彰子さんも「ここはアタリ!」と大喜び。私、グルメガイドをさんざん取材してきた身なんですが、旅先・取材先でおいしい店を探すには、地元の人に聞くのがイチバンと改めて実感しました(苦笑)。

 

 

Imgp0036  郷組は、伊豆高原の別荘地に移住したシニアのみなさんが中心になって、地元の休耕田を借りて始めた市民農園の活動推進団体です。

 後継者がいなくなって荒れ地になった農地はあちこちにありますよね。なんとか有効活用しようと、農家以外の人が農地を使おうとしても、実はそうカンタンではありません。

 特定農地利用法という規制緩和の法律が出来て、郷組のメンバーが県に相談に行ったところ、地元の市や農協が仲介すれば利用できるという返事。ところが市は法律そのものを知らず、農協は、農協の上部団体がこの法律に反対の立場を取っているらしく、相手にされなかったそうです。営利業者が参入すると、儲けが出なかったら土地を放ったらかしにして撤退される恐れがあるから…というのが理由だそうです。自治体が“保証人”になるならいい、ということなんでしょう。

 

Imgp0037

 結局、市が仲介者になって郷組の活動も無事スタート。56区画(1区画=1㎡)を確保し、少しずつ農地提供者を増やし、メンバー(16人)では手に負えなくなった農地を希望する市民にも貸出し、地元の専業農家に栽培指導してもらったり、イモ掘り大会や餅つき大会といったイベントを開催して、農業を仲介にした地域交流に努めています。

 昨日、お話を聞かせてくれたメンバーは、地元の水道工事業者さん、青山のアパレル会社の元社長さん、ドクターなど職業はさまざま。「初めて作ったキュウリの実が成ったときは、本当に嬉しかった」「仕事じゃ体験できなかったなぁ、あの感動は」などと口々に語ります。

 

Imgp0042  提供された農地はすぐに使えるものばかりではありません。中には20年間放置され、雑木林状態になっていた畑を、メンバーで整備し、一部を観光農園にしたり、手造りで炭小屋を作ったりした区画も。「里山を整備し、自然環境を守るのは地域に住まわせてもらう者の努め」と熱く語る彼らのパワーは、“シニアの余暇活動”とひと括りに収めるにはモッタイナイと思います。

 耕耘機やユンボがあったら助かると言っていましたので、不要の機材をお持ちの方がいらしたら、ぜひ提供してあげてくださいね!

 

 

 私的には、尻もち痛に効く民間療法をご存じの方がいらしたら、ぜひ教えてくださいまし~!

 

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隠れ家の喜久醉

2008-11-28 10:40:53 | 地酒

 一昨日(26日)は自伝を書いてほしいという三島の某社社長さんと打ち合わせの後、三島駅前の居酒屋で磯自慢本醸造と花の舞つうを燗でしこたま飲み、昨日(27日)は金谷お茶の郷での展覧会がひと段落した松井妙子先生の慰労会を焼津の日本料理安藤で開いて、喜久醉純米大吟醸松下米40をしこたま飲みました。いささか胃疲れしたものの、今朝は気分爽快!。静岡の酒はレギュラークラスから最上級まで、ホント、どれを取っても料理に合って、杯が進み、箸が進むなぁとしみじみ感激しました。20年付き合っていても、いまだに毎年新しい感動を与えてくれる愛しい愛しい酒たちです。

 

 

Imgp0023

 昨日は、『男の隠れ家』という男性向けのライフスタイル情報誌の最新号(09年1月号)が発売になりました。特集は「幻の酒と出会う」。日本酒編では松崎晴雄さんがセレクトした11銘柄と、地の米にこだわった銘醸4蔵(秋鹿、田酒、喜久醉、渡舟)が紹介されています。

 

 

 今月初め、青島酒造の青島孝さんから、「うちに取材に見えた雑誌の編集者が、松下米稲刈りの写真を借りたいと言っているんだけど」と連絡をもらい、編集担当者と直接コンタクトを取ったところ、副編集長の奥紀栄さんから、「鈴木さんのブログをよく読んでますよ!」と嬉しいお返事。稲刈りの写真は、映画撮影の記録としておさえた程度の写真で、プロのカメラマンが作品として撮ったものとはレベルが違いすぎるので、モデルになってる青島さんや松下さんに申し訳ない気もしましたが、とにかく青島さん本人に念入りに選んでもらった何枚かを提供しました。

