東京ナイト

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銭湯ペンキ絵公開制作のイベント、無事終了!

2010-08-22 23:56:59 | 銭湯振興舎
土曜日は先日告知した、銭湯ペンキ絵公開制作のイベントでした。

会場のアーツ千代田3331には銭湯ファン、アートファンなどが50人ほど集まり、ペンキ絵師・中島盛夫さんの筆捌きを楽しみました。
ほとんどのお客様が、ペンキ絵の制作を見るのは初めて。
中には本物の「ペンキ絵」を見るのも初めてというお客様もいらっしゃいました。

こちらは、田中みずきさんの作品。


で、せっかく描いたこの田中さんのペンキ絵の上に、中島さんがパパッと描いたのがこちらの絵。


ペンキ絵の宿命とは言え、なんだかちょっともったいない気もしましたが、2時間弱で無事、公開制作は終了。
いつもの事ながら中島絵師の華麗なペインティングは本当に鮮やかです。
僕も進行役をやりながら、しゃべることも忘れて見入ってしまいました。

会場で募集したペンキ絵広告(後日発表します)にも応募したい、興味がある、という方がさっそく何人かいらして、銭湯振興舎のはじめてのプロジェクトとしては上手くいったと思います。

暑い中、お越し頂いた皆様、どうもありがとうございました!

銭湯ペンキ絵公開制作のお知らせ

2010-08-19 00:00:45 | 銭湯振興舎
【アーツ千代田3331(東京・外神田)にて、中島盛夫絵師による銭湯ペンキ絵公開制作(2010年8月21日)のお知らせ】
(既にお知らせしていますが、いよいよ土曜日です! ぜひ!)



8月21日(土)、15:00~17:00に、銭湯ペンキ絵師の中島盛夫さんによるペンキ絵の公開制作を行います。
会場は「アーツ千代田3331」というアートスペース。

今回は、美術に興味のある方に対し、ペンキ絵を知っていただくために開催を決定いたしました。
本物の銭湯ではなく、美術展の会場が舞台ですので、いつもと雰囲気が違うと思いますが、中島絵師の仕事振りは本当に見事。
ペンキ絵に興味のある方、お見逃しなく!

・会場
3331 Arts Chiyoda
〒101-0021 東京都千代田区外神田6丁目11-14

東京メトロ銀座線末広町駅4番出口より徒歩1分
東京メトロ千代田線湯島駅6番出口より徒歩3分
JR御徒町駅南口より徒歩7分
JR秋葉原駅電気街口より徒歩8分

・閲覧費
無料

★★★
なお、今回のイベントは、アーツ千代田3331にて開催中の「3331Presents TOKYO:Part2」展に関連したイベントとなっています。
先日、アーツ千代田3331に事務所を構え、有志と銭湯をさらに楽しむための活動を行うための団体「銭湯振興舎」を立ち上げました。今回入居団体による団体展として展覧会が開催されておりますので、公開制作にあわせて、ご覧いただけましたら幸いです。

「3331Presents TOKYO:Part2」展
・開催期間 8月7日(土)~29日(日)
・会場時間 日~木曜12:00~19:00、金~土12:00~20:00
・休会場日 毎週月曜、14~16日
・入場料 無料

『ぼくは都会のロビンソン―ある「ビンボー主義者」の生活術』

2010-08-18 07:25:18 | 
本は『ぼくは都会のロビンソン―ある「ビンボー主義者」の生活術』(東海教育研究所)。



著者の久島 弘さんは僕の木こり仲間です。
彼の紹介で「くうねるのぐそ」を書いた糞土師・伊沢正名さんと出会い、「東京うんこナイト」につながったりもしました。
久島さんはいつも飄々としていて、気負うところがなく、少し不思議な人。
で、極め付きのビンボーで、そのビンボー生活を満喫しているライターさんです。

そのビンボー生活の達人が書いた「生活術」がこの本。
例えば、無農薬の野菜を、圧力鍋できちんと時間を計りながら蒸すと、野菜の旨味が最大限に発揮されてすごく美味しくなる方法が書いてあります。
読んでいるだけで素材を生かした料理が食べたくなるような方法です。
これは、ビンボー生活初期の頃、偏った食生活を続けていて栄養失調になりかけた事から、料理を徹底的に研究し、何個も鍋を試し、料理本も無数に読んだ末にたどり着いた料理法。

料理に限らず、久島さんのやり方は、ひとつの事にこだわると、それを徹底するまでこだわりぬいて、ひとつのスタイルを確立する事。
別に消費することに喜びは感じなくて、材料や道具を自分で工夫して細工してこだわりの生活道具を自作したりする事を楽しんでいます。

