東京ナイト

旅行、食事、映画にお芝居、日々のささやかな幸せを記録します

丸山清人さんのペンキ絵制作見学

2009-11-21 02:07:57 | 銭湯
今日は朝からペンキ絵師、丸山清人さんのペンキ絵制作を見学。
西荻窪の天狗湯さんで。

もうひとりのペンキ絵師、中島盛夫さんの現場は見学させてもらった事があったけれど丸山さんは初めて。
描き方や道具など、ずいぶん違って面白かった。
丸山さんらしい、静かな雰囲気の富士山は、これはこれで美しく素晴らしいもの。
いつもニコニコ笑っている丸山さんだけれど、画を描くときは(当然ながら)真剣そのもの。集中するのであんまりお腹もすかないそうだ。
いつもお昼時になるとお腹がぺこぺこになる我が身と引き比べてその集中力に驚かされる。

そのあと、ペンキ絵再生プロジェクト(仮称)メンバーも集まり、丸山さんと軽く打ち合わせ。どんどん話が進んでいく。これもホントに実現しそうな勢い。

あ、あと銭湯の看板宣伝の会社、「背景広告社」の方とも偶然この銭湯でお会いする。せっかくなので、いろいろ興味深いお話を聞かせてもらった。

という訳で、なかなか貴重な機会でとても楽しかったです。丸山さんの絵を見に、ぜひ天狗湯さんに行ってみてください!


「光の教会 安藤忠雄の現場」

2009-11-18 07:38:19 | 
本は「光の教会 安藤忠雄の現場」



大宅壮一ノンフィクション賞受賞作。
著者の平松剛さんの本は、以前、「磯崎新の「都庁」―戦後日本最大のコンペ」というこれも建築がテーマのものを読んでいた。「都庁」も非常にスリリングな話で面白かったが、巨大な建築物のコンペの話なので、身近な感じはしなかった。だからこそ面白い部分もあったのだけれど。

で、この本。
大阪茨木に建つ一軒の教会がいかに作られたか、というノンフィクション。もともと構造をやっていた著者が書いただけあって、具体的で、でも門外漢にも分かるような内容。というか、「建物を建てる楽しみ」に憑かれた男たちの物語。
建築家・安藤忠雄のことはもちろん、事務所のスタッフ、施工を担当する工務店の社長と現場監督、それに施主である教会関係者、それぞれを丁寧に取材し、それぞれから見た「ひとつの建物が出来るまで」のドキュメンタリー。

例えば、教会関係者は、かなり強引に設計を進める建築家に不満を感じていたり、そんなことは織り込み済みの建築家は、それを何とかなだめながら、自分の芸術家気質を通そうとするし、、、。

でも何より感動したのは、工務店のスタッフたち。
今回は、教会に予算が全くないので実は赤字の物件。時はバブルの時代。みんなが金儲けに奔走している時、突拍子もないことを思いつく建築家や、毎日現場をチェックしに来る牧師さんの要求に応えつつ、難しい物件を情熱を持って仕上げていく姿には、なんだか胸が熱くなった。

建物だけじゃなく、「なにかを作る」という事の楽しさを改めて感じることのできる素晴らしい作品。オススメ!

「ウンコに学べ!」

2009-11-16 21:21:42 | 
本は「ウンコに学べ!」(ちくま新書)。



先日あった、糞土師・伊沢正名さんのワークショップ以来、すっかりウンコづいています・・・。
で、この本、目からうろこの名著です。
有田正光さんという環境水理学の専門家と、石村多門さんという哲学の先生の共著ですが、非常に示唆に富んだ読み応えのある本。
「ウンコを通じて考えた現代社会の問題点」という、伊沢正名さんの主張にも通じる内容です。

まず、水洗トイレで流したあとのウンコがどのような運命を辿るのかが解説されます。
なんとなく、下水処理場で処理されるんだろうと曖昧に考えていましたが、驚くべきことに、なんと毎日560万人分の糞尿が、何の処理もされぬまま海洋投棄されているそうです。下水処理場に運ばれたものも、いろいろ問題があり、消毒剤と化合してトリハロメタンなどの有毒物質を発生させたり、高栄養の下水処理水を川に流すことによる富栄養化が問題になっていたりするそうです。

では、どうしたらよいのか?
解決の糸口は「水田」にあるとこの本は主張します。
戦前まで、日本を含むアジアではウンコを肥料として使う事が当たり前にされていたそうです。水田は畑と違い、連作が可能で、アジアでは1000年を超えて使われ続けている水田もあるとか。まさに「持続可能な開発」の理想形な訳です。
そこに、人間が奪った命の残りであるウンコを撒くことによって、命の循環が生まれるのです。

まさに井沢さんが、21世紀に入ってから一度もトイレを使わずに実践してきた事の理論的な裏づけが、この本には書いてありました。

他にも、「ウンコに学ぶ環境論理」や「日本人とウンコ」など示唆に富む記述がたくさん。
先日紹介した井沢正名さんの「くうねるのぐそ」と合わせて読むと、さらに理解が深まるはず。オススメです!

