東京ナイト

旅行、食事、映画にお芝居、日々のささやかな幸せを記録します

白川温泉

2009-07-30 07:46:29 | 銭湯
で、京都ではもう一軒、「白川温泉」にも行きました。
京都北部、北白川に位置する洋風銭湯。今回のツアーの締めにふさわしい素晴らしい銭湯でした。何しろ入り口がこんな感じです。



どこのお屋敷か、という感じで小道を上がっていくとすぐに銭湯としては特異な洋風の建物が! かっこよすぎます!



中も見所満載。マジョリカタイルとか細かい部分も見飽きません。
お風呂場はこんな感じです。


ただ、お客さんがいない・・・。
番台では上品な女将さんがぽつねんと「白黒テレビ」を見ています。番組も政治討論番組というのがいかにもこの銭湯らしいと思いました。
もう一度訪問したい心に残る名銭湯でした。

里の湯@京都

2009-07-30 07:22:11 | 銭湯
京都は銭湯がたくさんある街。
個性的で素晴らしい銭湯が多いのですが、今回は前日の銭湯イベント「ふろいこか~」で紹介されていた「里の湯」に行くことにしました。
ポイントは「人間洗濯機」・・・。一体どんな装置なのでしょうか??

叡山電鉄一乗寺駅から続く小さな商店街から続く細い路地の奥に里の湯はあります。ちなみにこの商店街には恵文社一乗寺店という有名な本屋さんがあり、今回も2時間ほど滞在してしみました。

で、里の湯。外観はこんな感じ。


入り口にはかわいらしい傘立が。


番台式。
昭和50年代位の建物でしょうか? こじんまりした銭湯です。
浴室はいろんなお風呂が揃っています。バリエーションの豊富さが関西銭湯の特徴でもあります。で、一番奥にお目当ての「人間洗濯機」が!



円形の浴槽にジェットがいくつも設置されていて、右回りに回転する水流が発生しています。ここに入ると自然と体がぐるぐる流されていく。まさに「人間洗濯機」。良くぞ名付けたものです。お客さんがいないときを見計らって浮いてみたりして洗濯機を堪能しました。水流が強いのですごいです。

と言う訳で関西らしいユニークな銭湯でした。

大本@綾部

2009-07-29 08:04:27 | 旅行
綾部市では小西屋という老舗の料理旅館に泊まりました。



この旅館、ネットで検索してもほとんど情報がなく不安だったのですが、歴史のある旅館で落ち着けました。女将さんもとても気さくで綾部の街の歴史をずっと教えてくれました。で、綾部と言えば「大本教」。
昔から宗教的聖地を訪れるのが好きで、世界中の聖地にいろいろ行っています。日本でも伝統的宗教から新興宗教までけっこう訪問しているのですが、今回はかの有名な大本の聖地。かなり楽しみでした。
大本の説明はこちら。
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E5%A4%A7%E6%9C%AC

翌朝、朝の4時半に起きて朝のお勤めを見学するため、小西屋からもすぐの梅松苑に。
しかし、誰もいません・・・。後で調べてみるとお勤めは6時からだったとのこと。残念。
しょんぼりしながら一旦、帰って朝食後、もう一度、参詣することにしました。

大本教は戦前、政府から大弾圧を受け、綾部の本部も徹底的に破壊されました。現在は復興し、10年ほど前、日本最大の純日本建築物と言われる長生殿も建てられています。





ちょうど、上の写真の、みろく殿と言う建物で信者さんの参拝の儀式が行われていました。事務所の方に伺うと、ぜひ見ていってください、と仰ったので見学させてもらいました。親子三代、小さな子どももちゃんと参拝しているのがほほえましかったです。
他にも、何人かの信者の方と話したのですが、みなさんとても気さくで気持ちの良い応対をしていただいたのが心に残りました。



こちらが長生殿。建てられてから10年以上たつのですがまだ檜の香りが漂っています。大きさがカメラのせいもあってうまく伝わりませんね。奥行きもずいぶんある巨大な建物でした。
と言う訳で、大本の聖地訪問。梅松苑はとても手入れが行き届いていました。背筋のピンと伸びた礼儀正しい信者さんの姿が印象的でした。

松本湯@綾部

2009-07-28 08:08:46 | Weblog
福知山から今度は綾部に移動します。
綾部にも銭湯が二軒あるのです。

お目当てが松本湯。



ムクリ破風も凛々しいレトロな佇まい。玄関脇の松も良い感じです。「松本湯」にかけているのでしょうか。暖簾は東京より長い関西タイプ。東西で暖簾の長さが違うのも面白いところです。

