あんだーせぶん

まゆ子「……異常気象なんじゃないの? 太陽が増えてるとか」
ニア  「その発想が異常だと思うよ」

サンタクロース

2005-12-22 01:09:21 | Diary_7
クリスマスのことを聖夜なんて言ったりする。確かに、キリスト教に置ける一大記念日ではあるのだけど、俺の知る限りバチカン市国ぐらいなもんじゃね?キチンと聖夜してるのってさ。少なくとも日本じゃ、ちびっ子は物欲を、大人は性欲を満たすためのお祭りと化しているよね。むしろ「聖」の字からもっとも離れている日じゃん。でも、この欲望を満たすっつうのは大事なポイントで、それゆえ世界中で愛されている行事になっているわけだ。やっぱ死後より現世利益の方が分かりやすいしね。

さて、サンタクロースも俺にプレゼントをくれなくなって久しいが、ふと気づいたことがある。よくサンタクロースの事を略して「サンタさん」なんて言ったりするじゃん。でも、考えてみると元々サンタクロースは「聖ニコラウス」から来てるわけで、サンタとは要するにイタリア語の「聖」のことだ。つまり「サンタさん」ってのは「聖さん」ということになる。ただでさサンタクロースでニコラウスの原型が無くなっているのに、サンタさんになるとかろうじて残っていた名前の残骸すら消滅するのか。可哀想に…。もっとも俺はこの「聖さん」に気づいたときに、大学に入った前ロサ・ギガンティアを連想して一人嬉しくなっていたんだけどね…。

この「聖さん」に気づいてから、俄然元ネタの聖ニコラウスさんに興味が出てきていろいろ調べてたんだけど、意外な素顔が見えてきてちょっと面白かった。

まず、ニコラウスさんの地元。俺はてっきり北欧の人間だとばかり思っていたんだけど、彼は実はトルコ人だった。まぁ正確にはローマ帝国人ってことになるけどね。今までは北欧人だとばかり思っていたから、少なくとも中世以降の人間だと想像していたんだけど、これも違ってた。ローマ帝国でキリスト教が弾圧されている時期から生まれていたことが判明。原始キリスト教の頃からいる筋金入りだったのよ。

で、このニコラウスさん、さすが筋金入りだけあって実は結構武闘派だ。キリスト教がローマ帝国の公認となってから、教義の統一を図るために催された、ニケーア公会議。彼も司教としてこの会議に参加していた。この会議ではキリストを神とするか(カトリック)、人間とするか(アリウス派)を決めるのが主な議題だったんだけど、キリストは神だと信じて疑わないニコラウスさん、会議中にアリウス派がキリストを神として扱わないことにキレて、アリウス派の連中をぶん殴っちまったんだ。しかもそれが問題となって会議の後で破門されてるし(その後復権)。

温和で太った、色白で赤ら顔のオッサンってのが一般的なサンタ像だと思うんだけど、実は武闘派アジア人だったとはね…。意外だったよ。ちなみに現代に広く流布しているサンタクロースのイメージは、アメリカでコカ・コーラ社が宣伝のために描いた絵が始まりとされているらしい。言われてみればなんか納得。

俺はちびっ子の頃、サンタさんの正体を暴くべく、寝たふりをして彼が部屋にプレゼントを置く瞬間を覗いていたことがある。その時見たサンタさんは、俺の親父そっくりだったのよ。あの時俺は「あぁ、サンタの正体は親父だったのか。やっぱりなぁ」と思ったりした。仲間内でも年を追うごとに「サンタ=親」説が主流になっていった。しかし、真実のサンタ像を知った今、改めて俺が見た「親父そっくりのアジア人」について検証する必要があるかもね。