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映画 №331 80日間世界一周

2021-12-01 16:35:42 | 映画観賞・感想

 イギリスを皮切りにフランス、インド、香港、横浜、アメリカ…と、各国を訪ね歩く典型的なロードムービーであり、内容的にはコミカルな内容は観ている者を楽しませてくれた映画だった。

       

 この映画は11月11日(木)、BSプレミアムで放映されたものを録画して視聴したものである。映画は1956(昭和31)年に制作されたが、第29回アカデミー賞の5部門を受賞した作品である。

 ストーリーは映画が制作された1956年からさらに80数年遡った1872年に書かれた小説が原作である。当時はまだ旅客機など無い時代の世界一周の話である。(ライト兄弟が飛行機を発明したのは1903年である)

 そんな時代にイギリス紳士で主人公が所属する社交クラブで「80日間で世界一周できるか」という賭けを行い2万ポンドが賭けられる。主人公である資産家のフォッグ(デビット・イーブン)は従者のパスパルトォー(カンティンフラス)を連れてロンドンを出発し賭けに出た。

 映画で訪れた国や地域は、イギリス・ロンドン ⇒ フランス・パリ ⇒ イタリア・ブリンディシ ⇒ スペインマ・ドリード ⇒ エジプト・スエズ ⇒ インド国内 ⇒ 香港 ⇒ 日本・横浜・鎌倉 ⇒ アメリカ・サンフランシスコ・中西部・ニューヨーク ⇒ イギリス・リバプール、と文字通り世界をグルっと回っている。

 その間に利用した交通機関は列車・気球・蒸気船を次々と乗り継いで(途中、インドでは像も駆っている)最後は賭けに勝つというストーリーである。

   

※ 当初計画にはなかった気球を旅の途中で調達するのだが、この場面がこの映画を象徴していた。

 サブストーリーとして、当時のロンドンで銀行強盗が発生したことからフォッグが疑われ、旅先に捜査のロンドンの刑事が度々出没すること、またインドで悲惨の目に遭おうとしていた王女を助け、その後の旅路に同行させたことなどが織り込まれている。

 映画としては奇想天外なコメディ的要素の強い映画であるが、そのコメディさを増幅していたのが当時は有名なコメディアンだったらしいパスパルトォー役のカンティンフラスである。なんともとぼけた演技がスパイスとなっていた。

   

※ この映画の主要な登場人物。左から従者、主人公、途中から旅を共にしたインドの王女、ロンドン警察の刑事。

 映画が制作された1956年当時、世界旅行などはまだまだ特権階級のものだったのではないだろうか?そうした時代に面白可笑しくも世界各地の風物・風俗に触れる大画面でのカラー映画は庶民に海外旅行の夢を与えたことがヒットした要因ではないかと思えた映画だった。

※ 今回もいつものように掲載写真はウェブ上から拝借しました。



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