今年も早くも半分が終わろうとしています。元日に家族で富士山を愛でた三保松原。・・・半年後に世界遺産登録で盛り上がろうとは予想できませんでした。しかも、7月1日の中日新聞富士山特集で、元日に三保松原を散策する家族の写真を使っちゃうという、まさかの荒業(笑)。昨日(28日)UPした日刊いーしずの【杯は眠らない】で先取り紹介しちゃいましたので、ぜひご覧ください。
先週は、塚本こなみさんのご案内で浜松フラワーパークを取材してきました。そして昨日28日は箱根パークボランティアさんのご案内で箱根の自然観察ツアーを取材しました。ふだん、自宅に閉じこもってパソコンに向き合う以外、映画館か居酒屋ぐらいしか行動範囲のないネグラな私には、これだけ自然に満ち満ちた場所は異次元気分。仕事を忘れてカメラのシャッターを夢中で切っていました。
まず浜松フラワーパーク。エントランスに稲が植えてあって、日本らしい雰囲気。最近増えてきた外国人のツアー客を出迎える演出として、目を引きます。
今まで意識しなかったのですが、フラワーパークには著名な作庭家による素晴らしい日本庭園と、その奥に見事な花しょうぶ園があります。花しょうぶはそろそろ見納めですが、取材した20日は雨がしとしと降って、これがまた情緒を盛り上げてくれました。コンセプトは“森の中の花しょうぶ園”。色のコントラストが素敵です。
紫陽花はまだつぼみもありましたから、もう少し楽しめそうです。
ここにはフジ棚が作られる予定。浜松フラワーパークは、3月末から4月にかけて、桜とチューリップでドーンと華やぎ、5月中旬からバラ、6月上旬から紫陽花、花ショウブと身頃を迎えますが、観客動員が見込める4月下旬から5月初旬のGW時に見せるものがなかったんですね。
この時期、ぴったりあてはまるのがフジ。塚本こなみ=フジですから、もう、これは、中途半端な規模ではなく、存分に見せる準備を着々と進めているようです。
噴水池の東側には、新たに建てられた木下恵介生誕百年碑と、映画『二十四の瞳』の舞台・小豆島から寄贈されたオリーブの木が目を引きました。そうだ、公開中の『はじまりのみち』も観に行かなきゃ・・・!
こなみさんは、以前にも増してエネルギッシュで、理想の観光植物園づくりに邁進されていました。行政のしばりを受けつつ、任期3年で成果を出さなければならないプレッシャーは、余人が想像できないほど大きいと思いますが、求められ、発揮できる能力と機会を持っている人は、プレッシャーを栄養にしちゃうんですね、きっと。
28日の箱根は、曇り空で涼しく、実に快適な自然観察が楽しめました。環境省所管の箱根ビジターセンターを基点にした約2時間のコース。箱根パークボランティア解説員の方が、毎月第2・第4金曜日に無料で開く観察会で、当番の解説員が自分の得意分野や興味のあるテーマでコースを組み、案内してくれるのです。
この日は担当の解説員塩見さんによる「イワガラミ」と「ツルアジサイ」の探検ツアー。イワガラミとは、その名のとおり、岩にからみつくガクアジサイに似た花。ツルアジサイは、見た目はイワガラミに似ていて、高い木にからみつき、気根を上へ上へとはわせ、木をまるごと飲み込むように咲くんです。
これが岩にからみついたイワガラミ。ちょっと分かりづらいかもしれませんが、ここ、かなり高い岩なんです。岩壁に網の目のようにツルがはっています。
こちらがツルアジサイに“征服”されてしまった木。パッと見たら、もとからこういう形状の木かと思っちゃいますね。
箱根はヒメシャラの北限の地だそうです。幹の肌がこんなふうに剥けているところに触ったり抱きついたりすると、ひんやり気持ちがいいんですね。水が流れる導管が表皮に近いところにあるからで、「熱中症が心配になったらヒメシャラの木に抱きついてください」と教えてもらいました。
この無料自然観察ツアー、ガイド役の解説員さん自身が、趣味の延長で、自分が楽しんでやっているって感じ。当番じゃない解説員さん仲間も積極的に参加し、互いにフォローし合ったりで和気あいあい。野草料理に詳しい参加者から調理方法なんか聞いたりして、とてもいい雰囲気でした。
毎月第2・第4金曜日、10時までに箱根ビジターセンターに行けば、申込不要で誰でも気軽に参加できます。
今回の取材のメインテーマは“箱根ジオパーク探訪”。お目当ては大涌谷でしたが、この時期は、森の中の草花を観察するほうが楽しいですね。大涌谷は、アジアからの観光ツアー客でごったがえしてました。
逆に、客がほとんどいなくて?ゆっくりできたのが、入生田駅前にある『神奈川県立生命の星・地球博物館』。お子さんのいる方ならご存知だったかもしれませんが、私は初めて。公立施設とは思えない迫力満点の展示にビックリしました。
一番ビックリしたのは、去年、アリゾナを旅行したとき、ナバホ族居留地でお宝探しをした珪化木(こちらを)。木が炭化して石になっちゃったやつですね。私が拾ったのは手のひらサイズですが、ここには木の幹がまるごと石になっちゃったのが!!
そういえば、アリゾナから持ち帰った珪化木を、「何よりのお土産!」と喜んでくださったのが、こなみさんでした。
樹木医の仕事とは、何百年、何千年と地球に刻まれる植物のいのちをつなぐこと。化石となった植物のいのちの重みが、誰より理解できる方なんでしょう。
46億年の地球の歴史の中で、自分はどうしてこの時代に、この国で生まれ、こういう仕事をしているんだろう・・・ついつい、そんな哲学的な思惟にふけってしまいました。
ついつい視野が狭くなる日常生活の中で、ほんのひとときでも、こういう場に身をおいて目線を変えてみるって、いいリフレッシュだなあと思いました。