PMF Connects LIVE!豊平館は、今シーズン2度目である。今回は札響のメンバー5名による弦楽五重奏(クインテット)だった。さすがに腕の確かな札響メンバーによる演奏である。どこかに余裕さえ漂わせながらの演奏に酔うことができたのだが…。
昨日(1月29日)夕刻、PMF Connects LIVE!が由緒ある豊平館の2階ホールで開催された。PMF Connects LIVEが豊平館で開催されるのは今シーズン10月2日に続いて2回目である。(そこでタイトルには私独自でⅡの記号を付けさせてもらった)Connects LIVEは市内各所で開催されているが、私自身は由緒ある趣の豊平館のホールでの演奏会が最も気に入っている。
今回の演奏者は札幌交響楽団に所属する男性弦楽奏者5名が集ったものだった。そのメンバーとは、
◆第一ヴァイオリン桐原宗生(2014)
◆第二ヴァイオリン熊谷勇大(2014)
◆ヴィオラ物部憲一(1993)
◆チェロ荒木均(1990)
◆コントラバス吉田聖也
といった札響の第一線で活躍する人たちだった。(カッコ内はPMFに参加した年度である。吉田氏だけは未参加)
まずはこの日演奏された曲目を紹介する。
◇モーツァルト/ディヴェルティメント へ長調K.138 第一楽章
◇エルガー/愛の挨拶 作品12
◇M.モノー/愛の讃歌
◇H.マンシーニー/映画『ティファニーで朝食を』から「ムーンリバー」
◇H.マンシーニー/映画『ハタリ!』から「小象の行進」
◇フレデリック・ロウ/映画『マイ・フェア・レディ』から「踊り明かそう」
◇J・ホーナー/映画『タイタニック』から「マイ・ハート・ウィル・ゴー・オン」
◇L・ハーライン/映画『ピノキオ』から「星に願いを」
◇木村弓/映画『千と千尋の神隠し』から「いつも何度でも」
◇井上あずみ/映画『天空の城ラピュタ』から「君をのせて」
◇山田耕筰/この道
◇三木たかし/津軽海峡・冬景色
◇新井満/千の風になって
◇見岳晃/川の流れのように
◇大野雄二/ルパン三世のテーマ
〈アンコール〉
◇モーツァルト/ディヴェルティメント へ長調K.138 第二楽章
◇いずみたく/見上げてごらん夜の星を
演奏された曲目は1時間強の間にアンコール曲も含めて実に17曲である。確かな腕の奏者が奏でる一曲一曲はとても安定していて、聴いていて心地良いものだった。しかし、一方で諸兄もお気づきのことと思うが、曲目の中にクラシック曲の演奏が極端に少ない構成になっていた。私はふだんからクラシックには疎いと公言はしているが、この日はクラシックが聴けることを楽しみにして会場に足を運んだつもりだった。その期待が若干裏切られた思いをした人たちが私を含めて会場には少なからずいたのでは?と思われたのだが…。
だからなおのこと、映画音楽や歌曲、演歌などの演奏の後、アンコールで再びモーツァルトを聴いたときにはどこかホッとした思いを抱いたのも事実である。
※ 演奏会が行なわれた趣のある豊平館のホールです。
この日のクインテットは年長(?)の物部氏がリーダーだったようで、彼がMCを務め、選曲も物部氏だったということだが、物部氏が語る曲の合間のお話も楽しく寛げる話だった。おそらく物部氏はサービス精神旺盛な方なのだろう。曲目の構成は別として、楽しく豊かな雰囲気が豊平館のホールに漂った一夜だった。