杯が乾くまで

鈴木真弓(コピーライター/しずおか地酒研究会)の取材日記

衣食住から地域力を考える

2010-09-30 15:19:00 | アート・文化

 9月26日(日)は旧浜北市にある静岡県立森林公園森の家で開かれた、県主催のシンポジウム『衣食住を考える分野別ミーティング』の取材に行ってきImgp3012 ました。

 

 

 川勝知事の基調講演のあと、『衣』の分科会では遠州地域の繊維ファッション産業について、『食』では北遠地域の雑穀など地域の伝統食材や農山村の景観を生かした食のもてなし方について、『住』では天竜材を活かした住まいづくりにおける地産地消の潮流づくりをテーマに、学術研究者と地域事業者がディスカッションを行いました。

 

 

 

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 会場の県立森林公園森の家を訪れるのは、かれこれ10年ぶりぐらい。会合施設、宿泊施設、茶室、多目的ホール(体育館)、レストランが完備された多目的研修施設で、地元天竜木材がふんだんに使われ、森林公園と一体となった贅沢なロケーション。最初に来た時は事務棟ぐらいしか記憶になかったんですが、こんな立派な施設になっていたなんてビックリです。

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 レストランまつぼっくりは、シャンポール(パン菓子製造販売)や治一郎(バーImgp3006 ムクーヘン)を展開する浜松の㈱ヤタローが運営する地産地消レストラン。日曜ということもあって、一般の家族連れやグループ客で大いに賑わっていました。

 

 

 ヤタローは秋葉街道ツーリズム事業にも取り組んでいて、天浜線二俣駅前に焼き立てパン&道の駅&コンビニが融合したモデルショップ『十文字屋』を出店。“山里の春の花香る城めぐりツアー”とか“秋葉街道開運両参詣の旅”といったツーリズム企画も実践し、『食』の分科会で事例紹介に取り上げられていました。

 

 

 『食』の分科会では、水窪で農家レストラン「つぶ食いしもと」を経営する石本静子さんの事例紹介も。石本さんは昭和51年に農山村の生活改善を考える活動(生活改善グループ)を農家の主婦10人で始め、他地域に先んじて高冷地野菜や中国野菜を導入したり、地元の伝統食(こんにゃく、そば、とちもち)、雑穀(きび、あわ、ひえなど)の価値を見直そうと地元の山住神社の縁日で紹介したりと、今の地産地消運動の先駆けとして実績を積み重ねてきました。

 

 

 行政の補助や支援を上手に活かし、昭和61年にはグループの加工所を設立。単独グループに県の補助が初めて認可された例として注目を集めます。加工所で作られた水窪の味は、「ふるさと宅配便」として人気を集め、百貨店Imgp3016 ギフトとも提携。県東京事務所の紹介で東京農大の学生が研修にやってきたりして、ちょうどそのころ、私も取材でうかがったことがあります。農大とは多方面で連携し、毎年、大学祭にも招かれるとか。

 

 農家レストランは平成15年にオープン。雑穀と伝統食の2本立てメニューで、お客さんは国内外、ヨーロッパからもやってくるそうです。

 

 『衣』『食』『住』各分科会を駆け足で巡回しながらの取材で、じっくりは聴講できませんでしたが、ついつい試食コーナーのあった『食』の会場に長居してしまいました(笑)。

 

 

 

 久しぶりにいただいた、石本さんの煮もの、そして私が以前、県内の農産加工施設の手打ちそば取材で一番美味しいと思った佐久間町・北条峠(ほうじとImgp3013 うげ)の伝統食とじくり(麦だんご)は、どんな売り込み上手な人気B1グルメよりも心に染みる深い味わいでした。

 

 

