東京ナイト

旅行、食事、映画にお芝居、日々のささやかな幸せを記録します

家具作家さんの工房オープニングパーティー

2010-05-31 07:31:21 | イベント
この週末は、友人の家具作家さんの工房オープニングパーティーでした。
二日間に渡って開催されたのですが、両日とも100人以上のお客様が来場され盛り上がりました。



家具作家さんは「タナカエイイチ」という人。
ラボラトリーという家具工房を率いる最近注目の若手です。
http://www.labo-style.com/

工房の建物も、大口径の国産材をふんだんに使い、大工さんによる昔ながらの工法で丁寧に作られたもの。
その辺りの説明を大工さん、建築家などに語ってもらう「建築ナイト」というイベントがあったり、舞踏グループ「三十日鳥」や歌い手さんの公演があったり、本当に盛りだくさんの内容で面白かったです。

こういうパーティーなら毎月開催してもらいたいくらいのアットホームで素敵な会でした。
面白かった!

「絶滅危惧種見聞録」

2010-05-29 00:56:12 | 
本は「絶滅危惧種見聞録」。
浅草キッドの玉袋筋太郎さんの書いたインタビュー集。



内容はこんな感じ。
●もつ焼き「カッパ」の大将に聞く、客商売のルールとマナー
●「新宿東宝会館」での、数々の思い出。師匠・ビートたけしの追っかけ時代、
ダンカンさんと通ったディスコ・ゼノン、江頭 2:50 との「クラブハイツ」での感動秘話
●まめ札、千社札・・・。名入れ専門店「竹内漆芸」の技術とアイデア
●全国のトラック野郎が集まる峠の食堂「一休食堂」の歴史
●身長114cm、最後の小人マジシャン・マメ山田さんの人生。
玉さんの小人プロレスの思い出もたっぷり(フランス座修業時代の浅草キッドのコントも収録)。
●個性ある本当のファッションとはなにか。目指せ、サカカジ!「サカゼン」へ急げ!
●元ポール牧のマネージャーさんが開いたスナックで聞く、最後の関東昭和芸人の世界。

玉袋筋太郎さんと言えば、「タモリ倶楽部」のお酒企画の時にいつも美味しそうにビールを飲んでいる姿が印象的。
一度だけライブも行ったことがあるけど、すごく練られた内容で実力がある人だなーと思っていた。

で、この本。
21世紀の今、絶滅寸前の「濃くて楽しいおっさんたち」を取材しているんだけれど、著者が彼らの存在を愛しているのが伝わってきて、なんだかこちらも楽しくなってくる。
人選も、著者の人生と絡む人たちがほとんどで、悪ガキ時代のエピソードも交えつつ、地元の飲み屋で愉快に飲んでいるようなスピード感が心地よい。

チェーン店の居酒屋より、家族経営のもつ焼き屋。
そんな嗜好の人が読めば、きっと気に入るオススメの一冊です。

手作りの名刺

2010-05-27 08:51:43 | Weblog
昨日、会社とは別の個人的活動用に名刺を作りました。
名刺といってもハサミで名刺の大きさに切った紙に、ハンコをペタペタ押していくだけのものですが、チープな感じで気に入っています。

社会人になってから、いつも会社の名前を名乗ってから名刺を渡していました。
プライベートな場でも名刺交換のときは会社のものを使っていてなんだか違和感を感じていました。
今回、自分で名刺を作った事でそんな事もなくなるし、1枚1枚手作りなので、大切に使うでしょう。
なにより、(少しだけ)自由になった気がして嬉しいです。

でも、こんなことで喜んじゃうサラリーマンというのは、なんとも滑稽ですね。
今夜、初めて手作り名刺を渡す予定。
ちょっとドキドキしています。

「だれも買わない本は、だれかが買わなきゃならないんだ」

2010-05-26 00:34:33 | 
本は「だれも買わない本は、だれかが買わなきゃならないんだ」。
最近よく読んでいる都築響一の書評集。かっこいいタイトルだ。



都築響一は一貫して、内面から溢れてくる「業」的な表現を評価しているけれど、書評も同じような目線で選んでいる。

中国の精神病院を取材した写真集や暴走族の写真集、訳の分からない進化を遂げたレディスコミックなど、際物として無視されそうな本を「実はこんなに面白いものが・・・」と紹介する文章は、とっておきの掘り出し物を見せる骨董品屋の親父のぴくぴく動く小鼻のよう。
で、紹介されているどの本もとても魅力的。
週に3回は本屋に足を運び、家は本であふれている状態だけれど、この書評で紹介されているほとんどの本を知らなかった。

