杯が乾くまで

鈴木真弓(コピーライター/しずおか地酒研究会)の取材日記

アメリカ西部モーターハウス旅行7~インディアンホスピタル

2012-08-31 15:51:18 | 旅行記

 8月13日(月)の午後は、妹が勤務するフォート・ディファイアンス・インディアン・ホスピタルを見学しました。

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 妹の香織は、Advanced Practice Nurse (アドバンスド・プラクティス・ナース=大学院修士課程を卒業した高度専門看護師)で、麻酔専門の看護師として勤務しています。日本と違い、アメリカでは看護師も麻酔医の仕事が出来るんですね。

 

 

 彼女は政府系(国防省)の大学院で奨学金をもらって資格取得したので、卒業後10年間は国家公務員として赴任先が決められ、これまでアラスカ、オクラホマ、そしてここアリゾナと転勤して回りました。今年一杯で“ご奉公”が終わるので、来年には西海岸に引っ越して民間の病院(=給料は公務員の倍以上とか!)に勤めながら、大学院博士課程に通うそうです。

 

 

 

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 彼女はもともと看護師だったわけではなく、沖縄に赴任していた米空軍兵士の夫ショーンとダイビングスクールで知り合って結婚し、夫の次の赴任先だったイギリスで、アメリカの州立大学の通信教育が受けられるということで、30歳を過ぎて一から看護学を勉強し、夫の次の赴任先アラスカで病院勤務をスタート。夜勤ICUなどのハードウォークをこなし、実績が認められ、病院の推薦で給料をもらいながらワシントンDCの国防省系列大学院に入学してAPCになったというわけです。夫はいつ戦地に赴くかもしれない身。海外で夫以外に頼れる身内や知人がおらず、自分の力で生きて行く術を身につけなければ、との覚悟を持っていた彼女には、保守的な医療の世界で有色人種が生き抜くための武器になる資格が必要だったのかもしれません。

 

 

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 ちなみにAPCは全米中のナースの1割弱という特異な存在らしく、日本でいえばかかりつけ医、麻酔医、小児科医と同等の能力を持っていて、基本的にナースですから医療行為は医師が帯同しなければ出来ませんが、医師不足の僻地では、APCが臨機応変に対応することもあるそうです。

 

 

 

 

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・・・とにかく、なんとなく好きなモノ書きの仕事をのほほ~んと続けてきた私とは真逆の生き方をしている子です。私は彼女より3歳上、平野さんは10歳上ですが、旅行中、妹に掃除や料理や英会話をビシビシしごかれ、持病を持つ平野さんは「中途半端な時間に寝ない!」「ビールの呑み過ぎ!」等など妹に健康管理について厳しく指導されてました(苦笑)。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

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 さて、妹が勤めるフォート・ディファイアンス・インディアン・ホスピタルは、もともとフォート・ディファイアンスの中心地に1950年代に建てられた病院(右写真=現在は廃墟)で、2002年に移転新築されたとてもきれいな病院です。一般病棟40床、ICU3床、精神病棟40床という規模。正式名はホーツォイ・メディカル・センター(Tsehootsoi medical center)といいます。

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 ホーツォイとはナバホの言葉で「緑の草原」。アンテロープキャニオンやモニュメントバレーの一帯に比べると、確かに緑地帯が多く、どことなくホッとさせられます。フォート・ディファイアンス(反抗砦)という地名は、文字通り、19世紀の白人とインディアンの戦いの名残りなんですね。

 

 

 

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 妹の職場にはパキスタン、プエルトリコ出身の看護師もいます。パキスタン人の彼は、母国では医師だったそうですが、アメリカで医師を続けるにはアメリカの国家試験をパスしなければならず、とりあえずナースの資格を取って働いているそうです。私が持参した松井妙子先生の染色画の絵はがきを嬉しそうに受け取ってくれました。

 

 

 どちらかといえば田舎ののんびりとした病院で、数で多いのはヘルニアや胆嚢の手術とか。見掛けた限り、ナバホの人々はメタボな人が多く、成人病が多い・・・。妹に言わせれば「低所得者層ほどジャンクフードやファストフードばかり食べる。彼らにとってのごちそうは、加工された砂糖や脂の味。大手加工食品メーカーがそういう層をターゲットにしている」とのこと。食生活に気を遣う生活って、ゆとりがなければ無理だよなあと改めて実感しました。

 

 

