田舎おじさん 札幌を見る!観る!視る!

私の札幌生活も17年目を迎えました。これまでのスタイルを維持しつつ原点回帰も試み、さらなるバージョンアップを目ざします。

映画 140 馬喰一代

2015-09-15 21:35:10 | 映画観賞・感想

 私はすでにこの映画を観ていると思っていた。しかし、映画「馬喰一代」は二度にわたって映画化されている。私が観たと思っていたのは主演が三船連太郎(1963年制作)の作品だった。今回は主演が三船敏郎(1951年制作)の作品だった。

               

 9月14日(月)午後、「めだかの学校」の9月例会として「映画の中の北海道~昭和編」が行われた。今回取り上げられた映画はタイトル名の「馬喰一代」だった。

 映画「馬喰一代」は、作家で、日本ユースホステル協会を起ち上げ、初代会長も務めた中山正男の自伝的小説を映画化したものである。
 舞台は昭和初期、北見地方で馬喰を生業とする家庭に生まれた中山正男(大平)の父親(片山米太郎)を描いたものである。
 荒くれ男で、無茶苦茶な生活を送る米太郎だが、大平が成長し、大平の地元を離れて進学したいという希望を叶えようと、米太郎らしい愛情の示し方で大平の夢を実現させるというストーリーである。

 私が以前観た三国連太郎主演の方では、役作りにこだわり、怪優とも称される三国の異様な荒くれぶりだけが印象に残った映画だった。
 今回の主演の三船敏郎は、世界的名声を得た三船だが、どちらかというと不器用で、口の悪い人に言わせると大根役者とまで呼ぶ人もいたようだ。三船の映画でも昭和初期のどうしようもない荒くれぶりを演じているのだが、どこかに人間味を感じさせる米太郎を演じていたように私には感じられた。

                   

 中山の生まれ故郷の北見(正式には佐呂間町)地方は、私も人生の大半を過ごした地である。
 昭和初期と、昭和20年代と違いはあれ、私の記憶にある当時の農家も主役は農耕馬であった。父親の実家も、母親の実家も農家だったので、馬は身近な存在であった。特に母方の祖父は曲がりなりにも馬喰のようなこともやっていたと聞いた。
 そうしたこともあり、かなりデフォルメされた当時の庶民の姿だったが、私にはある種の親近感を抱きながら観ることができた映画だった。