 ご当地グルメって現地に行かなきゃ食べられないからこそ価値があるのに、どこの土産物店でも買えるようになっちゃっていいのかなぁと思うこともあります。地元の人が期間限定で出張販売するぐらいならいいけど、食品会社や観光業者が量販・拡販を狙い過ぎると、せっかくの地域力が逆にそがれるような気も・・・。でも難しいですね、この地域にこういう味が残ってるって知らしめるため、ある程度の販促も必要なわけだし。

 

 地域力の使い方、発信の仕方・・・改めて考える好機をいただいたような気がしました。

 


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藤枝駅前DE吟醸王国出張ブース(その2)

2010-09-28 00:03:29 | 吟醸王国しずおか

 25日は日中の藤枝駅北復活フェスタに引き続き、夕方からの藤枝DEはしご酒で吟醸王国しずおか映像製作委員会募金&お宝グッズノミの市を開催しました。

 

 

 場所は、はしご酒会場のひとつ『色彩膳八っすんば』さんの前。出品したのは日中の食品類に加え―

◎白隠正宗 1988年製白磁一升瓶ボトル富士山画
◎富士錦 豆枡
◎正雪 本藍染めの手ぬぐい、日本酒復権準備委員会制作オリジナルCDImgp3002 [日本酒が最高]
◎初亀 手書き一合徳利
◎杉錦 陣吉袋 デニム製前掛け
◎志太泉 レトロはんかち
◎喜久醉 デニム製エプロン
◎若竹 本藍染め陣吉袋、本藍染め前掛け、オリジナルTシャツ

◎松崎晴雄さん著「Tastes of 1635 日本酒ガイドブック」
◎松下明弘さん愛用の喜久醉本藍染め前掛け
◎鈴木真弓詩画集

 

 蔵元グッズはとても好評で、白隠正宗の一升瓶ボトル(実は12日のしのだ日本酒の会で売れ残ったもの)は、白隠ファンの若いカップルが用意した3本すべてお買い上げface25 ボトルを見つけた時はエラく興奮して、写メを撮って友人にメールし、友人の分もゲット。「今日のはしご酒には高嶋さんいないのかな~」と寂しがってました。ホントにファンなんですね。そういう人の手元に渡ってよかった!!

 

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  陣吉袋は、はしご酒参加ではない、通りすがりの外国人(フランスの方)が一目で気に入ってお買い上げface08

 

 

 

 

 

 超目玉!は、「松下米」の松下明弘さんが「自分の使い古しだけど」と持ち寄ってくれた愛用の前掛け。本人にちゃんと証明サインを書いてもらいました(笑)。Imgp2994

 本当は喜久醉松下米のファンに差し上げたかったんですが、「使いこんであるから生地がやわらかくて仕立てやすい」と裁縫が趣味のご婦人がお買い上げくださいました。

 

 

 

 

 他、はしご酒参加者も気前よくお買い上げくださり、蔵元グッズはほぼ完売でした。やっぱりお気に入りの酒銘が入ったグッズ、しかも本藍染めのようにホンモノ感があるものって高価でも人気あるんですねicon14








 
 
 
 

                     

        Imgp2999             

 私の詩画作品は、モデルになった蔵元さんが(義理で)何点か購入してくだ さいましたface15 

 

 

 蔵元グッズの人気に比べたら、力は遠く及びませんが、通りすがりの年配の方が「こういう書画は味があっていいねえ」と声をかけてくださったり、オリジナルポストカード用に描いた絵を見た女性が「これ、銅板画じゃないの?自分もやってるからわかるわ」と手に取り、線画で描いたと言ったら驚いて「作家として刺激を受けるわ~!」とリップサービスしてくれました。そんな何気ない一言がすんごい励みになりますicon21

 

 

 

 商品をご提供くださった蔵元のみなさま、松崎さん、松下さん、本当にありがとうございました。お店の前のスペースを提供くださった商店街振興会ならびに『八っすんば』のご主人にも感謝申し上げます。

 

