白鷺だより

50年近く過ごした演劇界の思い出話をお聞かせします
     吉村正人

白鷺だより(449) ちんぷんかんぷん劇場旗揚げ公演

2023-09-11 09:43:49 | 観劇

ちんぷんかんぷん劇場旗揚げ公演

2023年9月9日 ちんぷんかんぷん劇場が初日を迎えた

歌子劇団のレギュラーでよく助けてくれたちんぷんかんぷん

普段は二人で「南京玉すだれ」をネタにコントをやっている「ちんぷんかんぷん」が待望の自分たちの劇団の公演の旗揚げだ これも僕が演出した日本香堂の芝居のゲスト主役で出てくれた加藤茶が彼らの公演に出演してくれたから実現出来たと言えよう 他に紅壱子(今回は監修も担当)、曽我迺家八十吉も巡業のレギュラー組から参加 演技面で協力してくれた

 彼らの力にしては少し大きい目の劇場(クオレ大阪中央観客1000名程) だったのであまりにもガラガラだったら寂しいなと思っていたが杞憂に過ぎなかった 30分程前に着いたにも関わらす大勢の人々が並んでいる 全席自由席だったので「いい席」を求めてみな早い目に集まったのだ

さてその出来栄えはどうか 演技力のあまりない二人だ どうなることかと心配したがこれも杞憂に終わった 萬ちゃん(紅壱子)に頼んで二人に「合格!」と言って貰ったように「観られる芝居」に出来上がっていた これには驚いた

ゲストの加藤茶をいれこんでの口上 二人が何者か知らない客が多い中、コント集団ちんぷんかんぷんを前面に出した方が良かった 

第一部は現代劇 見高光義 作「60秒の奇跡」

 新喜劇の森冬彦が狂言回しの浮浪者の青年、黄泉の世界から来た女に洋あおい ミュージカル仕立にしたのが正解で洋あおいが何でも演りたがりの性格というのが上手い、ハワイアンからOSKのショウまで「いっぺんこれがしたかった」の乗りで「南京玉すだれ」まで挑戦した(ちんぷんかんぷんがメロメロだったので思わす「何年演ってんねん」とつぶやく)のには驚いた 理不尽な死を迎えた人々は最後に1分だけ家族とお別れが出来るという その家族探しを仰せ使った青年は果たして皆んなにお別れをさせられるのだろうか ドンデン返しがうまく効いている 森がいつもの力の入った芝居ではなく肩のチカラを抜いた芝居で狂言回しを無難にこなした 最後のオチがもうひと工夫

第二部は時代劇 見高光義 脚色 「勘八身代わり仁義」 泣いて笑って殺陣まつり候(たてまつりそうろう)

 大衆演劇のネタらしい、よく見るとタイトルロールは勘八だ この役はどちらかというと芝居が苦手な国米の役だ 見高は熊五郎? 果たして

八十吉の大前田英五郎は苦手な殺陣も無難にこなし大親分の貫録充分

紅壱子は熊五郎の目が見えない母親 涙を誘う

ちんぷんかんぷんのもう一つの魅力「殺陣」 あまりにもカラミが多く「手」も多い、カラミを買い過ぎたか 見せ方の工夫が足りない

加藤茶は宿屋の使用人 見高、国米と三人でドリフ仕込のコントを披露する 最後はタブーの曲で「ちょっとだけよ〜」がオチ なるほどこれぞ鉄板ネタ、これぞホンモノ 少々合わせ稽古不足が気になる( 悲しいかな、ちんぷんかんぷんの未熟さが際立つ)  今までどれだけ「いい加減なコント」を演ってきたかモロに判る よく共演出来たものだ

折角加藤茶を呼んだのだったらこの三人だけじゃなく他のメンバーとのカラミがあっても良かった 

ともあれお客様には喜んで貰った 

合格です 

 

 

 


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