雅太は焼け付く喉の痛みで、風邪を予感し、それが的中した。一昨日のことである。カボチャやサツマイモの煮付けを食べて、薄めたポカリスエットを飲んだりして、連日仕事を休んだ。冷房は体に悪く、35度前後ある部屋で、読書をしながら過ごした。むろん、雅太は読みかけのスーパー長編小説にはまっていたのである。宮本輝の『地の星』を読破し、『血脈の火』も大方読み終えた。松坂熊悟なる大きな器の、気風の良い主人公に引き付けられたのであろう。貫多とも、雅太とも、えらい違いのあるスケールの大きな人物であると思われた。
雅太はいかに自分自身の器が小さいのか思い知らされた。カネに細かく、スーパーで半額を買うところ辺から、何かしら人生の指針が間違っているわけである。それに人づき合いとかも良い方ではなく、誘われても断るし、自分から誘うことはめったにない。そういえば、今年に入って食事を誰かにおごってやったことがあったか? 小説を読みながら、やはり気前が良くなければ人間は成功しないものだと、雅太は思い知らされるのであった。
雅太はいかに自分自身の器が小さいのか思い知らされた。カネに細かく、スーパーで半額を買うところ辺から、何かしら人生の指針が間違っているわけである。それに人づき合いとかも良い方ではなく、誘われても断るし、自分から誘うことはめったにない。そういえば、今年に入って食事を誰かにおごってやったことがあったか? 小説を読みながら、やはり気前が良くなければ人間は成功しないものだと、雅太は思い知らされるのであった。
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