 政府が2003年にまとめた報告書によると、居留地もしくはその周辺で暮らす先住民の総労働人口80万人余のうち、職に就いている人は40万余り。失業率は49%に達しているとのこと。ナバホ族だけみると37%が貧困線を下回る暮らしを強いられているようです。

 

 帰国してから読んだ鎌田遵氏の「ネイティブアメリカン」(岩波新書)に、こんな記述がありました。

 

 「移民は子孫の代でアメリカ社会に慣れ、貧困から脱出する可能性をもっているのにたいして、この国に一番長く移住する先住民は、長いあいだ貧困から脱却する術を持たず、貧困を再生産しつづけている。格差が大きすぎるため、たいがいのアメリカ人は、居留地の貧困を別世界の問題と考えがちで、アメリカの中の“第3世界”と形容されることがある。連邦政府や州政府は、居留地の貧困について真剣な議論を怠ってきた」

 

 「先住民社会を多く暗い影の要因の一つに、全米一といわれる高い疾病率がある。とくに深刻なのは糖尿病である。(中略)45歳以上の先住民の80%が糖尿病と認定されており、6歳の子供の45%が将来的に糖尿病を患う可能性が指摘される居留地もある」

 

 「連邦政府は1890年代後半に狩猟採集を一定地域で禁止し、生活の糧をなくした大平原部の狩猟民族が餓死する事態を招いた。そのため連邦政府は飢えに苦しむ先住民にラードや小麦粉などの安価な物資を配給した。(中略)部族社会の名物であるフライ・ブレッド(揚げパン)は、先住民の伝統食の一つといわれている。しかし油で揚げたパンは先祖代々先住民に伝わるものではない。高カロリーのフライ・ブレッドと相性のいいコーラは、現代の先住民の間に広がる、糖尿病の主要な原因の一つと考えられている」

 

 「連邦政府は先住民を狩猟がつづけられない状況に追い詰めることで、文化的な伝統を奪い取った。そして、配給制度は先住民社会に連邦政府への依存体質を生みだし、自立を促すしくみを完全に喪失させ、貧困を再生産する構図を造り出した」。

 

 

 私が病院で見かけた多くのメタボな人々の背景には、こういうことがあるのか・・・と心が痛みます。

 

 

 先進医療はカバーできずとも、世界各国から医療従事者が集い、低所得者の人々に必要な治療を提供できる、きれいで整った病院。・・・そこにやってくるのは、貧困がもたらす生活習慣病という矛盾に満ちた患者たち。・・・思い返すと、日本の病院では想像できない光景でした。

 

 

 

 

 私たちがいるときに、ヘリで救急搬送されてきた人がいましたが、この病院は難しいオペに対応できないため、必要な場合はアリゾナ州フラッグスタッフにあるメディカルセンターに移します。ニューメキシコ州に住むナバホなら、ニューメキシコ州都アルバカーキーの総合病院に移すことができるそう。アリDsc00827ゾナとニューメキシコの州境にあるため、どっちの州のメディケイド(低所得者向け健康保険)を持っているかで分けられます。日本のように必要あらば他県の高度医療機関に、というわけにはいかないみたい。

 

 

 アメリカの医療や妹の仕事については、平野さんが熱心にヒアリングしていました。いずれ『たまらん』で紹介してくれると思いますので、お楽しみに。

 


アメリカ西部モーターハウス旅行6~インディアンカーニバルと木の化石

2012-08-29 10:44:00 | 旅行記

 モニュメントバレーを後にし、8月12日(日)、妹夫婦の住まいがあるフォート・ディファイアンスにようやく到着。ニューメキシコ州との州境、ナバホ・ネイションの首都ウインドウ・ロックの北隣の小さな町です。

 

 

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 住まいは、妹が勤務するフォート・ディファイアンス・インディアン・ホスピタルの職員住宅。外観は日本の分譲住宅に似ていますよね。屋根の色は、周辺に広がる赤い岩山(レッド・ロック)に合わせたみたい。

 

 

 

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 ここでモーターハウスを切り離し、ペットたちを家に戻した後、車で40分ほどのニューメキシコ州ギャロップに。11~12日開催のインター・トライバル・インディアン・セレモニアルという先住民族の文化祭に行ってきました。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

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 内容は、先住民族の伝統舞踊、ジュエリー、アートクラフト、音楽イベント、ロデオショー等。私たちは、この地のB級グルメともいえる「ナバホ・タコ」を片手に、ロデオショーを楽しみました。ナバホ・タコ、豆や野菜がたっぷり載ってて、とてもヘルシーでした。生地が揚げてあったので、ちょっと胃もたれしそうだけど・・・。

