「虹と雪のバラード」の作詞で有名な河邨文一郎氏が作詩された詩を朗読する夕べである。プロの奏者が奏でる音の中で、音読に熟達した方々の朗読に耳を傾けるという優雅なひと時を体験した。
4月15日(土)夜、札幌市教育文化会館で「河邨文一郎生誕100年 朗読と音楽の夕べ」が開催され、参加してきた。
河邨文一郎氏が作詞した「虹と雪のバラード」は、作曲の村井邦彦、歌い手のトワ・エ・モアの傑出した才能も手伝って大ヒットした曲であるが、何よりその詩の果たした役割が大きいと私の中では記憶されている。
虹の地平を 歩み出て 影たちが近づく 手をとりあって
町ができる 美しい町が あふれる旗 叫び そして唄
ぼくらは叫ぶ あふれる夢に あの星たちの あいだに 眠っている 北の空に
きみの名を叫ぶ オリンピックと
雪の炎に ゆらめいて 影たちが飛び去る ナイフのように
空がのこる まっ青な空が あれは夢? ちから? それとも恋
ぼくらは書く いのちのかぎり いま太陽の 真下に
生まれかわる サッポロの地に きみの名を書く オリンピックと
生まれかわる サッポロの地に きみの名を書く オリンピックと
その河邨文一郎氏を偲び、氏が紡ぎ出した数々の詩を朗読する会であった。
詩の読み手として登場したのは、熊谷ユリア氏(主催者であり、札幌大教授)をはじめ、斉藤征義氏(穂別「田んぼ de ミュージカル」の脚本制作で有名)、櫻井良子氏(吟遊詩人大賞コンテスト大賞受賞者)、若宮明彦氏(北海道詩人協会会長)、英語朗読としてフィリップ・シートン氏(北大大学院教授)といった錚々たる顔ぶれが登壇した。
また、伴奏としてハープの鈴木貴奈氏(プロハーピスト)、クラリネットの渡部大三郎氏(元札響団員)、ヴァイオリンの水谷瑛子氏(元札響団員)がバック音楽を担当した。
※ プロハーピストの鈴木貴奈氏ですが、顔が見えませんね。
河邨文一郎氏についてほとんど知識のなかった私だが、登場する各氏によってさまざまな面から河邨文一郎氏の人と業績が語られた。
それによると、氏は本業の医学者(札幌医大名誉教授)としても相当の業績を遺された方だが、詩の世界においても多くの傑作、そして後進に影響を与えた方ということだった。
河邨氏は詩人たちを集めた「核」の会を主宰し、詩人同士の交流を図りながら、自らも詩作に努めたという。その詩の特徴は「北方性」根ざしていることが一つの特徴だそうだ。
また、詩人・金子光春に傾倒し、表面には直接表さなかったが金子と同じように反戦(反骨精神)の思いを抱いていた方でもあったということだ。
※ ハープを弾きながら詩を朗読する熊谷ユリア氏です。
確かに朗読された詩の中に、「北方の眼」、「シベリア」、「北の森林」、「摩周湖」など北方を意識した詩が多かった。
また、「激戦の後に」、「広島幻想」など戦争に関する詩も数編披露された。
そして河邨氏の代表作といわれるのが「物質の真昼」と題するものだった。一度聞いただけでは残念ながら内容は良く理解できなかった。(何度聞いても理解できないかもしれないが…)医学(科学)と詩作とは一見相いれないように思われるが、河邨氏は「科学は最大のロマンシズムである」と言ってはばからなかったと熊谷氏は紹介してくれた。
さて朗読と音楽の会だが、プロデュースから、構成・演出、そして主演と全てが熊谷ユリア氏によるものだったのが若干気になった。もう少し他のゲストの方々を活かしたものとはならなかったのだろうか?
