在来種の二ホンスズランが見ごろを迎えているという新聞記事に接し、手稲区の「富丘西公園」まで足を延ばし、白いベル型の小さな花をまとったスズランは雑草の中でけなげに花を咲かせていた。
本日の北海道新聞紙上に「漂う甘い香り~在来スズラン手稲で見ごろ」と題した記事が掲載されていた。近くに所用があったので、そのついでに「富丘西公園」まで足を延ばしてみた。
「富丘西公園」は初めて訪れた公園だったが、住宅地に挟まれてはいるものの面積約5万㎡の緑濃い公園で、小さいながら駐車場も完備していた。(11台駐車可能)
駐車場のすぐ横に案内板があり、そこには富丘西公園がスズランの群生地であることが表示され、その群生地が駐車場のすぐ近くであることが表示されていた。
天気も良く、新聞に掲載されたことからシニアの方や子どもを連れた若いお母さんの姿が目立った。
スズランが生育している場所は、スズランの保護のためだと思われるが、木道が敷設されていた。「群生地」と聞いていたので、私はスズランがいたるところに咲き誇っていることを想像していた。しかし、実際には雑草が目立つ中に、ところどころにひっそりと小さな花が咲いている状態だった。
調べてみると、私がイメージしていたのはドイツスズランのようだった。札幌市内でもよく目にするスズランはほとんどがドイツスズランで、二ホンスズランはいまでは「富丘西公園」内でしか生育していないということだった。新聞記事によると、二ホンスズランは宅地開発などによって徐々に姿を消しつつあるという。「富丘西公園」では、地域住民の方々によって保全活動が行われているということだが、「札幌の花」とも云われる二ホンスズランの保全に努めていただきたいと思う。
ドイツスズランと比べると、花の大きさも一回り小さく、ひっそりと咲いている感じだった。その様子がいかにもけなげで、スズランをイメージする清楚な雰囲気を一層際立たせているようにも思えた。
新聞記事によると、二ホンスズランは宅地開発などによって徐々に姿を消しつつあるそうだ。
なお、スズランには「君影草(きみかげそう)」とか、「谷間の姫百合(たにまのひめゆり)」といった可憐な別名もあるようだが、葉や根、花など全てに毒があることで知られている野草である。