 

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 初めて間近に観るロデオショー、各民族代表のカウボーイたちが荒くれ馬や猛牛に1分1秒でも長く乗ろうと競い合います。10秒乗ってられたら拍手喝さいという難しさ。こういうロデオショーって、相撲やプロレスの興行みたいに各地を巡業しているそうです。この文化祭でのImgp0615_2ロデオショーはアマチュアコンテストを兼ねていて、優勝チームの喜びようはハンパじゃありませんでした。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

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 翌13日は、妹の家の裏山を少し登ったところで、お宝探しをしました。

 お宝というのは、「木の化石」。恐竜が登場する前の三畳紀(約2億5千万年前)、この地は緑豊かな肥沃な地だったそうですが、長い時間をかけて流水に押し流された松や杉の木が砂や泥に埋もれ、本来ならここで腐敗するところ、大量の火山灰が何百メートルも積もってしまうと酸化せず。火山灰に含まれる珪素が木の細胞と反応し、結晶化し、その結晶が徐々に木を呑みこんで石にしてしまった・・・とのことです。ウィキペディアではこんなふうに解説されていました。

 

 珪化木(けいかぼく)。

 木化石とも呼ばれるように、古代何らかの原因で土砂等に埋もれた樹木が、膨大な年月をかけ地層からかかる圧力により木の細胞組織の中にケイ素酸素水素との化合物であるケイ酸を含有した地下水が入り込むことによって、樹木が原型を変えずに二酸化ケイ素(シリカ)という物質に変化することで、石英水晶などと同様に固くなり、化石化したものである。

 保存状態が良いものは年輪や木の形まで保存される。石炭とほぼ同所的に出土することもあるが、珪化木はケイ素分を多く含んでいてかなり硬く、石炭採掘の際には厄介な障害ともなる。一部が石炭、または石炭に近い状態になっているものもあり、いわば「石炭になり損なった木」ともいえる。

 アフリカアルゼンチンブラジルなどで多く産出され、観賞用に高値で取引されている。ブレスレット数珠などにも加工され、製品化されることが多い。

 日本でも各地で産出されるが、特に兵庫県東条町黒谷地区西側などの神戸層群の一帯からはブナ科メタセコイア属などの珪化木が多く産出されたが、乱獲もあり近年は採取されることが減少している。岩手一戸町にある根反(ねそり)の大珪化木は国の特別天然記念物に指定されるなど、各地に国や自治体の天然記念物に指定されているものがある。

 

 

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 結晶になったのは珪素(シリカ)をはじめ、白い縞模様や赤褐色の部分はメノウ、オニキス、ジャスパー、クォーツ、アメジスト等なども含まれ、20世紀初頭には大量の宝石商がお宝探しに押し寄せたそうです。

 

 

 

 木が石になっていると聞いてもイマイチ、ピンとこなかったのですが、とりあえず、妹の夫ショーンが偶然見つけた発見ポイント付近の道端にころがっている石の中から、それらしいものを探しました。探し始めるとこれが面白くて、なんだか子どもの夏休みの自由研究でもしているみたいに石ころ集めに熱中してしまいました。これはショーンが以Imgp0633
前、発見したというビッグサイズ。一見、木のハシクレに見えるけど、カチンカチンの岩なんです。しかも宝石込み・・・!

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

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 これが当日の収穫品。帰宅後、私は軽~い熱中症でダウンしちゃいましたが、その間、ショーンと平野さんが必死になって磨いてくれました。どれだけの価値があるのかよくわかりませんが、とりあえず、手のひらサイズはお土産になりそうです。

 


アメリカ西部モーターハウス旅行5~モニュメントバレー

2012-08-28 10:52:18 | 旅行記

 8月10日(金)、レイクパウエル湖畔の町ペイジを後にして、西部劇の舞台でおなじみ・モニュメントバレーに向かいました。

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 昼ごろ、モニュメントバレートライバル国立公園内のグールディングロッジにあるRVパークに到着。グールディングロッジとは、モニュメントバレーに西部劇のロケを誘致し、観光地化に尽力してナバホの人々の経済的自立を支援したグールディング夫妻が、最初にこの地にやってきてトレーディングスポット(物々交換場所)を開いた場所で、今は、ホテル、ギャラリー、キャンプ場、ミュージアム等が整っています。

 

 

 