稲荷湯@浦和

2009-11-15 08:50:41 | 銭湯
クライミングの後は、歩いて浦和駅そばの稲荷湯へ。



浦和の繁華街からちょっと入った立地にある、破風の構えも素晴らしい伝統的銭湯。
フロント式。
土曜日の暗くなった頃だったのですが、お客さんもまずまずの入り。中も格天井の立派な造りですが中普請をしています。ペンキ絵も無く、代わりにミッキーとミニーの絵?が飾られていて、なんだかほほえましい感じです。
男女境の壁にも、これもあまり見たことのない絵(沐浴するミューズたち)が飾られていてユニークです。
浴槽も一部が壁で区切ってあり、中には檜風呂が。

脱衣所には、一人用のサウナも設置されていましたが、こちらは電源が入っていませんでした。女湯にもこのサウナがあって、中の椅子には人形が置かれていたみたいです。


という訳で、浦和駅そばにあるちょっとユニークな銭湯。
銭湯を出てから浦和に行く途中も、魅力的な飲み屋さんがたくさんあって心惹かれました。浦和、なかなかよい町です。

インドアクライミング

2009-11-15 08:40:18 | 山のぼり
昨日は浦和にあるクライミングジムでインドアクライミング。
天気も悪かったので、山に行くのはやめてこっちにしたのですが、それが大正解。

久しぶりだったので、例によってあんまり登れなかったのですが、それでもじゅうぶん楽しめました。
でもショックだった事がひとつ。5人位で行ったのですが、たまたまスリムな人ばかりで、僕が一番、体重が重い様子。で、スリムなみんなにビレー(下でロープを使って確保してもらうこと)してもらったのですが、僕が滑落すると、その重さに耐えられず、下のビレーヤーがみんなバランスを崩してしまう出来事が・・・。
最後は、みんなその危ういバランスを体感するため、僕のビレーをやるのが楽しみになってしまいました・・・。うーむ。

という訳で、久しぶりのクライミングジムでしたが、面白かった。
あとお客さんの多さにビックリ。初心者の方も多くいて、みんな楽しそうに登っていました。すっかり趣味として定着したようです。


銭湯活性化に関する秘密会議

2009-11-14 08:41:03 | Weblog
昨夜は、麻布某所で銭湯活性化に関する秘密会議。
まだ詳しいことは公開できませんが、具体的なアクションとして銭湯活性化に関わっていこうというプランを話し合いました。

これまで何度も「銭湯ナイト」を開催してきました。楽しかったし、いろいろなつながりも生まれ良かったのですが、イベントという性格上、準備に時間がかかる割りに、一過性に終わってしまうもどかしさも感じていました。
今回の企画は、実際に銭湯をもっと楽しく、魅力的にするプロジェクトです。話し合っているうちに、だんだん夢が膨らみ、最後はすごいことになってきました。

なんだか秘密めかした書きかたで申し訳ないのですが、まもなくこのブログでも詳細が発表できると思います。お楽しみに!

話し合いの後、先日の糞土師・伊沢正名さんのワークショップの話もしたのですが、意外なほど面白がってくれました。やっぱりかなり革命的な発想なんだなと、改めて認識しました。こちらも近いうちに何らかの形でイベント化したいと思っています。

という訳で、なんだか曖昧な日記ですみません・・・。

「東京都北区赤羽 2」

2009-11-13 07:43:04 | 
本は「東京都北区赤羽 2」。



清野とおる、という人の赤羽周辺の変な出来事を描いたドキュメンタリー漫画。
この人のブログを時々読んでいるけれど、あまりも不思議な出来事が頻発しているので、赤羽根周辺の磁場はおかしいのでは、と疑っていた。
ようやく単行本でまとまって読んでみたけれど、やっぱりその疑いが深まった。
あんまり変な人ばかり出てくるので、登場してくるゆるすぎて、ダメダメで、でも楽しそうに生きている赤羽住民の実在を疑いそうになるけれど、時々、漫画に写真が挿入されているので、どうやら実在はしているようだ。

うーむ赤羽、恐るべし!
でも楽しそう。続編も楽しみだ。
第1巻の紹介はこちら。
http://blog.goo.ne.jp/mask1970/e/65011582f62a3eb0f6f5347816b3711a

「日本宗教事典」

2009-11-12 00:10:51 | 
本は「日本宗教事典」
村上 重良という宗教史学者の書いた日本の宗教史。



宗教関係の本は興味があって、時々読んでいるが、いまひとつ通史が分かっていなかったので参考のために読んでみたら、これがすこぶる面白かった。

本の半分はは古代宗教から中世までの解説。
原始宗教や神道にも触れられているけれど、主に仏教の分派の歴史が淡々と描かれている。最初は貴族の宗教だった仏教が、分派を繰り返しながら、だんだん民衆に近くなっていく過程がよく分かった。