特に残念だったのは、最後に会場全体で「虹と雪のバラード」を合唱する場面があった。ここでも熊谷氏はマイクを離さなかった。優雅な音楽をバックに会場全体があの名曲を、河邨氏を偲びながら会場全体に静かにこだましてフィナーレを迎える場面を想像したのだが、会場に響き渡ったのはマイクを通した熊谷氏の歌声だけだった…。
※ 最後に会場全体で「虹と雪のバラード」を合唱する場面なのですが…。
しかし、とても良い経験をしたと思っている。
《札幌桜情報 2》
一昨日からそう変わってはいないだろうと思いながらも、標本木を観察に出かけた。
案の定、ほとんど変わっている様子はなかった。
私が追いかけている桜の枝は、必ずしも育ちが良いものではない。
他の枝から離れていて、ピントが合わせやすいという事情がある。
あるいは、開花が宣言されてからも追い続けねばならないかもしれない。
※ 4月16日(日)午後0時15分撮影
4月15日(土)夜、札幌市教育文化会館で「河邨文一郎生誕100年 朗読と音楽の夕べ」が開催され、参加してきた。
河邨文一郎氏が作詞した「虹と雪のバラード」は、作曲の村井邦彦、歌い手のトワ・エ・モアの傑出した才能も手伝って大ヒットした曲であるが、何よりその詩の果たした役割が大きいと私の中では記憶されている。
虹の地平を 歩み出て 影たちが近づく 手をとりあって
町ができる 美しい町が あふれる旗 叫び そして唄
ぼくらは叫ぶ あふれる夢に あの星たちの あいだに 眠っている 北の空に
きみの名を叫ぶ オリンピックと
雪の炎に ゆらめいて 影たちが飛び去る ナイフのように
空がのこる まっ青な空が あれは夢? ちから? それとも恋
ぼくらは書く いのちのかぎり いま太陽の 真下に
生まれかわる サッポロの地に きみの名を書く オリンピックと
生まれかわる サッポロの地に きみの名を書く オリンピックと
その河邨文一郎氏を偲び、氏が紡ぎ出した数々の詩を朗読する会であった。
詩の読み手として登場したのは、熊谷ユリア氏(主催者であり、札幌大教授)をはじめ、斉藤征義氏(穂別「田んぼ de ミュージカル」の脚本制作で有名)、櫻井良子氏(吟遊詩人大賞コンテスト大賞受賞者)、若宮明彦氏(北海道詩人協会会長)、英語朗読としてフィリップ・シートン氏(北大大学院教授)といった錚々たる顔ぶれが登壇した。
また、伴奏としてハープの鈴木貴奈氏(プロハーピスト)、クラリネットの渡部大三郎氏(元札響団員)、ヴァイオリンの水谷瑛子氏(元札響団員)がバック音楽を担当した。
※ プロハーピストの鈴木貴奈氏ですが、顔が見えませんね。
河邨文一郎氏についてほとんど知識のなかった私だが、登場する各氏によってさまざまな面から河邨文一郎氏の人と業績が語られた。
それによると、氏は本業の医学者(札幌医大名誉教授)としても相当の業績を遺された方だが、詩の世界においても多くの傑作、そして後進に影響を与えた方ということだった。
河邨氏は詩人たちを集めた「核」の会を主宰し、詩人同士の交流を図りながら、自らも詩作に努めたという。その詩の特徴は「北方性」根ざしていることが一つの特徴だそうだ。
また、詩人・金子光春に傾倒し、表面には直接表さなかったが金子と同じように反戦(反骨精神)の思いを抱いていた方でもあったということだ。
※ ハープを弾きながら詩を朗読する熊谷ユリア氏です。
確かに朗読された詩の中に、「北方の眼」、「シベリア」、「北の森林」、「摩周湖」など北方を意識した詩が多かった。
また、「激戦の後に」、「広島幻想」など戦争に関する詩も数編披露された。
そして河邨氏の代表作といわれるのが「物質の真昼」と題するものだった。一度聞いただけでは残念ながら内容は良く理解できなかった。(何度聞いても理解できないかもしれないが…)医学(科学)と詩作とは一見相いれないように思われるが、河邨氏は「科学は最大のロマンシズムである」と言ってはばからなかったと熊谷氏は紹介してくれた。
さて朗読と音楽の会だが、プロデュースから、構成・演出、そして主演と全てが熊谷ユリア氏によるものだったのが若干気になった。もう少し他のゲストの方々を活かしたものとはならなかったのだろうか?
特に残念だったのは、最後に会場全体で「虹と雪のバラード」を合唱する場面があった。ここでも熊谷氏はマイクを離さなかった。優雅な音楽をバックに会場全体があの名曲を、河邨氏を偲びながら会場全体に静かにこだましてフィナーレを迎える場面を想像したのだが、会場に響き渡ったのはマイクを通した熊谷氏の歌声だけだった…。
※ 最後に会場全体で「虹と雪のバラード」を合唱する場面なのですが…。
しかし、とても良い経験をしたと思っている。
《札幌桜情報 2》
一昨日からそう変わってはいないだろうと思いながらも、標本木を観察に出かけた。
案の定、ほとんど変わっている様子はなかった。
私が追いかけている桜の枝は、必ずしも育ちが良いものではない。
他の枝から離れていて、ピントが合わせやすいという事情がある。
あるいは、開花が宣言されてからも追い続けねばならないかもしれない。
※ 4月16日(日)午後0時15分撮影