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ミュージアム内の“Movie Room”では、ジョン・フォード監督が使用したディレクターズチェアや、我々世代でもお馴染み「バック・トゥー・ザ・フューチャー3」の貴重な香盤表(撮影段取り表)等が展示されていました。

 

 

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 『捜索者』(原題/The Searchers)は1956年の作品。レトロなデザインですね。

 

 

 

 

 

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2階にはグールディング夫妻が1940年代にこの地に構えた家の室内が再現されていました。アメリカの古き良き時代って感じですね。

 

 

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 ミュージアム裏の「ジョン・ウエインの小屋」、もともとは食糧貯蔵庫だったそうですが、1949年製作の『黄色いリボン』で、ジョン・ウェイン演じるブリトリス大尉の家として外観が使われたとのこと。

 余談ですが、別棟にあったレストルーム(トイレ)がとてもきれいだったのに感心しました。今回訪ねたアメリカの観光地はさすがに世界レベルというのか、どこもトイレがきれいで安心して使えました。さすがに日本の温便座&シャワー付きのような高機能トイレは見掛けませんでしたが・・・。

 

 

 

 

 

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夕食前、カイちゃんの散歩を兼ねて、グールディングロッジ内にある「ザ・ロック」という、まんま!の名前(笑)のトレイルを散策しました。さすがにわんこ、こういう場所では生き生きしてます。大型犬ではなく小型の柴犬だけに岩山に必死に登る姿がよけいにいじらしい・・・。

 

 

 

 

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 夜は、RVパークの隣人となったオランダ人ファミリーとミニ・ビアパーティーです。夜といっても20時をまわる頃、やっとうす暗くなるので、延々と呑み続けます。イケメン長男は16歳ですが、オランダでは飲酒OKなんだそう。

 

 グランドキャニオンもアンテロープキャニオンもそうでしたが、アメリカ西部のグランドサークルといわれる国立公園一帯には、ヨーロッパ、とくに北方の寒いエリアからの観光客が実に多いんですね。やっぱり太陽の日差しが恋しいというのか、夏らしい暑い場所に行きたがるのが心情のよう。

 

 

 

 

 翌朝は5時起きで、6時出発のモニュメントバレー乗馬ツアーに参加しました。この時期は、早朝の涼しいうちに回ったほうがいいと、妹夫婦が朝一番の予約をしてくれました。バレー内はジープでも回れるのですが、車では行けない岩山のすぐ脇や池のほとりなどバレーをとことん満喫するなら乗馬ツアーだということで、乗馬経験ゼロながら思い切って参加しました。

 

 

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 ドキドキしながら乗馬スポットまでやってくると、ちょうど朝日が昇る瞬間でした。石川五右衛門並みに「絶景かな~」と叫びたくなりました。

 

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 平野さん、最初は「自分の人生で、馬に乗るなんて瞬間が来るとは想像もしてなかった・・・」と戸惑ってましたが、なかなかどうしてバッチリ決まってます。 

 

 

 まったく練習もなしにいきなり乗って、まるまる2時間、一回も降りることなく道なき道を廻るというので、間違いなく途中で落馬するだろうと覚悟しましたが、ナバホのツアーガイドはビビリ初心者に慣れているのか、ゆっくり丁寧に案内してくれました。

 

 

 

 最初のうちは、たずなを両手で握りしめ、周りを見回す余裕なんてなかったんですが、だんだん慣れてきて、片手で写真を撮る余裕が出てきました。

 

 

 

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右の写真は「Suns Eye」。左は岩壁に描かれた絵画です。

 

 

 

 

 

 

 

 途中で羊の放牧にも出くわしました。

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 両太ももでしっかり鞍を挟み、不安定になったら腰を浮かし、馬の動きに呼吸を合わせなさい、という注意を必死に守り、どうにかこうにか落馬せずにゴール。

 

 

 

 

 モニュメントバレーのビューホテルまで戻って朝食をとり、車でふたたびグルッと一周しました。

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 ジョン・フォード監督が好んで撮った『ジョン・フォード・ポイント』、ナバホの人々が『三姉妹』『掌』『親指』等と名付けたユニークな岩山をウォッチンImgp0581
グ。

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 妹夫婦は今年初めに亡くなったもう1匹の愛犬(柴犬)ナイキの遺骨を、『アーティストポイント』と呼ばれる美しい荒野に散骨しました。また会いに来る楽しみが出来ると、旅先で少しずつ散骨するんだそうです。・・・全米中の美しい場所に眠らせるって素敵な弔い方法だなと思いました。散骨が容易ではない日本国内じゃ無理かもしれませんが。