「シンプルライフ」。
久島さんの本を読みながらそんな言葉が浮かんできました。
ストレスをを抱えてながら雇われ生活をするより、お金がなくても工夫を楽しむことで生み出される自由で快適な生活。
都会のロビンソンクルーソーは意外に楽しそうです。
あ、こんど野菜料理を食べさせてもらわなくちゃ。

久島さんのHP「実験貧困主義貧民共和国新世紀通信」はこちら
http://www2.ocn.ne.jp/~asagao/binbo/b_index.html

「地域再生の罠 なぜ市民と地方は豊かになれないのか?」

2010-08-13 19:06:24 | 
本は「地域再生の罠 なぜ市民と地方は豊かになれないのか?」(ちくま新書)



好著です。
久繁 哲之介さんという現役の地域再生プランナーが書いた、誰もがうすうす気がついていながら言えなかった地域再生が失敗する根本的理由と新たな提言をまとめた一冊。

具体的な事例が多く紹介されていますが、本の前半は宇都宮市や岐阜市を例に挙げ、巨費を投じた「地域再生計画」がなぜ失敗してしまうのかを解説しています。
ひとことで言えば、「行政もコンサルも市民目線の欠けた、自分達に都合の良いプラン」を策定し実施しようとするから。

宇都宮市や岐阜市は地域再生の定番「大型商業施設」の建設と「流行のテナントの誘致」を行い、いずれも失敗してしまいます。
予算規模が100億円を超えるプロジェクトです。
その一方で岐阜市は路面電車を赤字を理由に廃止してしまいます。

街の中心部を活性化させるために商業施設を建設しておいて、その足となるべき交通手段は廃止してしまう。
なぜこんな相反する政策が同時に起こってしまうのか?

市民の声を聞かず、安易にコンサルの提案する他地域での「成功事例」を模倣するから、と著者は言います。
で、模倣したはずの「成功事例」もよくよく調べてみると「最初は良かったのに今は・・・」という「成功事例」のマガイモノだったりします。

読んでいると失敗の根っこは深そうです。
暗い気持ちになったところで、著者はいくつかの提言を行います。
そこで「成功事例」として取り上げられるのはいずれもささやかなもの。
しかも手間と時間、そして何より情熱や知恵がもとめられる「成功事例」です。
でも、たぶんそこにしか活路はないのでしょう。
数百億円もかけて「地域活性化の起爆剤」のハコモノを作っても発想の根っこが安易な模倣であればうまく行くはずもありません。

自分達の地域の資源をもう一度見直して自分達の力でささやかでも盛り上げていく。
「地域再生に王道は無い」といったところでしょうか。

たしょう論の甘いところや事例で「?」と感じさせるものがあって時々引っかかりましたが、新しい視点を提示できていると思います。
地域再生だけでなく、自分の仕事などいろいろなことに共通する「気づき」がある一冊でした。

銭湯振興舎

2010-08-12 06:55:06 | 銭湯振興舎
先日の日記でもすこし触れましたが、さいきん「銭湯振興舎」という団体を立ち上げました。

メンバーは、今井健太郎さんと田中みずきさんと僕。
今井さんは、戸越銀座温泉や学芸大学の千代の湯を手がけた建築家で「湯フェス」の主催者でもあります。
http://www.ne.jp/asahi/space/88/

田中さんは、ペンキ絵師見習い修行中の女性。さいきんメディアでもよく取り上げられています。
http://mizu111.blog40.fc2.com/

銭湯振興舎は、銭湯の魅力を再発見する活動を行っていこうと考えています。

今、銭湯の数は急激に減りつつあります。
しかし、銭湯には現代の生活の中でこそ、改めて着目すべき面があるのではないでしょうか。
例えば、地域の人たちが集う、コミュニケーションの場としての銭湯。
あるいは、日々の暮らしの中にある、癒しの場としての銭湯。
地域コミュニティーを育む舞台として、また、日常の中のちょっとしたアジールとして銭湯には大きな可能性があると私たちは考えます。

こうした銭湯の魅力を知って、もっと多くの人に銭湯を利用してもらいたい。それが私たちの活動目的です。

普段は全く違う仕事を営む3人のメンバーをつないだのは、「銭湯が好き」という思いでした。
我々の活動により、多くの人に銭湯を通じて豊かな出会いが生まれ、銭湯業界が再活性化されれば、とささやかに願っています。

と、言いつつ具体的な活動はまだこれから。
「千代田3331」での展覧会が最初の活動になります。
このブログでも、今後、動きがあり次第、順次ご報告しますのでお楽しみに!