これだけでも、これまで知らなかった知識が身についたが、この本のもう半分は新宗教について書かれている。これがかなり面白かった。宗教史なのに、その半分が新宗教というのもビックリだが、大本、天理、霊友会、立正佼成会、創価学会とさまざまな新宗教の成り立ちを、主に教祖の人生を紹介することで解説している。

どの宗教もその教祖はかなりすごい人生を送っているのがわかる。
最初は、教祖も「貧、病、争」のどれかに悩み、既存の宗教に入って救いを求める。そのうちその枠には飽き足らなくなり、ある日、神の啓示を受けて、分派独立すると言うパターンがほとんど。どの教祖もあまりにも同じような話なのに驚く。
また、いろんな宗教を渡り歩いている人も多い。これは当時の民衆の姿そのものだったのだろう。ご利益を求めて、または苦しみから逃れるために、とにかく効きそうな神様にすがりつく。それだけ厳しい時代だったのだろう。

という訳で、なかなか興味深い事典でした。

「東京サイハテ観光」

2009-11-10 00:06:40 | 
本は「東京サイハテ観光」。
写真家、中里和人さんと体験作家の中野純さんが「散歩の達人」に連載していたもの。



ふたりのコンビは、これまでもいろいろな本を出しているけれど、この本も刺激的で面白かった。
内容はタイトル通り都内近郊に点在する「サイハテ」をふたりが旅するんだけれど、取材地が、まさにサイハテ感漂うディープな場所ばかりで、とても感心した。
例えば、千葉房総の手掘りの穴を見に行ったり、奥久慈に火打石を拾いに行ったり、墨田区の町工場の煙突を見物に行ったり・・・。
タイトルだけ見ると、けっこうトホホな感じだけれど、中里和人さんの写真が素晴らしいので、何とも魅力的に思えてくる。
なんと言うか、ふだん過ごしている東京の時間と違った時間感覚が味わえそうな魅力に満ちている。

実際に行ってみたらすごく面白そう。ただ、誰と行くかが重要だけれど。
まずは奥久慈に火打石を拾いに行くか、吉見百穴をもぐりに行くか、、、。
週末の計画を練るのが楽しくなりそうな本でした。

糞土師・伊沢正名さんのワークショップ

2009-11-08 22:15:11 | イベント
今日は、所属している高尾の木こりグループに特別ゲストを招いてのワークショップ。
テーマは「野糞」。
ことし、『くう・ねる・のぐそ 自然に愛のお返しを』という衝撃ののぐそ本を出版された伊沢正名さんに、のぐその理論と実践をじっくり教えてもらった。

井沢さんはもともと著名なキノコ写真家。しかし今はキノコ写真を撮るのを止め、自ら「糞土師」(ふんどし)と名乗って、のぐその正しさと素晴らしさを啓蒙するための活動を行っている。



井沢さんによると「のぐそ」は生き物の命を奪って生存している人間が、自然界にその一部を栄養素としてお返しするための重要な行為。
しかし、現在、トイレの水洗化が進み、のぐそ未経験の人も多い。人間の糞尿を処理するためには、様々な薬品やエネルギーを使う必要がある。

そもそも命の循環システムを考えると、人間の糞尿という、自然界にとっての大切な栄養素を、わざわざエネルギーを使って自然に還元せずに廃棄処理してしまうのは、あまりにももったいないと井沢さんは言う。

長年、キノコの写真を撮りながら、森の分解者と呼ばれるキノコの役割を観察してきた結果、森の中での命の循環システムの素晴らしさに気がつき、ひるがえって、もっと大きな生態系、つまり人間もその一員である地球全体の命の循環システムの不自然さの象徴として、人間の糞尿処理の問題点に行き着いたのだとの事。

その実践としての、のぐそ活動を長年に渡り続けていて、21世紀になってからまだ一度もトイレでうんこをした事がないという極め付きの猛者である。口先だけの「エコロジスト」が裸足で逃げ出すような凄みがある。

でも、そうした使命感だけで、のぐそを続けているわけではないと井沢さんは言う。
「やってみると、のぐそは楽しくて気持ちがいいんです」と実に楽しげに教えてくれた。楽しくのぐそを行うためのポイントは、「葉っぱ選び」。出した後、お尻を拭くための葉っぱにはこだわりがあり、細かくこれまで使ってきた葉っぱを分析している。

実際、僕も今日、井沢さんオススメの葉っぱを使ってみたが、ベルベットのような肌触りで本当に気持ちが良い。ちゃんとペットボトルの水も使うので衛生的にもばっちり。

という訳で、単にのぐその作法だけでなく、その先の命の循環システムにまで思いを至らせてくれた非常に衝撃的なワークショップだった。

*写真は井沢さん持参の優れものの葉っぱの数々(乾燥したキノコもある!)。


*井沢さんの著書『くう・ねる・のぐそ 自然に愛のお返しを』の紹介はこちら。
http://blog.goo.ne.jp/mask1970/e/ce0352b2370d7712bb8ea3f82c02852c
http://special.yamakei.co.jp/noguso/index.html