インディオ通信

古代アメリカの共感した者の備忘録8年。

6月7日 …シャーマニズム小説、『コンセント』 ①

2007-06-07 00:42:41 | 田口ランディ、桜井章一、内田ボブ
 『コンセント』(2000)
 田口ランディ
 幻冬舎 ¥1500+税
 
 2002年に一度読み、5年後の今、読み返した。
 ややエロチックな小説であるが、読了後、胸にジ~ンと響いたものがあった。

 なかなかこんな小説にはお目にかかれないので、こんどは丁寧に深読みしてみた。

 兄の死をきっかけにして、主人公ユキが、女性シャーマンとして目覚めていく。
 引きこもりか、ニートとでも言うべき兄が、奇妙な自殺をした。
「兄はある日突然生きることを止めた」。
 その理由は? ヒントは、掃除機のコンセント。

 心理学教授の国貞、文化人類学の本田律子、精神科医の山岸が、案内役となる。
 
 ユキ「ねえ、シャーマンって、共同体の中のコンセントみたいな存在だって言ったわよね・・・・・」
  (略) 
 律子「シャーマンは、壁についている穴(コンセント)のほうね。その穴は見えざる世界と繋がっているわけ。そしてね、シャーマンを訪れる人は自分のプラグをコンセントに差し込むわけだよ。そうすると神様の世界と繋がることができる」
  (略)
 律子「コンセントって電気を使うときに必要でしょ? つまりエネルギー供給のための道具なんだよ。シャーマンの場合もね、生きるエネルギーを消耗しちゃった人たちがやってきてエネルギーをもらうわけ。かつて共同体にはそういう生命エネルギーの供給口になる存在がたくさんあったんだよ。人はパンのみに生きるにあらず。気力がなければ死んでしまう。人間が生きるためには何らかの霊的なエネルギーみたいなものが必要なんだと思うのよ」

 全体として、
  プラグとして廃れた男; 兄(ニート?)、木村(フリーカメラマン)、…
  コンセントとしての女; ユキ(あばずれシャーマン!)

 この対比が、性的描写を交えて、描かれている。

 インディオが思うに、確かにシャーマンはコンセントの役目であるかもしれないが、その背後には母なる大自然があるように思われる。

 大自然からエネルギーを受ければ、神様と繋がるのでは。
 
 きれいな海へ行って浅瀬にぷかぷか浮かんでいれば、「コンセント」に繋がると、
 みんな本能的に気づいて、充電しているのだ。

 インディオは三十路を過ぎて毎年泳いでいる。
 日本は島国だから海はそこらじゅうにあるが、
 奄美大島の大浜海岸は、格別だったなぁ~(今、シーズンでガラガラだから、行きたい! 無理!) 


 


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