「千代田3331」で展覧会のオープニング

2010-08-08 08:27:32 | 展覧会
昨日は、外神田にあるアートスペース「千代田3331」で展覧会のオープニングに行ってきました。

千代田3331とは、千代田区の中学校だった建物を利用してアーティスト達の活動拠点としようという試み。
で、実は、僕も「銭湯振興舎」という団体メンバーの一人としてここに入居しています。

展覧会は「3331 Presents TOKYO: Part2」と題し、主に3331に入居している個人や団体が自己紹介代わりに自分達の作品を展示しているもの。
「銭湯振興舎」はメンバーの一人、ペンキ絵師見習いの田中みずきさんが初めて描いたペンキ絵の大作を展示することにしました。



会場で用意されたのは入り口の一番目立つ場所。
入り口には京都の錦湯さんで手に入れた暖簾を掛けて、その奥に富士山の頭が見えているという趣向。
これは、もうひとりのメンバー、建築家の今井健太郎さんが考えたアイデアですが、視覚効果ばっちりで素晴らしい。



で、会場に入ると、田中みずきさんのペンキ絵がバーンと目に飛び込んできます。
彼女が前日、一生懸命描いた作品。
ちょっと横尾忠則チックで面白い雰囲気に仕上がっています。

会期は、2010年8月7日(土)~2010年8月29日(日)。
お盆中はお休みになります。
入場無料の展示会なので機会があればぜひご覧下さい。

なお、8月21日15:00-17:00にペンキ絵師、中島盛夫さんによる公開ペインティングがあります。
田中みずきさんの絵の上に中島さんの富士山が描かれます。
ペンキ絵の常とは言え、せっかくの処女作品がわずか2週間しか見られないとは・・・。

という訳で、田中みずきさんの作品を観たい方はこの機会をお見逃しなく!!

千代田3331や展覧会の説明はこちら
http://www.3331.jp/go2/

「活字と自活」

2010-08-07 13:05:30 | 
本は「活字と自活」(本の雑誌社)。



この前、新潟に行った時、たまたま買った一冊。
著者は荻原魚雷というライターさん。
全く知らない人だったけれど、その人の書いた身辺雑記と書評といった内容。

中央線沿線に住んでいて古本屋と中古レコード屋を巡るのが日課で、あんまり仕事をしすぎると疲れちゃうので、気をつけながら生活している40歳。
半径数百メートル以内の引越しが大きなトピックで、ふだんは慎ましやかに自活して穏やかに暮らす。

大卒の就職率が60%しかいかないこの時代に、こういった本を読むと癒される。
よく銭湯で、いい表情のオヤジがのんびり湯船に浸かっているのをみて、「このオヤジはふだんどんな生活を送っているのかな」と想像して、束の間の現実逃避に浸るけど、なんだかそんな雰囲気を感じさせる本。

もちろん雑誌不況の今、ライターさんは大変だと思うし、この本の中でもフリーライターを続けることの苦労も書かれているけれど、なんだか違った人生が垣間見られて面白い一冊でした。

「BASARA展」@青山スパイラル

2010-08-05 22:36:59 | 展覧会
今日は青山スパイラルで展覧会「BASARA展」。



現代美術家・天明屋尚がキュレーターとなって、日本文化の裏に咲く華、「婆娑羅=BASARA」を集めたミニ展覧会。
歌川国芳、河鍋暁斎、甲冑など江戸の婆娑羅の隣に、暴走族のバイクや刺青、デコトラが並ぶ。
細かな装飾がなされた印籠や根付の隣にデコ電が並ぶ。

なるほど、面白いね。こういう発想。

他に、現代美術から山口晃、横尾忠則、上田順平などが参戦しているんだけど、やっぱり江戸や郊外の生な婆娑羅の迫力にはかなわない。

でも、唯一、感心したのが池田学という1973年生まれの画家の作品「興亡史」。


これは2m×2mの大型の作品。
ものすごく細かく書かれた世界はいつまで見ていても見飽きない。
この作品の前にはいつも人が溜まっていた。
それだけ他を圧倒する迫力がある。
どれだけ膨大な時間をかけて描かれた作品だろう。
その過剰さは確かに「バサラ」だと思う。

会場のスパイラルは久し振りに行ったけど面白い。
いろいろ買い物もしちゃいました。

「喪なわれた岩壁―第2次RCCの青春群像」

2010-08-04 07:38:38 | 
本は「喪なわれた岩壁―第2次RCCの青春群像」。
剣の真砂沢ヒュッテの書棚にあったので、その日のうちに読んだ。



山の本を多く書いている佐瀬 稔による「第2次RCC」の物語。
第2次RCCとは、昭和33年に奥山章を中心とした若手の先鋭クライマーたちが結成したロッククライミングクラブ(RCC)。
古川純一(日本クライマーズクラブ)、吉尾弘(朝霧山岳会)、松本龍雄(雲表倶楽部)、芳野満彦(アルムクラブ)ら錚々たるメンバーが揃い、奥山が個性的な彼らをまとめ、数々の岩場の初登、さらには海外の山にも遠征した。