 そして何より、常日頃から「吟醸王国しずおか製作に少しでも力になりたい」とエールをくださり、こういう機会を作ってくださったはしご酒主宰者の山口登志郎さん(湧登オーナー)に心から感謝申し上げます。本当にありがとうございました。


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藤枝駅前DE吟醸王国出張ブース(その1)

2010-09-27 11:40:47 | 吟醸王国しずおか

 先週お知らせしたとおり、25日(土)は11時から15時まで、藤枝駅北復活フェスタ(商店街イベント)で、藤枝DEはしご酒PRの無料試飲と、吟醸王国しずおか映像製作委員会募金&お宝ノミの市を開催しました。
 猛暑も去り、秋晴れicon01&本来の初秋らしい気温のもと、はしご酒主宰の山口さん(湧登オーナー)と街角の一角で地酒パワーをムンムン振りまいてまいりましたface25 










 月末の週末、お天気も良く、みなさん職場や家庭でもろもろ用事があったと思いますが、島田市から日比野哲さん(大村屋酒造場)、はしご酒ボランティアスタッフで地元藤枝をこよなく愛する大石人士さん(静岡経済研究所)が駆けつけてくださって、最初から最後までブースをお手伝いくださいました。今回は急な話でサポートスタッフが見つからず、孤軍奮闘していたので、ホントにありがたかったですface19 ちんどん屋さんも目の前で楽しいパフォーマンスを披露してくれて、自分もお祭りに参加してる気分でしたicon14
 

 そうそう、私も山口さんも、地元の人間だと思われて、通りすがりの人に道案内など聞かれて困っちゃいました。「我々、静岡なんです~」と応える時、ちょびっとバツが悪かった…(苦笑)。藤枝の酒造・酒販関係の人が一人でも来てくれるとよかったんですけど、部外者が勝手なことをやってるって快く思われていないのかなぁ…。

 

 

 

 

 昼間は試飲ブースと一緒、ということで、おつまみものを並べました。吟醸王国会員で、先ごろSBS静岡そこ知りでも紹介された藤枝岡部の『蕎麦庵まえ田』さんが、この日のために作ってくれたそばチップス&そばマドレーヌ。とくに塩ガーリック風味のそばチップスは、子どもや女性にも大好評icon22

 

 

 静岡の酒問屋・塚本商店さんは、藤枝市の友好都市である石川県松任市の銘醸『天狗舞』蔵元が作った激辛調味料『剣崎なんば』を提供してくれました。天狗舞の吟醸酒粕で仕込んだ焼酎に、国産の希少唐辛子「剣崎なんば」を漬け込んだもので、あまりにも辛すぎて(飲めないから)酒類にはならず、調味料として今夏発売し、話題になったそうです。

 

 

 

 浜松の酒販店・旭屋酒店さんは、静岡県西部地区特産の野菜&フルーツを使った『遠州ベジタブルソース』を提供してくれました。県西部地区の酒販店が中心となって活動する遠州夢倶楽部が開発したオリジナル商品。オムライス、ハンバーグ、ピザ、ホットドッグ、サラダ、パスタ、サンドイッチ、フライなど洋食全般に何にでも使える栄養満点の万能ソースですicon28

 

 

 静岡の食品販売会社・梅辰さんは、ご存知元祖『梅にんにく』と、上品なみそ風味の『京みそにんにく』をご提供。におわない&ごはんのお供にもなると、商店街のおかみさんたちに好評でしたface05

 

 

 

 商店街サイドでご用意いただいたスペースが、試飲&ノミの市で机1台分しかなく、用意した蔵元グッズを並べることができなかったので、夕方からのはしご酒タイムでは、もう1台お借りしました。街頭での募金&販売活動ですから、本来ならば事前に主宰者側ときちんと打ち合わせをし、根回しをすべきところ、商店街振興会や山口さんのご配慮で、その場でこちらの要望を聞きいれていただきました。関係者のみなさまには本当に感謝申し上げます。ありがとうございました。