中に入るとこんな感じ。渋いです。


ちょうど夏休み中の子どもたちの一団が入浴中。たぶん初めて銭湯に来たらしくみんな「石鹸がない」と大騒ぎ。彼らの記憶にこの銭湯が残ることでしょう。

と言う訳で、この日はやたらに銭湯に入ったので多少記憶が混乱しているのですが、旅先であって欲しい素敵なレトロ銭湯でした。

あ、綾部にあるもう一軒の銭湯は一の湯。
こちらもカラスの行水だったのですが、ちょこっと入ってきました。設備充実の銭湯で、けっこうお客さんが入っていたのが印象的。

櫻湯@福知山

2009-07-27 07:27:34 | 銭湯
すみません更新サボってしまいました。

で、この週末もいろいろあったのですが、まずは先週の旅行の続き。
福知山にある関西有数の名銭湯「櫻湯」です。



この銭湯は、東京銭湯ナイトで、「関西銭湯VS東京銭湯」をやった時、関西銭湯のエースとして紹介されていました。で、その時以来、ずっと訪問したかったのです。
実際に訪れてみると、本当に感涙ものの名銭湯でした。

福知山には、2軒の銭湯があり、もう一軒の「ごりょう湯」はお休み。
で、櫻湯は駅から10分ほど。商店街から一本入った住宅街に位置します。昭和初期に建てられ、元々は唐破風造りだったらしいのですが、戦前に洋風っぽく改装。以来この佇まいのまま営業を続けています。まさに文化財が現役で残っているわけです。

この銭湯の特徴は、まさに僕好みなのですが、小ぶりで手入れの行き届いたレトロな銭湯と言うこと。
例えば玄関にある灯り。かわいすぎます。


で、中に入ると脱衣所もこんな感じ。下段の柳行李が美しいです。


さらに浴室は・・・。


と言う訳で、櫻湯は細かいところが全てキュート。手入れも行き届いていて素晴らしすぎます。ご主人はけっこう若くて、この銭湯の歴史や福知山のことについてずいぶん教えてくれました。
この日は午前中に関西の奥座敷と呼ばれる城崎温泉に行ってきたのですが、しょうじきあの程度の温泉であんなに観光客を集められるなら、「福知山名物・櫻湯」としてこの銭湯をもっともっと宣伝すればよいのに、と思いました。
お客さんがもっと入って、いつまでも営業を続けて欲しいと願うばかりです。

京極湯@豊岡

2009-07-24 01:04:22 | 銭湯
で、植村冒険館のあとは、山陰線で二駅の豊岡へ。
ここはカバンの町。なんと日本のカバン製造の半分以上がこの町で作られているとの事。小さな町なのに驚きです。
昔ながらの建物がかなり残っていてぶらぶら歩いているだけでけっこう楽しめます。結局、コンクリート打ちっぱなしのシックな専門店でカバンを買いました。

ここ豊岡には銭湯が二軒。
「小川湯」は生憎の定休日でした。



でももう一軒の京極湯は営業中。
飲み屋街の一角にあるかなりのレトロ銭湯です。

注目は「湯」の文字の入った瓦。渋いっす。



建物もこんな感じ。



木製のロッカーには「い、ろ、は・・・」と番号が振ってあります。お客さんもそれなりに入っています。
レトロで、でも町の中でちゃんと機能している小ぶりな良い銭湯。
いいですね~。旅に来た、という気分が実感できる瞬間です。

お風呂から出た後は但馬牛を食べたくて焼肉屋さんに入ったのですが、あの値段だったらたぶん但馬牛ではなかったかもしれません・・・。美味しかったけど。

「植村直己冒険館」

2009-07-24 00:56:01 | 旅行
関西旅行の第一日目は兵庫県日高町にある「植村直己冒険館」に行ってきました。



日高町は植村直己の生まれ故郷。彼の探検の道具などを陳列した小さな施設です。
学生の頃、彼の書いた本を何冊も読み、熱い気持ちになりました。
今も彼の書いたこんな文章を読むとワクワクしてきます。



それにしても、30年前の装備の貧弱なこと。これであの冒険の数々を成し遂げてきたとは本当にすごい。
小さな施設でしたが、蔵書を読みふけったりしてほぼ一日過ごしました。
周りののんびりした田園風景の中、こんな施設で一日を過ごすのも贅沢なものです。

関西の銭湯イベント「ふろいこか~」レポート

2009-07-22 23:20:53 | イベント
と言う訳で、この連休は3泊4日で但馬と京都に行ってきました。
メインの目的は、このブログでもお知らせした関西の銭湯イベント「ふろいこか~」見物。他にも博物館に行ったり但馬の激シブ銭湯を巡ったりものすごく濃い旅行になりました。