 

 

  Imgp0024

 彼から「うちを含めて何蔵か取り上げるみたいで、たぶん扱いは小さいと思うよ」と聞いていたのですが、フタを開けてみたら、堂々のカラー3ページ掲載! dancyu11月号の松下さん紹介7ページには負けましたが(苦笑)、特集ページを開くと、フロントコーナーの松崎さんの記事に2人が手刈りしているショットがイメージ写真として使われていました。この写真が、ここに掲載されるまでの経緯を振り返ると、感慨深いものがあります。

 

 

Dsc_00122

 

  まず、松崎さんが20年以上も前から静岡の酒に格別の思いを寄せてくださって、その中でも喜久醉を静岡代表選手に選んでくれて、選ばれた青島酒造が、時代が求める(=時代を映す流行雑誌を編集する人たちが特集で組みたくなる)“ホンモノの地の酒”を、10数年前から地に足をつけて醸し続けていて、その経緯を見続けてきた自分が、今年たまたま始めた映画制作の過程で撮り貯めておいた写真の1枚…なわけです。

 

 

  鈴木真弓の写真ではなく、多くの人の手とたくさんの時間が醸し出した一瞬を切り取った写真だと考えれば、洗練されたプロの写真と並んでも気遅れしないかな、と自分を慰めています。

 

 

 

Imgp0026  今回の青島酒造紹介ページには、喜久醉を味わう“隠れ家”的名店として、日本料理安藤も紹介されています。

 店主安藤通利さんはつきじ田村で板前修業をした本格派で、青島さんとは高校の同級生。卒業後はともに故郷を離れ、違う道に進んだ2人が、今こうして故郷に根を張り、料理と酒という、かけがえのない絆でつながって、お互いを高め合う存在になったというのも、たくさんの時間が醸し出した成果だと思います。

 

 

 

Imgp0016  そんな店で味わった喜久醉純米大吟醸松下米40は、いつにも増して円熟味のある大人の味がしました。実に“料理映え”する酒でした。

Imgp0019

 

 酒だけが主張するのではなく、料理を引き立て、料理によってさらに味わいが増す。土と稲、稲と農家、農家と蔵元、蔵元と料理人…いろんな人が引き立て合って生まれた酒、だからなんですね。


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セルリーの漬物

2008-11-26 13:53:20 | 本と雑誌

Dsc_0011  昨日(25日)はJA静岡経済連情報誌スマイルのセルリー特集の一環で、埼玉県入間市にある漬物製造業・おき商店を訪ねました。日本の漬物屋さんでも珍しい、セルリーの漬物を専門に作っている業者さんです。

 過去ブログでも紹介したとおり、セルリーの流通は夏場は長野県産、冬場は静岡県産が主流なので、おき商店のセルリー漬物も、11~5月ぐらいまでほとんどが静岡県産セルリーを使っています。JA静岡経済連との取引が始まったのは、平成13年から。この年、漬物業界では他の食品業に先駆けて原料原産地表示を義務化することになったため、おき商店でも国産セルリーをいち早く仕入れる体制を作ったのでした。

 

 

 おき商店は、流通販売の仕事をしていた隠岐さんが昭和53年、30歳で独立したとき、自分が手がける商材の中で漬物の売れ行きが安定していたため、自分で製造販売しようと59年に漬物業に転身。大根や白菜など、どこでもあるような漬物では勝負にならないから、誰も作ったことのない新しい漬物でやろうと、最初からセルリーに特化して取り組みました。それだけに、国産セルリーの仕入れルートを安定確保するのは死活問題でもあったわけです。

Dsc_0040  いろいろ調べて長野が日本一の産地と知り、まず長野県庁の農林水産担当セクションに直接アタック。全農長野を紹介してもらい、ルートを開拓しました。冬場は静岡県産が主流になると知って、次は静岡県庁へアタック。長野も静岡も、首都圏へはセルリー自体の出荷が多かったため、比較的スムーズにルートが確保できたそうです。これが、北海道や九州の特産野菜だったら苦労したことでしょう。

 

 はじめは、セルリー好きの人が、珍しい食べ方だと評価してくれて、そのうちに、生では匂いや香りが気になるという人も、浅漬けなどで苦みを和らげた味がウケて、ファンが広がっていきました。国産原料にこだわる大手漬物卸会社、首都圏のストア、某居酒屋チェーンなど、取引先も増えて、今ではセルリーの漬物といったら日本ではここしかない!という存在に。日光、鎌倉、尾瀬、成田山参詣道といった首都圏の定番観光地の土産物店にも置かれるようになりました。私も以前、松井妙子先生と尾瀬にバス旅行したとき、土産物店で地酒『水芭蕉』とセルリーの浅漬けを買って宿でポリポリやった覚えがあります。

