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私の札幌生活も17年目を迎えました。これまでのスタイルを維持しつつ原点回帰も試み、さらなるバージョンアップを目ざします。

冬の石狩川河岸を遡る 8 後編

2016-01-24 19:16:11 | 冬の石狩川河岸遡行スノーシュートレッキング

月形大橋 ~ 札比内  トレッキング月日 ’16/01/22

 河岸トレッキングの場合、河岸近くに生えている灌木や草木類がやっかいである。真っ直ぐに進むことはできず、間を縫ってジグザグに進まねばならない。さらにやっかいなのが「樋門」の存在である。この「樋門」が現れると、私は大きく回り道を強いられるのだ…。 

 河岸をトレッキングする場合、石狩川の場合はおおよそのところが灌木などに覆われている。その中を河岸から離れないようにしながら、灌木の中を縫うように進んでいく。
 私が通れるようなところを探しながらジグザグに進むので、当然歩く距離は長くなる。

          
          ※ あるところで私のトレースを写してた。灌木の中ではご覧のようにジグザグ進むことを強いられる。

 灌木以上にやっかいなのが「樋門」である。樋門とは、一般的な言葉では「水門」と言った方が、通りが良いかもしれない。樋門は堤防の外の水田や畑地の余分な水を石狩川に排水するための調整門である。
 この樋門があると、そこには通水路があり、そこの流れはけっこうあるために渡ることはできない。そのため私は大きく堤防上まで迂回して進まねばならないのだ。中には、通水路の途中に橋状のものが架けられている場合もある。その場合はラッキーなのだが…。

          
          ※ 石狩川に関わらず、どこの川でも見られる〔樋門〕である。

          
          ※ 樋門のあるところでは、このような通水路があり、迂回を余儀なくされる。

 文字面だけだと分かりづらいと思い、図にしてみたものを参照してほしい。

          
          ※ 下手な図を描いてみた。灌木の間を縫い、樋門を迂回するために矢印のように進まねばならない。
          
 そうしたトレッキングの中でも、雪の季節ならではの光景が私を和ませる。木の枝と雪が創り出す面白い造形を何枚か撮ってみた。

          
          
          

          

 そうしたトレッキングを続けていたが、やはり新雪に埋まりながらのトレッキングが影響してきたのだろうか、左の大腿部の内側に痛みが出てきた。
 現在地を確認すると、どうやらJRの豊ヶ岡駅の延長線上あたりまで到達していることが分かった。この時12時30分。スタートした須部都川の河口から3時間半を経過し、直線距離にして約5キロにこれだけの時間を要したことになる。
 大腿部の痛みは心配するほどではなかったが、昼食休憩をとることにした。

          
          ※ 遠くに独立峰が見えた。〔ピンネシリ〕ではないかと思われるが、どうだろうか?

 昼食とは云っても熱い湯を持参したので、それで作ったスープとパンを流し込むだけだったが、適度な休憩にはなった。この時点でこの日のゴールは次の駅の札比内になりそうと予想した。(ライブレポ 4)

          
          ※ 午後から再び雪が降る天候となった。樹間から石狩川が見える。
  
 昼食を終えて、トレッキングを再開した頃から天気が崩れ出し、再び雪模様となってきた。石狩川の対岸がぼんやりと霞んで見える。
 そこを良く見てみると、対岸の付近が一部氷に覆われていた。どうやら流れが緩やかになるところでは水面が凍るようだ。つまり、私が見ていた石狩川の水面は凍るか、凍らないかの境目の水温のようである。
 事実、それからしばらく行くと、今度は対岸ではなく、こちら側の岸が凍っているところがあった。

          
          ※ 雪模様の中、対岸が霞んで見えるようになってきました。

          
          ※ 良く見ると、対岸が白く凍っていました。流れが緩やかになっているからか?

          
          ※ しばらく行くと、今度はこちらがわの水辺が凍っていました。

 大腿部の痛みは、今度は左の大腿部の付け根の部分に痛みが出てきた。一昨年に感じた痛みと似ている痛みだった。それは埋まったスノーシューを引き上げる動きを絶えず続けることによって出る痛みだと思われた。

 そうしているうちに、この日石狩川に流れ込む流れの中で最も大きな流れだと思っていた〔中小屋川〕の流れにいたった。
 V字の谷に積もった雪が割れて、水面が見えている。「これはもう迂回するしかない」と思われた。しかし、川の場合は樋門とは違い堤防まで戻れば川を超えられるという保証はない。
 私は川をよく観察した。すると、例え川底に下りても靴が濡れる程度の深さしかないことが分かった。そして幸いなことに、河口近くのところに倒木が川を跨ぐように架かっているところを見つけた。
 私は例え倒木が折れたとしても、川底が極めて浅いとの判断から、その倒木上を渡ろうと決心した。「案ずるより産むが易し(?)」、割合簡単に倒木の上を渡りきることができた。

          
          ※ 中小屋川が石狩川に注ぐところです。私は写真真ん中あたりの倒木の上を渡りました。

 中小屋川を渡ったところから、しばらく進んだところで、またまたマップ上にはないV字形に深くえぐられた流れに遭遇した。ここはちょっと渡れそうにない。
 GPSを確認すると、札比内駅のほぼ延長線上のこところだった。この時、時計は14時50分を指していた。
 大腿部の痛みは続いていたし、時間的にもこの日の行動を打ち切るのにちょうど良い時間だった。札比内駅にいたるには、まだしばらく時間が必要だし、札比内駅発16時15分の列車に乗るには余裕をもって駅に着くことができそうだった。

 堤防を超え、一般道路に到ったのが15時10分、ここでスノーシューを脱いだ。
 ここまでスノーシューでの行動で、万歩計によると21,500歩を示していた。この日、私はスノーシューでおよそ13キロをトレッキングしたことになる。
 札比内駅にはそれから35分、15時45分に着いた。(ライブレポ 5)
 ライブレポでも書いたが、当初は隣駅の晩生内駅までと目論んでいた。とんでもない見込み違いだった。晩生内駅まで少なく見積もってもまだ5キロ以上ある。

          
          ※ 無人駅の札比内駅は暖房もなく、寒々としていました。

 石狩川の流れは、私の目から見ると何ら変わらない流れが続いている。それでもゆったりとした、そして滔々とした流れはなんとも私の心を癒してくれる。
 この滔々とした流れを横目にしながら、私のプロジェクトはまだまだ続く…。

 次回は〔札比内〕から〔浦臼〕までと考えている。この間が一つの鬼門になるかな?とも思っている。さて、どうやって攻略するか?戦略(というほどのものでもないのだが…)を練ってみたいと思う。