中でも「財布の中身」という写真集の紹介が素晴らしい。
京都の美大生が、他人の財布の中身を写真に撮らせてもらうというコンセプトの写真集なんだけれど、内気な彼女がどれだけ勇気を振り絞って他人に声を掛けているのか、その情景が伝わってくる。

「知らない本をすごく魅力的に紹介する」という書評の一番大切なツボがきちんと押さえられた一冊。
また「読まなきゃいけない本」リストが増えちゃいそうだよ。

藤乃湯@蕨

2010-05-25 00:12:46 | 銭湯
朝日湯に入ったあと、商店街を蕨駅に向かって数分戻るとまたまた良い感じのレトロ銭湯が。
ふだん連荘はしないのですが、なかなか来る機会もないので、腹ごなしをしてから再訪することにしました。

「小姑娘」というちいさな中華屋さんで、ビールと餃子、それにあんかけ焼きそばを頼みます。この焼きそばが少し変わっていて、麺をぱりぱりに揚げてそれに餡を乗せてピザのように食べます。
ご主人や常連さんから蕨の銭湯事情をいろいろ伺い、いよいよ藤乃湯へ。



こちらも千鳥破風のレトロ銭湯。
朝日湯と至近ですが、こちらの方が大型銭湯で、天井も高くなっています。
格天井で、大入りの額がかかっていたりするのを見ながら浴室に。
こちらは中島絵師のペンキ絵がありました。H17作の富士山の絵。和みます。

お湯は少し熱め。
軽く飲んだあと銭湯にゆっくり入るのはなんとも贅沢。

という訳で、蕨にレトロ銭湯は二軒とも良い感じでした。

朝日湯@蕨

2010-05-24 23:57:47 | 銭湯
銭湯は蕨の朝日湯。



蕨という土地はあまり馴染みがありませんでしたが、旧街道の風情のある下町らしい土地のようで、良い銭湯もいくつか残っています。

で、駅から懐かしい感じの商店街を10分ほど歩くとあるのが朝日湯。
写真の通り、商店街からひょいと覗くと良い感じの千鳥破風が見えました。煙突も細くてかわいらしい銭湯です。

外観で特徴的なのは、「男」「女」と書かれた菱形の飾り。木製で職人の仕事と感じられます。
左右にある菱形の飾り窓もかわいらしい。

番台式。でも番台に人はおらず、男女の境を仕切るカーテン越しに女将さんが「いらっしゃい」と顔を覗かせました。銭湯料金は410円。

この銭湯、天井が低く地方銭湯の様な旅情感があります。天井には洋風の飾りがあったりして、見飽きません。小さな庭には鯉が泳いでいました。

残念ながらペンキ絵はなく、富士山のタイル絵が代わりにありました。
客足は薄いものの断続的に入ってはきます。

という訳で、僕好みの小ぶりな銭湯。なかなか風情がありました。

SEIKO「STANDARD」

2010-05-21 22:54:33 | Weblog
今月に入って家の壁掛け時計が動かなくなり、2台あった目覚まし時計も立て続けに壊れました。さらに、腕時計まで電池切れ・・・。
時計ってめったに壊れることってないと思うので、何か不吉な出来事の前触れ?とビビリましたが、気を取り直してインテリアを変えるつもりで新しい時計探しを始めました。

・・・。
でもなかなか良い時計ってないですね。
何軒もお店を巡ったのですが、「これ!」という時計に出会えず、携帯かテレビを見ないと時間が分からない日々が続きいらいらしていたところ、今日ようやく満足できる時計に出会えました。

SEIKO「STANDARD」。



美しいです。
妥協しててきとうな物を選ばなくて良かった。

深澤直人さんというデザイナーさんの作品との事。
知らない人でしたが、調べてみたら無印とかINFOBARとかに関わっている人みたい。
やっぱりさすがですね。
「デザインの輪郭」という本も書いているみたいなので読んでみなくちゃ。

「俺、勝新太郎」

2010-05-20 07:40:51 | 
本は「俺、勝新太郎」。



俳優・勝新太郎が自ら書いた「俺」の半生。
大麻で捕まった時、「総理大臣の代わりはいても、勝新太郎の代わりはいない」と嘯いた男。
前から、その破天荒な生き様が気になっていた。