Dsc_0020

 

 

 

 昨日は製造工場の作業風景を見学させてもらいました。

工場は、入間市駅からタクシーで7~8分の住宅地のど真ん中にある、“工房”といっていいほどのこじんまりとした建物。看板がないので、白衣の作業員を見かけなかったら素通りしたかも。

 事務所に入ると、ぷうぅ~んと香るセルリーフレーバー。「おぉ、ここに間違いない」とまずは匂いで確信しました。昨日朝、到着したばかりの浜松産セルリーが冷蔵庫に山積みになっていました。

 入荷してから3日以内に漬物に加工するそうで、1本1本手作業で筋を取ったり長さを整えたりします。国産セルリーはカタチが均一じゃないので、全部手作業なんですね。

 

Dsc_0004  パートさんは昼夜2交代制で、夜は葉を取り、昼は茎の処理。カットや包装は機械を使いますが、いずれも数人がかりで手がかかっています。だぶん、おき商店の事業規模から考えたら、あり得ない人手の多さだと思いますが、機械化を最小限に抑え、手間をかけるからこそ、小さな業者でも付加価値のある商品ができるんですね。

これは静岡吟醸を担う小さな酒蔵を見ればわかることです。

 

 

 

 

 帰りにいただいたお土産5種(浅漬け、ゆず風味漬け、粕漬け、しょうゆ漬け、キムチ漬け)のうち、一番人気の浅漬けと、個人的に楽しみな粕漬けを今朝さっそく試食してみました。浅漬けはホントにさっぱりした塩味で、冷酒の酒肴にもピッタリくるんじゃないかな。おき商店が納入している某居酒屋チェーンでも、脂っこい料理や酒の合間に口直しで頼むお父さん諸氏が多いそうです。女性も、ピクルス感覚でイタリアンやサラダメニューに使えそうです。

 

Dsc_0034  粕漬けは、おき商店でも新しい商品で、お客様の反応が気になる、と言っていました。わさび漬けを常備食にしている静岡人なら、セルリーの粕漬けもイケると思いますよ、と応えた私。実際、納豆ご飯に実によく合いました!

 

 

 上記5種をセットにして、静岡向けにも本格的に通販を始めるそうです。年明け発行予定のスマイルで、購入方法などを詳しくご紹介しますので、楽しみにしてください。

 すぐに味見してみたい!という人は、首都圏なら東急ストアで買えるそうです。他の販売先についてはおき商店(電話04-2963-0960)にお問い合わせを。


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オマーンに静岡を売り込め!

2008-11-24 21:02:27 | 国際・政治

Dsc_0001  今日(24日)は後援会会報誌の編集を担当する上川陽子さんの感謝の集いに行ってきました。陽子さんの後援会では年末にグランシップでクリスマス感謝祭を行うのが恒例でしたが、今年は12月中に会場(大ホール)の予約が取れず、また解散総選挙の時期が不透明で準備が整わなかった等の事情で、この時期の、パーティー形式ではなく講演セミナー形式のプログラムとなりました。

 

 第1部は本人挨拶、後援会長挨拶と、地元静岡で結成50余年の歴史を誇る市民楽団コンセールリベルテのミニ演奏会。第2部は前オマーン大使の大森敬治氏と陽子さんの特別対談というコンパクトなプログラムでした。

 

 

 オマーン前大使を招いた理由は、陽子さんが今年5月に内閣府特命担当大臣としてオマーンを訪問したご縁から。

 中東のオマーンといえば、フツウの日本人ならサッカーW杯アジア予選の対戦国として聞く知名ですよね。正直なところ、オマーンもカタールもバーレーンも、地図で区分けしてみろなんて言われても困るんですが(苦笑)、6月のアジア3次予選は、ホーム横浜では3-0で快勝したものの、アウェイでは現地時間17時のキックオフで40℃の灼熱地獄の中、1-1の冷汗ドロー。もっと涼しい時間になってから始めればいいものの、日本のテレビ中継のせいで選手に過酷な試合時間を強いたなんてニュースになったっけ。まぁ、オマーンと聞いてもそれぐらいの情報しか記憶にありませんでした。

