今週は出ずっぱりで、やっとPCの前に落ち着いて座れました。寒かったり暑かったりで目まぐるしい週ですね。
19日月曜は、吟醸王国しずおか映像製作委員会の有志で藤枝市の北村市長を表敬訪問しました。
市長に表敬訪問といえば、地元出身の芸能人やオリンピック代表選手クラスの専売特許だと思っていましたが、酒縁とは不思議なもので、10日の斗瓶会員地域見学ツアーの交流会に藤枝市商業観光課の方が来てくれて、とんとん拍子に話が進みました。同課の方は、昨年3月の『藤枝地酒プレスツアー』でご一緒し、7月の(財)静岡観光コンベンション協会年次総会でのパイロット版上映会&トークセッションも聴講し、個人で会員にもなってくれていたのでした。…でもまさか市長室にプレゼンしにいく機会をもらえるなんて…。
対行政には少々辛い思い出がありまして、このプロジェクトをキックオフするとき、公的助成のことをいろいろ調べて相談に歩きました。静岡市では「地酒はうちの市では重点項目にしていないので」と相手にされず、県もあちこちのセクションをたらいまわしにされ、国ではほとんど子ども扱いされ、屈辱的な思いをさせられたのでした。
最初から助成金をあてにするんじゃ、作りたい作品はいつまでたっても作れないと目が覚め、撮れるものはどんどん撮る、資金は自分で集められるだけ集めてみる、と腹を決めたのです。一番苦しくて先の見えない選択でしたが、品質を磨くために厳しい選択をしてきた吟醸王国しずおかの蔵元・杜氏の生き様が、背を押してくれたのでした。
この間、個人クリエーターが身を削って作っている作品ということで、新聞やテレビが取り上げてくれて、取材でお会いした石川(前)知事からも「新聞見たよ、頑張っているようだね」と声をかけていただいたこともありました。だからって何か支援してもらえるわけではないけど、そのときは新酒鑑評会で県知事賞をもらったときの蔵元さんの喜びを疑似体験したかのような気分でした。
そんな理想に燃える“白真弓”を、「キレイ事言ったって、カネがなけりゃ何も出来ないじゃん」と愚弄する“黒真弓”が、私の内でせめぎ合っています(苦笑)。
プロジェクトを始めてそろそろ3年になり、だんだん“黒”の勢いが増してきた感のあるときに、銘醸地の市長に直接、映画制作の話ができるというサプライズ。…だからって市がスポンサーになってくれるわけじゃないし、一過性の話題で終わるんだよって黒真弓が囁く一方で、斗瓶会員の仲間に「一緒に行く?」と誘ったら、「着ていく服がないよ」「着物じゃ大げさかな?」と返事が来て、やっぱりタダゴトではない、名誉なことなんだ…!と改めて再認識しました。
表敬訪問の様子は、こちらを参照していただくとして、今は偶然とも必然とも思える酒縁のお導きに素直に従い、真っ白な気持ちで理想の実現を目指そうと思っています。
表敬訪問を実現させてくれた藤枝市役所の田中さん、斎藤さんはじめ商業観光課のみなさま、斗瓶会員の久留さんに、あらためて心から感謝申し上げます。わざわざ時間を作って表敬訪問に同行してくれたカメラマン成岡さん、デザイナー高島さん&櫻井さん、浜松から駆け付けてくれた神田えり子さん、ありがとうございました!