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「日本宗教事典」

2009-11-12 00:10:51 | 
本は「日本宗教事典」
村上 重良という宗教史学者の書いた日本の宗教史。



宗教関係の本は興味があって、時々読んでいるが、いまひとつ通史が分かっていなかったので参考のために読んでみたら、これがすこぶる面白かった。

本の半分はは古代宗教から中世までの解説。
原始宗教や神道にも触れられているけれど、主に仏教の分派の歴史が淡々と描かれている。最初は貴族の宗教だった仏教が、分派を繰り返しながら、だんだん民衆に近くなっていく過程がよく分かった。

これだけでも、これまで知らなかった知識が身についたが、この本のもう半分は新宗教について書かれている。これがかなり面白かった。宗教史なのに、その半分が新宗教というのもビックリだが、大本、天理、霊友会、立正佼成会、創価学会とさまざまな新宗教の成り立ちを、主に教祖の人生を紹介することで解説している。

どの宗教もその教祖はかなりすごい人生を送っているのがわかる。
最初は、教祖も「貧、病、争」のどれかに悩み、既存の宗教に入って救いを求める。そのうちその枠には飽き足らなくなり、ある日、神の啓示を受けて、分派独立すると言うパターンがほとんど。どの教祖もあまりにも同じような話なのに驚く。
また、いろんな宗教を渡り歩いている人も多い。これは当時の民衆の姿そのものだったのだろう。ご利益を求めて、または苦しみから逃れるために、とにかく効きそうな神様にすがりつく。それだけ厳しい時代だったのだろう。

という訳で、なかなか興味深い事典でした。

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