 実は今年2月、オマーンのハイサム遺産文化大臣が訪日され、閣僚では唯一の直系王族の方なので、天皇陛下ともお会いになっていたんですね。福田首相との間では公文書管理の重要性について意気投合され、政府間協力がスタート。公文書管理担当大臣の陽子さんが、日本の閣僚としては実に20年ぶりに、オマーンを訪問することになったのです。

 

 

 陽子さんも訪問前は、アラブという枠での“石油外交”の4文字しかイメージが湧かなかったそうですが、「実際に行ってみたのとみないのでは雲泥の差がある」と実感したようで、先日、会報誌の打ち合わせをしたときも、オマーン訪問の話を夢中になってしていました。

 

 

 

 日程は、最初にドバイに入り、とんでもなくハイスピードで都市化するオイルマネー国家の勢いをまざまざと実感し、次いで飛行機で1時間30分程度のオマーン首都マスカット入り。ドバイほどの勢いや華やかさはないものの、どこかホッとしたんだとか。インド洋に面したオマーンは、もちろんドバイのような都市化が進んでいるとはいえ、歴史と伝統と自然がほどよく息づく海洋国家で、アラブの中では独自の国際感覚を持つ国。陽子さんは「ドバイより人間味があって親日家が多い」と感じたそうです。アラブに属しながら、インド洋を介してインド、パキスタンをはじめとしたアジア文化とも融合してきたからなんですね。

 

 

 

 陽子さんが意外だと思ったのは、女性の社会進出。アラブ圏というと女性はショールで顔を覆い、人前では自己主張をせず、男性に庇護されているというイメージがありますが、オマーンでは30人の閣僚のうち女性大臣が4人もいて、ビジネスウーマンも結構活躍しているそうです。日本から女性大臣がやってきたということで、とくにオマーンを代表する女性たちが集まってくれたそうですが、その中には若くしてリラクゼーションマッサージの店舗展開で成功したという、日本にもいそうな女性起業家もいたそうです。

 

 Dsc_0009_2 大森氏は「もちろんアラブ的な男性中心のソサエティは存在しますが、女性には女性ならではのネットワークがあって、国際化の波を受けて次第に存在感を示すようになっている」といい、「日本、とりわけ静岡は、オマーンと同じように長い海岸線をもち、富士山のような素晴らしい自然にも恵まれ、産業の面でも伝統と革新がほどよく融合している。オマーンと実に気質が似ています。東京基準では見えないことが、静岡目線なら気づくということもあるでしょう。石油ではなく生活を通しての対話が出来るのでは?」と提言されました。

 

 

 ドバイやオマーンでは日本のメロンやスイカがVIPフルーツとして大変人気があるそうです。またアラブではサンダル履きが普通で、国王が公式行事で正装姿のときでも基本はサンダル。「静岡がサンダルの産地と知っていれば、大使時代にオマーンに静岡サンダルをどんどん紹介すればよかった」と大森氏。

 陽子さんは「静岡産のみかんやいちごやメロン、サンダル、下駄といった地場産品を積極的にアピールしましょう、サッカーもナショナルチームだけでなく小学生から社会人まで幅広い年齢層での交流をさかんにし、40℃のスタジアムでも動けるような体づくりをしたらいいと思う」とノリノリで応えました。

 

 

 

 静岡とオマーンが、国同士というよりは市民レベルでの生活文化交流を広げていくことで、石油外交一辺倒だった日本と中東の関係が、ひと皮剥けるんじゃないかと、私もワクワクしてきました。私が考える交流といったら、もちろん酒がなければ始まりませんが…!


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三島の箱根西麓産セルリー

2008-11-22 11:24:45 | 農業

 昨日(21日)は三島の箱根西麓のセルリー畑を取材しに行きました。この一帯が良質の土壌に恵まれ、根菜類の栽培に適していることは、承知していましたが、昨日は、その景色の素晴らしさにボー然!

