東京ナイト

旅行、食事、映画にお芝居、日々のささやかな幸せを記録します

八海山という名前の山と酒蔵

2011-10-05 20:23:59 | 山のぼり
遅い夏休みを取って新潟県の八海山に登ってきました。

八海山は、標高1778m。
山頂は、八ツ峰と呼ばれる岩峰群があり、垂直に近い鎖場が連続する難所となっています。


新開道から見た八ツ峰


稜線は切り立った岩場が続く


鎖場は高度感があってスリル満点

実は登り始め、頭を蜂に刺されるアクシデントもあり、引き返そうとも思ったのですが、登ってみれば、なかなかスリルがあってかなり楽しめました。
鎖場が延々と続き、高度感もあって、難しいといわれている剱岳のカニノタテバイと呼ばれる岩場よりずっとリスキーです。
そんな山なのに、地元の人などでけっこう賑わっていてちょっとびっくり。
中には長靴で登っている人もいました。

また元々、信仰の山なので、八ツ峰のそれぞれの山頂にはお地蔵さんや不動明王の像などが祭ってあったりしてそんなところも興味深かったです。
紅葉には少し早かったのですが、これで紅葉していたら本当に最高だろうと思います。

それほど有名ではない山ですが、わざわざ新幹線に乗っていく価値がある楽しい山行となりました。

で、今回、この八海山に来たもうひとつの理由が、八海山醸造。
新潟の銘酒として有名ですが、縁あって蔵の見学や美味しいご馳走をいただくことが出来ました。



普段、日本酒をよく飲みますが、八海山というお酒は、名前は知っていても、あまり積極的に飲んではきませんでした。
でも、今回、蔵を見せてもらい、社長さんやスタッフの方から、話を聞くことで印象がずいぶん変わりました。

社長さんからは、「八海山というお酒は、日常のお酒として飲んでもらうために造っている。だから飲み飽きないように、華やか過ぎる香りなどは付けずに醸している」と聞きました。
また、「自分たちの蔵の使命は、日本酒のレベルを上げること。そのための規模拡大や機械化も積極的に進めている。趣味的に小さな規模で美味しいお酒を造るより、自分たちが理想とする高い水準の日本酒を安定的に供給することが、日本酒という文化を守る唯一の方法だと思う」とも話してくれました。

実際、新しい工場は規模も大きく、機械化も進んでいましたが、人の手をかけたほうが良い部分、例えば麹造りなどの重要な作業はほとんど機械化せず、蔵人達の手で丁寧に行われています。
工場や売店などもみんな新しく、そこで働く人たちもきびきびしていて、八海山で働く誇りや喜びを感じさせます。

今回、八海山という名前の山と酒蔵を訪ねましたが、どちらも味わい深いものでした。
季節を変えてまた行きたいものです。

笛吹川ホラノ貝ゴルジュ(敗退)

2011-10-02 23:08:46 | 山のぼり
山梨県の笛吹川にホラノ貝ゴルジュという全長数百メートルの沢登りスポットがあります。
かつては関東最難と言われ、沢の水でつるつるに磨かれた岩は、手がかりを探してもほとんどなく、その通過は困難を極めました。

学生時代、この沢に挑み、ボルトを打ったり、ハンマーを投げ縄のようにして流れの強いところを突破したり、創意工夫の末、4時間ほどかけて何とか突破できたのですが、その時は、何か大きな事を成し遂げたような達成感を感じてとても嬉しかった思い出があります。

で、昨日、このホラノ貝ゴルジュにもう一度行ってきました。
泳ぎのあるホラノ貝に挑む時期としてはあまりにも寒すぎるのですが、訳あって行くことになったのです。

結果は見事に敗退。
最初の泳ぎはなんとか突破できたのですが、次の難関、4mの滝は残置が全くない事もあり、なす術もなく撤退を決めてしまいました。

しょうじきあまりの不甲斐なさに自己嫌悪すら感じてしまいます。
滝壺に落ちたら寒そうとか、ちょっと危ないかもとか、マイナスな事を考えてしまい、一歩が出ませんでした。
学生時代はイケイケでどんな困難な滝にも平気で挑んでいたのに・・・。
けっこうかなりショックです。
あーあ・・・。


最初の4mの滝。

ごきげんよう! 船の科学館

2011-10-01 10:06:13 | Weblog
昨日、お台場の船の科学館が閉館してしまいました。

船の科学館といえば、子どものころの思い出があります。
レストランか何かの行列待ちで、係員の対応が悪く、げんなりしていたところ、たまたま通りかかった笹川良一が、すかさず適切な対応をしてくれたこと。
どんな対応だったか記憶が定かでないのですが、「さすが一日一善の人だ」と子供心に感心した記憶があります。



で、それ以来、行ったことがなかったのですが、閉館と聞いて駆けつけました。
いやー、面白すぎです、船の科学館。
時が止まったような展示もあれば、けっこうリニューアルしている部分もあったりして、様々な角度から船について学べます。
そもそも「船」とか「海」について考えることとか普段はまったくないので、なんだか新鮮で、こういう時間って大切だと思いました。

あと、全体的な構成として「科学と発展万歳」的な、おおらかな雰囲気が展示物にも現れていて、和みます。
当時も公害とかいろいろあったと思うのですが、未来に対する希望が感じられて、素直にいいなと思いました。

館として、再出発を計画はしているようでしたが、それ程具体的な話は固まっていなさそうです。
もっとも鉄道博物館にしても、今のより万世橋にあった交通博物館の方が僕にとっては何倍も面白かったので、船の科学館もどうなることやら。
でも何らかの形で再開を願っています。

ごきげんよう! 船の科学館!


船の科学館の入り口に置かれている潜水夫の人形。


展示の目玉、巨大な船のエンジン。美しくてかっこいいです。


巨大なスクリューと人の写真。


昔の潜水夫の装備。素敵すぎます。


南極観測船「宗谷丸」の船室。こちらは医務室でオペの最中。


イルカに乗って海底散歩もできます。


「ごきげんよう!」は海の男達のさよならの挨拶だそうです。