田舎おじさん 札幌を見る!観る!視る!

私の札幌生活も17年目を迎えました。これまでのスタイルを維持しつつ原点回帰も試み、さらなるバージョンアップを目ざします。

札幌景観資産⑦  指定第6号 「杉野目邸」

2021-10-16 17:35:04 | 札幌景観資産巡り

 「札幌市の中央区、中心街よりやや離れた住宅街の一角に鬱蒼とした林に囲まれて「杉野目邸」は建っていた。昭和初期(昭和8年)に建てられた洋風の邸宅は当時としては相当に珍しい建物だったのではないだろうか?   

                                                                                                      

 杉野目邸は北海道帝国大学(現在の北海道大学)理学部創設時の杉野目晴貞教授(後に学長を務めた)が自邸と建てたものであるが、北大職員の萩原淳正氏の設計によるものだという。工法はハーフティンバー工法というむき出しの柱や梁の白い骨組みが描く模様、窓上部のアーチなど、16世紀にイギリスで隆盛を極めたチューダー様式を参考にしたそうだ。当時の札幌の住宅では初めての集中暖房と水洗方式が導入された超モダン住宅だったようだ。

      

 邸宅が建っている所は南19条西11丁目であるから、市の中心の札幌テレビ塔から、南に19ブロック、西に11ブロック離れたところなので中心街からはやや離れたところといえる。私は運動を兼ねてウォーキングで訪れたが、かなり時間も体力も使ってしまった。

   

   

 邸宅には現在杉野目晴貞氏のご子息でやはり北大工学部の名誉教授の杉野目浩氏が住まわれているという。そこではたと気が付いたことがあった。この「札幌景観資産」では歴史的な住宅を表記するときに、頭に「旧」を付けたもの邸宅と、付けていない邸宅がある。「旧」と付いたものは、現在は建築した方の手を離れて他の方の手に移ったもの(例:「旧小熊邸」、「旧中井邸」、「旧沼田邸」など)を指している。一方「旧」が付いていない邸宅は、現在も持ち主が変わらず、あるいは子孫に引き継がれた邸宅のようである。(例:「杉野目邸」、「城下医院」、「永井邸」など)

   

 杉野目邸はリートド文でも触れたように、深い林に囲まれていたため思うような写真は撮れなかったが、現在子孫の方が住まわれているのだから、それもいたし方あるまい。                                            

杉野目邸 情報》

◇所在地 札幌市中央区南19条西11丁目1-25

◇建設年 1933(昭和8)年

◇構 造 木骨れんが造

◇指定年 2005(平成17)年3月3日

◇その他 個人宅につき非公開 ※敷地内無断立入禁止。

◇訪問日 2021年10月7日



最新の画像もっと見る

コメントを投稿

ブログ作成者から承認されるまでコメントは反映されません。