 はしご酒タイムでのブースの様子はまた後で。


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吟醸王国ブースの雑品

2010-09-23 22:05:10 | 吟醸王国しずおか

 引き続き、25日(土)の藤枝駅前の吟醸王国しずおか映像製作委員会の募金&ノミの市情報です。

 蔵元さんのお宝グッズのほか、製作委員会の会員さんから少しずつですが寄付品が集まっています。人さまからの提供をあてにするばかりではいけないと、目下、過去の自作イラスト原画をベースに、地酒ファンに手に取ってもらえそうな詩画作品を制作しています。ライターの自分に創作できる作品といったら、こういうものしか思いつかなかったのです・・・。

 

 

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 正直、売り物になるのかどうか自信はありませんが、ほろ酔い加減のはしご酒参加者が太っ腹になっているところを狙い撃ちしようかと(笑)・・・。はしご酒参加予定のみなさま、ぜひぜひよろしくお願いいたします


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藤枝駅前に吟醸王国出陣!

2010-09-23 10:54:31 | 吟醸王国しずおか

 急なお知らせで恐縮です。 

 9月25日(土)に、JR藤枝駅北口界隈で『藤枝DEはしご酒』が開催されます。
 はしご酒というイベントは、徒歩圏内の居酒屋数店で、1000円ぐらいで地酒一杯とつまみ一品を呑んで食べてはしごするという酒呑み垂涎の“夜のウォークラリー”  『吟醸王国しずおか』公式サイトの「えり子のぽんしゅカフェ」で神田えり子さんが紹介してくれてますので、ご参照くださいface21



 その折、主宰者の山口登志朗さんより、「はしご酒開催店の近くで、吟醸王国の募金ブースをぜひ」と有難いオファーをいただきました。
 山口さんは、先日の「蔵元を囲むしのだ日本酒の会」にお客さんとして参加されていて、吟醸王国お宝ノミの市コーナーを楽しまれ、「売れ残りがあったらぜひ藤枝で」とお声掛けくださったのでした

 

 

 しかも、25日当日は、昼間、藤枝駅前商店街で『駅北復活フェスタ』という商店街まつりがあるということで、山口さんは商店街振興会から「昼から試飲イベントをやってくれ」と頼まれたとか。そこで「可能ならば、昼から一緒にやりませんか?」とお誘いいただきました。

 

 藤枝は、映画に登場する酒蔵が多く、市長にも応援していただいた経緯があるので、喜んでお受けしました。

 蔵元グッズの“売れ残り”は、ありがたいことに実はほとんどないので、改めて関係蔵元にお宝グッズの出品をお願いし、同時に吟醸王国の会員のみなさんに幅広く協賛をお願いしたところ、「こんな形で映画制作を応援できるなら喜んで」と何人かの会員さんが提供してくださいました。本当に感謝感激ですicon11

 

 蔵元さんからも、貴重なグッズが集まってます。前回は映画の撮影フォトを展示して、多くの方に関心を持っていただきました(フォトはすべてモデルの蔵元さんに寄贈しました)。今回は、私が毎日新聞に連載していた『しずおか酒のPhoto 人』のイラスト画をいくつかご用意する予定です。

 

 

 

 急に決まったことなので、さすがに当日、昼間から助っ人に来てくれる人は見つからず、私一人でお店番をやることになりましたface15
 何かとバタバタすると思いますが、山口さんのお力もお借りし、楽しいブースにしたいと思いますので、当日、藤枝へお越しの方はぜひお立ち寄りくださいね! ノミの市に何か提供してもいいという方がいらしたら、ぜひお持ち寄りくださいまし

 

 

◆吟醸王国しずおか映像製作委員会 募金&ノミの市 
9月25日(土) 11時~15時  藤枝駅前(北口)商店街まつり『駅北復活フェスタ』内
17時30分~21時ぐらい 商店街振興会事務所横 (居酒屋八っすんば隣り)


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