山城新伍も「おこりんぼさびしんぼ」(この本もすごく面白い)という本で、勝新太郎と兄の若山富三郎の事を「ぼくは、この二人以外の影響以外、誰の影響も受けていない」と語っているが、周りの人に良かれ悪しかれ大きな影響を及ぼしてしまうとんでもない男だったんだろうと思う。

お父さんは長唄の大師匠。花柳界や歌舞伎の世界の大人たちに囲まれて育ち、いろいろなものを見てきた。
でも、優しいお母さんは大好きで、母親とのエピソードを語る語り口は愛情にあふれている。で、そんな幼少の頃の心温まるエピソードのすぐあとに、13歳で淋病になってしまった話が出てくるのが笑える。

その後は、花柳界の女性との話、中村玉緒との出会い、映画への思いなどが続くが、どのエピソードもテンポ良く書かれているのが特徴。
「間」が良いんだと思う。普通なら最初に書く状況説明がスパッと抜けていて面白い部分のディテールだけポンと語られている。こういう書き方は少し不思議。
勝の把握している世界が伺える書き方だと思う。

で、そんな破天荒な勝新太郎だけれど、山城新伍が著書のタイトルに「おこりんぼさびしんぼ」と書いたように、実はさびしがりやで猜疑心が強い半面もこの自伝からは伺える。
破天荒さも外向けのポーズの部分もあったと思う。(とは言え、もともとそんな性向は多分にあったと思うけど)

という訳で、存在感あふれる「俺」勝新太郎のパワーが感じられる一冊でした。

「もう一度逢いたい」

2010-05-17 23:28:45 | 
本は「もう一度逢いたい」。



昨年お亡くなりになった森繁久彌さんが83歳の時に書いた追悼の言葉。
美空ひばり、志ん生、渥美清、越路吹雪など、名優が「もう一度逢いたい」と思う人たちとの思い出を綴ったエッセイ。

さいきん、なんだか森繁久彌、フランキー堺など、昭和の名優が気になってしょうがない。ものすごく「濃い」感じがするから。
この本にも前述の人たちの他、谷崎潤一郎、永井荷風、昭和天皇との出会いが綴られている。国語の教科書に出てくるような文豪との、けっこう下世話な思い出(たいてい女性絡み)を、もう時効とばかりしれっと書いちゃうところが面白い。
著者は「もう何も覚えていない」と再三、書いているけれど、細かなディテールまできっちり書き込んでいて登場する人たちそれぞれの生々しい素顔が興味深い。濃くて深い人生だったんだろうと思う。
森繁映画をもっと観たいよ。

La Boucherie du Buppa@中目黒

2010-05-15 08:06:23 | グルメ
さいきん美味しいものを食べていません。
哀しい気分でいた時に「悶々ホルモン」という本を読んで、「お肉」への欲求が高まりました。

で、中目黒の「La Boucherie du Buppa」。
駅からちょっと歩きますが、「日本最強のジビエ料理店」として知られているそうで、「日本屠畜紀行」を書いた内澤洵子さんの推薦ということで期待も高まります。



で、結果は、ものすごく大満足!
お肉は食べごろが大切だろうと思ったので、スタッフの方に「オススメはどれですか?」といちいち伺って、それを食べるようにしました。
ケーキの様な見た目と裏腹なものすごく濃い味わいの「猪のブータン・ノワール」、炭火で焼いた「猪豚肉のロース」、「鹿肉ロース」、写真にも載せた「ジビエのカスレ」、フランス風に調理した「ホルモン」、、、。
調子に乗ってオススメされたものをぜんぶ食べましたが、みんな美味しく、しかも見た目のインパクトもあるので印象に残るお皿ばかり。

さすがです。
特にすごかったのは、僕達がやたら喜んでいたので、スタッフの方がサービスで出してくれた「鹿のレバーの燻製」。新鮮なレバーを火を使わず、ゆっくりスモークしただけの料理でしたが、一切れでワイン一本空けられるほどの濃厚な味わい。新鮮なお肉でないと作れないそうです。

お店の内装も、良い感じ。
店内の一番目立つ場所にガラス張りの冷蔵ケースがあり、塊肉がドンと吊るされています。すごいインパクト。

久しぶりに大ヒットなお店を見つけることが出来ました。
ブログにはいちいち書いていないですが、しょっちゅう飲みにいったりしているのですが、正直どのお店もそこそこ美味しいけれど中途半端。
やっぱりレストランで大切なのは個性とインパクトです。

という訳で、膨らんだお腹をさすりながら、歩いて自宅まで帰りました。
夜の散歩も楽しかった。