その模様はすこしずつこのブログでもアップしていきますが、まずは「ふろいこか~」のレポート。

7月20日17:00、京都の名銭湯「錦湯」の脱衣所は超満員。少し遅れていったのでもう座る場所もありません。会場には町田忍さんはじめ東京から駆けつけたメンバーも数人いてその隙間にもぐりこませてもらいました。

イベントの内容は松本康治さんと林宏樹さんのふたりによる「京都銭湯VS大阪銭湯」対決とか、「美章園解体記録」や京都銭湯部の活動報告、錦湯のご主人、長谷川さんのパフォーマンスやアメリカから駆けつけた錦湯ブラザーと銭湯アイドルERIKOちゃんの掛け合いなど盛りだくさん。
3時間以上のイベントでしたが、あっという間に終わった気がします。





最後は、厚かましくも打ち上げにまで参加して、東西銭湯界の交流を深めてきました。

で、思ったのが「東京銭湯ナイトはまだまだ」、という事。
一番感じたのが、「美章園解体記録」や京都銭湯部の活動のように、単なる一過性の「お祭り騒ぎ」だけでなく実際に銭湯をテーマに活動をしている人たちのすごさ。
また、今回、舞台に出て発表した人だけでなく、常連さんや銭湯ファンのネットワークが機能している気がしました。錦湯のご主人も自分が率先してそんなネットワークに場を提供していたり、楽しみながらきちんと形にしているのはホントすごいです。で、単なる内輪ウケじゃなくイベントとしてのレベルも高かったし。

僕たちの「東京銭湯ナイト」が何を目指して、どこに行こうとしているのか、もう一度考え直さなければいけないなと、深く思った次第です。
とにかく刺激的な夜でした。

「現代・河原乞食考―役者の世界って何やねん?」

2009-07-17 07:59:43 | 
本は「現代・河原乞食考―役者の世界って何やねん?」(解放出版社)。
山城 新伍の書いた自伝のようなもの。



京都の西陣で破天荒な町医者だった父親と、かれを支える強い母親に育てられた山城新伍。でも京都と言う土地柄か、その周りには差別が満ちていた。長じて役者になった彼を待っていたのも「」と呼ばれてしまう芸能者への差別的視線だった・・・。

敬愛する若山富三郎・勝新太郎との日々を描いた名著「おこりんぼ さびしんぼ」を読んで山城新伍のすごさに気がついたけれど、この本もなかなか面白い。いろんな権威にもつい立ち向かってしまう彼のベースが、老舗の醤油屋のボンボンだったけど最後はきっちり貧乏に落ちて、でもそれを気にもしなかった不思議なキャラの父親から来ているのが分かった。
何かの連載だったのかな? もう少しそれぞれ突っ込んで書いてくれたほうが良かったと思う。ちょっとすいすい読めちゃうところが残念。

でも今何をやっているかと思って調べてみたら山城新伍、大変なことになってたんですね。糖尿病と認知症だそうです。
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E5%B1%B1%E5%9F%8E%E6%96%B0%E4%BC%8D

ちなみにカバーイラストは内澤旬子。


「生物と無生物のあいだ」

2009-07-16 22:36:18 | 
本は「生物と無生物のあいだ」 (講談社現代新書)。



この前同じ著者の「できそこないの男たち」を読んで面白かったのでこの本も読んでみた。
こちらも実に面白い。
「生命とは何か?」という大きなテーマについて科学史、著者の経験なども交えつつ分かりやすく解説してくれる。理系の人には自明のことなのかもしれないことも、僕のような文系の人間が分かるように記述する説明力は本当にすごい。この本、60万部!!売れているらしいのだけれど、その理由はこの分かりやすさにあるのだろう。

最初に偉人、野口英世の海外での評価について触れているんだけれど、現在では彼の「発見した」と称する成果はみんな間違いだったらしい。お札にもなっているだけに「えー!」と驚く。で、これを導入にして野口の「発見した」ウィルスについて「ウィルスは生物だろうか?」と話を広げていく。この辺りの何段にも重なっていく文章力は本当に痛快。

で、「生命とは動的平衡である」という結論に至るまでのドラマチックな研究競争のドラマから、著者の少年時代の体験が研究の出発点だったという「エピローグ」まであっという間に読んでしまった。
まあ生物の体と言うのは分子レベルでは常に入れ替わっていて、半年もたてば自分の体に同じものはない。でも賢い遺伝子はちゃんと同じ個体として、その生物を維持しているし、多少のミスも遺伝子の活躍でやわらかくカバーすることが出来る。生命ってホントすごいね、っていう本。

中学校の理科の先生は、こういう本を生徒に読ませるといいと思うよ。