田舎おじさん 札幌を見る!観る!視る!

私の札幌生活も17年目を迎えました。これまでのスタイルを維持しつつ原点回帰も試み、さらなるバージョンアップを目ざします。

裁判員裁判傍聴ドキュメント №4

2010-06-23 13:17:08 | 札幌(圏)探訪
 この度、一般市民が裁判に参加する裁判員裁判が札幌地方裁判所で行われました。今年度道内では初めての裁判員裁判ということでマスコミも注目し、たくさんの報道陣が駆けつけていました。三日間にわたって行われた裁判のほとんどを傍聴しましたので、その様子をドキュメント風にレポートしたいと思います。 

 6月16日(水)裁判二日目である。
 裁判は9時45分から開廷されたが、私は都合により午後からの傍聴となった。
 午前中は被告人の母親の陳述があったということだが、他の傍聴人によると弁護人が母親の陳述内容を代読したということだった。
 
 13時30分から始まった午後の法廷では、まず検察、裁判官から被告人尋問から始まった。検察、裁判官からは現在の心情、心身の状況などについて問い質されたが、被告人から犯行当時に以前付き合っていた女性との関係、職場解雇の不安などから強いストレスを感じていて「判断力が働かなかった」という弁明があった。

 次に被告人の母親が証人台に立っての証人尋問があった。
 母親は被告人の肉親として被害者に心から詫びながらも、情状の酌量を求めるべく整然としっかりとした口調で裁判員に訴えた姿が印象的であった。
 その後の弁護人とのやりとりなどを通じて、被告人が被害者へ賠償金の一部として130万円を納付したこと、釈放された後5年間は北海道を離れ被害者との接触の可能性を絶つことを約し違反した場合は被害者に100万円の違約金を支払うことを明記した証書(正式名を記録できなかった)を提出したことが明らかになった。
 この時点で13時55分。20分間の休廷に入った。

 14時15分、法廷は再開された。
 最初に被害者から「被告を許せない。厳重な処罰を望む」という意見陳述があった。
 そして検察官の論告に移った。検察側の求刑は「懲役3年を求める」というものだった。さらに、被害者代理人(?)からも求刑があり、こちらは「懲役4年を求める」という内容だった。(このあたり何故両者から求刑があったのかは私には分からない)
 次に弁護人から論告に対して「被告人はすでに8ヶ月も拘留されていて、深く反省もしている。再犯の可能性も低く実刑とすべきではなく、執行猶予が相当である」と主張した。
 
 最後に結審にあたり被告人に最終陳述の機会が与えられたが、被告人は「犯した罪を深く反省している」と述べるにとどまった。
 15時25分、裁判長から結審が宣せられ、一日おいて6月18日午前11時から判決を宣告するとの予告があった。

 さて、裁判員裁判であるが裁判が進行する間、何度か裁判長から裁判員に問い質すことはないかと振られたのだが、私が傍聴していたかぎりにおいては一度も裁判員から発言がなかった。
 裁判員の方々もおそらく相当緊張して裁判に臨んでいたと思うが、一度も発言がなかったのは少し残念な思いをしたのも事実である。


※ ドキュメントシリーズが少し長くなっているが、次回いよいよ判決編をレポートし、このシリーズも終結とします。