日本のアルパイン史のうち最も太字で書かれる山岳会のひとつと言えるが、この評伝では違って描かれる。
もともと工員だった奥山章を初め、第2次RCCのメンバーの多くが大学山岳部に属さない「町のクライマー」。
大学山岳部を中心とする権威や伝統とは縁遠く、さらに、彼らの多くがその青春時代を戦争によって狂わされている。
そうした複雑なコンプレックスが、彼らを困難な岩に駆り立てた、というのがこの本の著者、佐瀬 稔の主張。

交通費や日数のかかる北アルプスではなく、夜行で行ける谷川岳の岩場がこうした「町のクライマー」たちの主戦場。
数多くの事故も起きているが、そこにしか青春の捌け口がなかったのかもしれない。

という訳で、暗い情念の篭った第2次RCCの軌跡が描かれたこの一冊。
ちょっとコンプレックスの部分ばかり強調されているので、「岩の楽しさ」はほとんど伝わってこないが、迫力のある一冊だった。
なんだか真砂沢というちょっとマイナーな山小屋で読むにふさわしい本という気もしました。

剱岳本峰南壁A2稜登攀

2010-08-02 11:16:04 | 山のぼり
剱岳に行ってきました。
今年の夏、最大の目標だった「剱岳チンネ左稜線」登攀のためです。

しかし、登山中ずっとぐずついた天気に祟られチンネは断念。
結局、距離の短い剱岳本峰南壁に目標を変更しました。
でも、このルートも剱に直接突き上げる素晴らしいもので、すごく充実した登攀を楽しむことが出来ました。



金曜の朝、一番のバスで室堂へ。
そこから延々、今夜の宿泊地、真砂沢ロッジを目指します。
500m登って、1000m下る長い行程。
通常だったらバテバテになるところですが、今回は超軽量化を計っていたため、心配していたほどは疲れませんでした。
とにかく荷物を軽くするため、安全に関わるギアは減らしませんでしたが、快適になるための防寒具などは最低限しか持たず、これまでたくさん行ってきた山行中、一番軽量化できたと思います。
なにしろ、お箸まで持っていくのをやめたくらい徹底しました。

で、真砂沢ロッジは小さな山小屋でしたが、ご主人の人柄も良く、快適に過ごせました。
なんと、「かけ湯」のサービスもあって汗を流せたのも良かったです。

翌朝、2:30に起床し出発するも、小雨が降ってきたりして天候が良くありません。
事前の予報では「晴れ」のはずだったのに・・・。

それでも、長次郎谷の雪渓を登り続けます。
右手には霧の中に八ツ峰の岩峰群が並んでいて壮観。
しかし、稜線に出て、今回はチンネを諦める事にしました。
理由は天気。
ずっと雨が降り続いていて、これから岩に取り付くには安全性に疑問があるとの事で断念。
ちょっと下ったところで早めにビバークして翌日の天候回復を待つことにしました。

その日の夜遅くまで雨は断続的に降りましたが、翌朝は回復。
岩場からも立山がよく見えました。



で、チンネの代わりに選んだのが、剱岳本峰南壁A2ルート。
剱岳の山頂直下にダイレクトに突き抜ける気持ちの良いルートでした。
それ程、登る人はいないのか、岩がもろく、落石も危なかったのですが、僕のレベルでも何とか登れます。
剱岳名物、カニのヨコバイを通過している登山客からも良く見えるルートで、その視線も感じながらピッチを稼ぎます。

支点は少なめで、怖いところもありましたが古い残置ハーケンを使いながら6ピッチほどで終了。
ザイルのいらない岩場を少し登れば剱岳山頂に到着です。
山頂では他の登山者が拍手で迎えてくれました。

で、時間もないのですぐに下山。
途中、天候が再び悪化。雨の中、長い長い上り下りを繰り返してようやく室堂到着。
帰りの新幹線の時間も迫っていたので、温泉にもよらずに帰京。

という訳で、目的のチンネ登攀は叶わなかったものの、渋い好ルート、剱岳本峰南壁を楽しむことが出来て大満足でした。
やはりアルパインクライミングは緊張感があって面白いです。
来年こそはチンネ登攀を目指して、今からトレーニングをはじめたいと思いました。