 

 

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 最後は国道163号に戻って少し北上し、映画『フォレスト・ガンプ』のロケに使われたポイントで写真を1枚。ガンプが全米ランニングを終えた印象的なシーンが甦ってきました。

 

 ・・・なんだか無性に映画が観たくなった一日でした。


アメリカ西部モーターハウス旅行4~アンテロープキャニオン

2012-08-27 09:41:04 | 旅行記

 ベストフレンズアニマルソサエティのあるユタ州ケナブを後にして、ふたたびアリゾナ州に戻り、この日はレイクパウエルにあるRVパークにチェックイン。翌8月9日(木)は、ナバホ・ネイション(ナバホ族居留地)にあるアンテロープキャニオンの写真ツアーに参加しました。

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 アンテロープキャニオン、旅行前に友人のデザイナーさんからおススメスポットとして聞いていた場所。ガイドブックを見たら絵画のように美しい峡谷だったので、一眼レフの充電バッチリ、電池の置き忘れもないよう入念チェックしていざ出陣。

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 ツアー会社の受付では、出発前にこんなパフォーマンスも見せてくれました。

 

 

 

 

 

 

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 ナバホ族のガイドさんが運転するツアー専用車はトラックの荷台に長椅子をのっけただけ。これで、砂漠の凸凹道を猛スピードで走るものだからビビりまくり。同乗したインド人ファミリーの子どもたちはキャッキャキャッチャと大喜びです。…私はひたすら遊園地のアトラクションに乗っているんだと言い聞かせてました(笑)。

 途中、エンコしたツアー車からお客さんを拾ったので、おしくらまんじゅうの満員電車状態。エンコしたまま放置されているImgp0477車を何台か見掛けました。・・・日本の観光地だったら大問題になるのでしょうけど、ここは、なんというのか、とにかくお客さんたちも「しゃ~ね~なぁ」って感じでみな大らかです。

 

 

 

 

 

 アンテロープ・キャニオンは、ロッキー山脈が隆起したときに出来たコロラド台地の一部。モンスーンの時期に、周辺の柔らかいナバホ砂岩を鉄砲水が侵食し、岩を削り、砂をまきあげ、不思議な形状を象りDsc00725
ます。内部は毎年の雨量によって変化し、幅が狭くなったり広がったりするそう。1931年にナバホ族の12歳の少女によって発見され、牛やアンテロープ(カモシカ類)などの家畜を放牧しては冬場にシェルターとして活用していました。

 1990年代になって観光地化され、ナバホ・ネイションにとって貴重な観光収入源となったそうです。ちなみに彼らはこの地をツェー・ビガニリニ(Tse bighanilini)「水が岩を流れる場所」と呼んでいます。

 

 

 

 

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 内部は全長150メートルぐらいなんですが、写真を撮りながら40分ほどじっくり廻りました。以下は写真でお楽しみください。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

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 高いところで30メートルぐらい。

 

 

 

 

 

 

 太陽光を撮るなと注意されたけど、どうしても上を見上げたくなるんですね・・・。

 

 

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 この天井、ハート形になってます?

 

 

 

 

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 ここにもしっかり喜久醉一升瓶を持ってきました。ナバホ族のガイドさんが「なんじゃそれ?」と聞くので、妹の夫ショーンが「日本の貴重なレジェンドボトルだ」と応えてました(笑)。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

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 赤色を強め、太陽光がスポットライトみたいに射し込む瞬間を狙いました。ガイドさんが砂を捲き上げてくれて、スモークのような効果も。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

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 一緒に廻ったインド人ファミリーの奥さんが、光を掌に受けるポーズを取っていたので、とっさに白黒モードにして横からカシャリ。

 彼女に見せたら恥ずかしそうに笑ってました。連絡先が判れば送ってあげたいんだけど、名前も聞かず、別れてしまいました・・・。

 

 


夏版!酒と匠の文化祭参加御礼

2012-08-26 10:24:22 | しずおか地酒研究会

 昨日25日(土)、藤枝市文化センターで『夏版!酒と匠の文化祭Ⅲ』を無事、開催しました。8月最後の週末でお忙しい方も多かったと思いますが、予想以上に多くの方に来ていただき、楽しい楽しい“オトナの文化祭”になりました。開催に向けて多大なご協力をくださった方々、ご来場のみなさまに心より感謝申し上げます。