 

 

Dsc_0015  バックには富士山と箱根連山、南側には三島~沼津の市街地と、その奥に広がる駿河湾。農作業はキツイ仕事とはいえ、こんな景色を毎日眺めて暮らせるならば、ストレスなんか吹き飛ぶだろーなー…。

 

 

 お訪ねしたのはJA三島函南セルリー部会の高梨勝さんの畑。先日、浜松のセルリー産地を訪ねたときは、どちらかといえば都市化が進んだ郊外の一角で、ハウス中心の栽培風景だったでしたが、同じセルリー畑でも、こっちは露地モノ中心で、ホントに広々のびのびしていて、静岡じゃないみたDsc_0018い。

 

 このロケーション、テレビが放っておくわけがなく、以前、深キョン主演で農家のお嫁さんを主人公にしたNHKドラマがありましたが、ここでロケが行われたそうです。

 

 

 

 

 11月中~下旬は露地ものセルリーの収穫のピーク。「どこかテレビ局が取材に来ませんでしたか?」と訊いたら、三島のセルリーのブランド力がいまいちなのか、取材はゼロだとか。こんな素晴らしいロケーション、地元局がなんで放っておくかなー。

Dsc_0033  

 

 

 

 

 

 ここは畜産農家が近くにたくさんいて、堆肥が入手しやすいので、有機質に恵まれた肥料と、持ち前の土壌の良さが相まって、味の良い、健康的なセルリーができるそう。

 

 

 

 JAの販売課職員でベジタブル&フルーツマイスターの資格も持つ伊丹雅治さんは、「長くお付き合いしていますが、高梨さんご夫婦ってほんと、人柄も穏やかなんですよ。セルリーの香りには精神を安定させる効果があるといわれます。こういう空気のいいところで、おいしいセルリーを作ろうと頑張っている方ですから、当然といえば当然でしょう」と太鼓判を押します。

Dsc_0045  

 

 

 

 写真撮影の後、おじゃました高梨さんのお宅で、セルリーの味噌漬けを味見させてもらいました。見た目は奈良漬みたいですが、味はシャキシャキ感と塩っ気が効いて、ごはんが進みそう!茎を軽く塩漬けにしたあと、味噌に漬けて1年近く置いた高梨家代々の秘伝の味だそうです。セルリーは生でかじるのが一番ですが、レタスやキュウリやキャベツなどのサラダ用常備野菜に比べたら、やっぱりマイナーな存在。もっともっと保存方法や調理方法が浸透すれば消費も伸びるはず。

 

 

 

 奥さまにうかがった簡単レシピを紹介しておきますね!

◆セルリースープ(4人分)

・セルリーの茎から葉までを1~2センチの長さに切る。

・鍋にセルリー、水(10カップ)、固形コンソメ2個、ベーコン2~3枚(1センチ長さに切る)をくわえて煮込む。

・煮立ったら醤油少々、塩少々、こしょう少々、バター少々を加え、味を調える。

・茎が柔らかくなったら出来上がり。

 

 

◆きんぴらセルリー(1人分

・セルリー1本をマッチ棒の長さに切る。

・フライパンにごま油を熱し、セルリー、砂糖(小さじ2分の1)、醤油(小さじ3分の2)で味付けし、ごま油少々、一味唐辛子少々を加えて汁気がなくなるまで炒めて出来上がり。

Dsc_0008  

 

 

 ベジタブル&フルーツマイスター伊丹さんの解説では、セルリーにはむくみを改善し、ダイエット効果も期待できるカリウム、がん抑制効果のあるβカロテン、免疫力を高めるビタミンC、疲労回復効果のあるビタミンB1、B2、血液サラサラ効果のあるビラジンなど栄養成分が豊富で、とくに葉っぱにたくさん含まれます。

 保存するときは、葉と茎を別にし、濡れた新聞紙にくるんでポリ袋に入れ、冷蔵庫の野菜室に立てて保存します。1週間ぐらいは保つそうです。

 

 

 

 帰りには、撮影用に収穫してくれたセルリーを、これでもか!というぐらいお土産にいただきました。露地ものは収穫直後であればあるほど、味も香りも豊かで生でシャキシャキ食べれるので、少しでも早く誰かに分けようと、帰り路、蒲原の料理店よし川、由比の神沢川酒造場(「正雪」蔵元)、行きつけの洋食屋クックドール、NPO法人活き生きネットワークの事務所、そして実家に1束ずつ置きに回りました。

 セルリーの束を初めて見てビックリしたようですが、「さっき畑からもでいきたばかりだよ」と言うと、大喜びしてくれました。

 

 

 三島のセルリーはほとんどが東京へ出荷されてしまうそうですが、収穫から時間が短ければ短いほど、セルリーそのものの価値や美味しさが伝わるはずですから、ぜひ地元静岡での販促にも力を入れてほしいですね!

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