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 藤枝市文化センターのメイン会場(大ホール)では、この日、福島復興支援イベント『OMOIYARI for フクシマ』が開催され、ステージショー、福島と藤枝の旨いもの&地酒ブースが並び、11時開場直後から多くの市民の方が集まりました。ご当地戦隊ヒーロー・Fレンジャー、今流行りの子どもたちのダンスパフォーマンス、インディーズバンドのコンサートなImgp0801
ど楽しいプログラムが展開されました。

 

 

 

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 一方、我々がお借りした小ホールでは、地酒バー・イーハトーヴォの後藤英和さんが日本酒カクテルバーを開店。11時開場直後から酒徒たちが三々五々集まってきます。初亀さんからこの秋発売予定の『秋上がり』を特別提供いただきました。

 

 

 

 

 

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 ほか、用意したのは『初亀純米大吟醸・亀』『喜久醉純米大吟醸』『志太泉開龍』『杉錦生酛特別純米』『磯自慢別撰本醸造』『若竹・鬼乙女』。

 暑いこの時期、アルコール度数を薄めてすっきりスイスイ呑めるよう、後藤さんが日本酒カクテルのレシピをたくさん用意してくださったのですが、酒徒のみなさんImgp0811
はほぼ全員、ストレートで呑んでました(苦笑)。

 

 

 

 

 会議室用の事務机と折りたたみ椅子を並べただけの地味~なバーですが(笑)、大ホールで調達したおつまみや喜多方ラーメン等を持ちこんで、どっかり座っImgp0805て動かず、すべての銘柄を制覇する酒徒たちも。若い人が多く来てくれたのが嬉しかったですね!!

 

 ちなみにこちらが後藤さん考案のカクテルレシピ。合わせる量はお好みで、いろいろ試してみてください。

 

●SAKE・ライム/ロックアイス+日本酒+ライムジュース

●SAKE・ロック/ロックアイス+どぶろく

●ドブ・ハイ/どぶろく+ソーダ

●SAKE・リッキー/日本酒+ライムジュース+ソーダ

●SAKE・トニック/日本酒+トニックウォーター

●SAKE・フィズ/日本酒+レモンジュース+サイダー

●SAKE・バック/日本酒+レモンジュース+ジンジャーエール

●SAKE・カルピス/日本酒+カルピス+ソーダ

●SAKE・オレンジ/日本酒+オレンジジュース

●SAKE・アップル/日本酒+アップルジュース

●SAKE・ピーチ/日本酒+モモの果肉(みじんぎり)

●SAKE・梅ハイ/日本酒+梅酒+ソーダまたはサイダー

●酒茶漬け/水洗いした冷や飯に好みの具(鮭・梅・塩から等)をのせ、キンキンに冷やした酒を注ぐ。

●酒しゃぶ/出汁のかわりに酒で肉・魚・野菜をしゃぶしゃぶする。沸騰させてアルコールを飛ばす。

 

 

 私はこの中で、日本酒をレモンジュースとジンジャーエールで割った「SAKEバック」をいただきました。とっても呑みやすくて爽快で、これなら日本酒が苦手という女子たちにも薦められる!と思いました。

 

 

 

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 『吟醸王国しずおかパイロット版』は11時30分、12時40分、17時30分の3回上映。國本良博さんの『酒と命の朗読会』は15時から1時間余り。いずれもお客様には、映像や朗読に登場する酒蔵の酒を呑みながら鑑賞していただきました。

 

 國本さんの朗読会には、初亀、喜久醉の蔵元も駆けつけてくれました。「朗読に登場する蔵元さんと、書いたスズキさんの目の前で國本さんが読んで、その酒を呑みながら聴くってものすごい体験です・・・!」と興奮した参加者もいて、とても嬉しくなりました。そういう愉しみ方が出来るのが地酒の良さなんですよってお返事しました。

 

 初亀の橋本社長は発売前の貴重な酒を試飲用に提供してくださり、喜久醉の青島専務は終了後にスタッフ慰労会を催してくださいました。本当にありがとうございました。

 

 

 酒の味わいをストレートに愉しむ、アルコール度をおさえて呑みやすくする、映像や朗読で理解する、そして造り手・売り手・呑み手が直接語らう・・・地酒の魅力を共有する方法はいろいろあります。微力ながら、これからもいろいろな方法で、柔軟に発信していこうと思います。

 

 そして、少しでも映画完成に近づけるよう、協賛者の獲得に努め、これまで支援してくださった方々のご恩に報いたいと思っています。本当にありがとうございました。